◯『古画備考』三十一「浮世絵師伝」中p1367(朝岡興禎編・嘉永三年四月十七日起筆)
〝庄五郎
寛濶平気物語云、板行の浮世絵を、見るにつけても、昔の庄五郎が流を、吉田半兵衛学びながら、一流
つゞまやかに、かきいだし云々〟
〈「前書き」参照。『寛濶平家物語』宝永七年(1710)刊〉
『古画備考』「前書き」
△『増訂浮世絵』p69(藤懸静也著・雄山閣・昭和二十一年(1946)刊)
〝庄五郎
京都大坂で、一時吉田半兵衛が名高かつたが、それに関聯して、庄五郎なるものを述べなければならぬ
何となればこの人は半兵衛より以前で、半兵衛の画風に少なからぬ関係をもつものと察せられるからで
ある寛濶平家物語に云ふ、板行の浮世絵を見るにつけても、昔の庄五郎が流を、吉田半兵衛学びながら、
一流つゝまやかに書き出し云々とある。庄五郎が如何なる画風を画いたか明かではないが、半兵衛の私
淑した所をみると、早い時期の時様の風俗画を新しい洋式で画いたものであつたことが知られる〟