☆ 天保七年(1836)
◯『俳諧人名録 二編』惟草庵惟草編 天保七年
〝〔か〕玉水亭歌川 武州新坐郡引又町 淺田氏 画 国貞門人 貞村
見たより◯折てかさむや梅の枝 ふたつみつ蛍も寒し舩の中
稲の穂へ手をそへて見る月夜哉 二三町森の切れ途の小春哉
◯ 肉筆美人画二点
肉筆美人画1 無題(仮題「文読む美人図」)〈題材は吉原の振袖新造〉
署名「哥川貞村画」〔貞村〕印(篆書体)
作画年代 未詳
〈貞村は「貞」を冠することから、豊国を襲名する前の国貞の門人であることが分かります〉
肉筆美人画2 無題(仮題「桜下美人図」)〈題材は芸者〉
署名「豊国門人 歌川貞村筆」〔貞村〕印(篆書体)
作画年代 貞村の師匠・国貞の豊国襲名は天保十五年(弘化元年・1844)の四月ですから、
これはそれ以降の作画ということになります。
〈貞村の名は『原色浮世絵大百科事典』や『浮世絵大事典』にも載っていませんので、これまで紹介されたことのない浮世絵
師だと判断し、画像を載せることにしました。上掲画像はともに貞村のご子孫、渋谷様から提供されたものです〉
☆ 弘化三年(1846)
◯『俳諧人名録 二編』惟草庵惟草編 惟草庵蔵板 書肆 須原屋佐助他 天保七年刊
〝玉水亭歌川 武州新座郡引又町 浅田氏 画 国貞門人 貞村〟
☆ 刊年未詳
◯「絵入狂歌本年表」(刊年未詳)
歌川貞村画『狂歌伊呂波集』一冊 歌川貞村画 便苔舎亀成・便晴楼千代鶴編〔目録DB〕
◯「日本古典籍総合目録」(国文学研究資料館)
上掲『狂歌伊呂波集』一点のみ