Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ ぎせん 義川 浮世絵師名一覧
〔弘化4年(1847)4月17日没・79歳〕(一説・安永8年(1777)~嘉永5年(1852))
 ☆ 文政三年(1820)    ◯『湯殿山道中一覧』刊(山形県立博物館ニュース・1983)   〝縦17㎝余、横13㎝余の色刷りの版画で、20枚一組になっています。この版画の上袋の裏面には「かみ    の山より月山・ゆどの山迄、くわしくにしき絵に著ス」とあって、上山を起点とする、月山・湯殿山参    詣の道中案内の版画であることがわかります〟   〝「湯殿山道中一覧」は、山形旅籠町生まれの画家宇野義川(1779-1852)によって描かれ、文政三年、    山形十日町の弧月堂から出版されました。出羽三山参詣行者の土産物としてもてはやされ、増刷がくり    かえされ、版木が彫りかえられたともみられています〟    〈同館所蔵の「湯殿山道中一覧 七日町大手前」の解説文〉   〝江戸時代の山形の様子を描いた版画です。「湯殿山道中一覧」という、全部で約30枚あると言われて    いる版画の一つで、湯殿山へ向かうまでの名所などが描かれています〟
     湯殿山道中一覧 (山形県立博物館「歴史」)    ☆ 没後資料    ◯『浮世絵師伝』p46(井上和雄著・昭和六年(1931)刊)   〝義川    【生】  【歿】  【画系】  【作画期】文化    文化初期頃に小形の風景画を画く、浮絵に於けるが如き遠近法を用ゐたり〟    ◯「山形県立博物館・レファレンス共同データベース」(2011年)   〝義川の姓は印章から「宇野」であると考察される〟   〝義川は、若い頃から藤沢祐川の弟子となり、狩野派の画法を学び、さらに西洋画法による写生画や、泥    絵・俳画などの作品が見られる。特に義川が現地に赴き、遠近法で写生した「湯殿山道中一覧」は、多    色刷りの版画で、最も著名である。義川は古希となった天保9年(1838)に、定信から定照と改名して、    以後は「義川斎定照」と落款を記している。弘化4年(1847)4月17日、79歳で没した〟