◯『無名翁随筆』〔燕石〕③320（池田義信(渓斎英泉)著・天保四年(1833)成立）
「堤等琳系譜」〝（三代目堤等琳門人）雪僊【本町一丁目、本宅ト云、泉山松月】〟
〈この雪僊は月岡雪僊(幡羽)のことだが、ほかの雪僊(幡羽)記事には泉山松月の名が見えないので、この記事は不審〉
◯『増補浮世絵類考』(ケンブリッジ本)（斎藤月岑編・天保十五年(1844)序）
〝古目吉の門人にや不知。神田鍋町に住し、いづみや作十郎と云、目吉の画風にあらず。大に異なり、
等琳の画風に近し〟
◯『新増補浮世絵類考』〔大成Ⅱ〕⑪206（竜田舎秋錦編・慶応四年(1868)成立）
〝泉山松月
称和泉屋作十郎と云、神田鍋町に住す。右目吉の門人にや。画風は大に異なり。等琳の画風に近し〟
〈「右目吉」とは右記の目吉の意味で、泉守一（渾名・目吉）をさす〉
◯『日本美術画家人名詳伝』ｐ19（樋口文山編・赤志忠雅堂・明治二十五年(1892)刊）
〝泉山松月
江戸ノ人、通称和泉屋作十良ト云、目吉ノ門人ナルヤ、其画風ハ大ニ異ナリ、等琳ノ画風ニヨツタリ〟
◯『古代浮世絵買入必携』ｐ18（酒井松之助編・明治二十六年(1893)刊）
〝松月
本名〔空欄〕 号 永陽亭 師匠の名〔空欄〕 年代 凡七八十年前
女絵髪の結ひ方 第十図・第十一図 （国立国会図書館 近代デジタルライブラリー）
絵の種類 並判、中判、長絵
備考 〔空欄〕〟
◯『浮世絵師便覧』ｐ237（飯島半十郎(虚心)著・明治二十六年(1893)刊）
〝松月(ｼﾖｳｹﾞﾂ) 泉山と号す、俗称作十郎、二世等琳門人、錦画有り、◯寛政〟
◯『浮世絵備考』（梅本塵山編 東陽堂 明治三十一年(1898)六月刊）
（国立国会図書館デジタルコレクション）（50/103ｺﾏ）
〝泉山松月【寛政元年～十二年 1789-1800】
通称和泉屋作十郎、水陽亭と号す、二世等琳の門弟にて、神田鍋町に住めり〟
◯『浮世絵師伝』p100（井上和雄著・昭和六年(1931)刊）
〝松月
【生】 【歿】 【画系】二代或は三代等琳門人 【作画期】文化～文政
俗称和泉屋作十郎、水陽（或は楊）亭・泉山と号す、後ち法橋に叙せらる、英泉風の美人画錦絵あり、
居所神田鍋町〟