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これも中近東文化センターで展観されているものですが、なんとその制作年代は前5000年紀とあります。気が遠くなるような昔ですね。前5000年紀というとまだ新石器時代です。発見されたのはシリアとのことです。このような作品を土偶とよんでいます。
この土偶のつくられた時代は、古代オリエントということになるのでしょうが、ここでオリエントという言葉をおさらいしておきましょう。
オリエントと言う言葉は、地域を指す言葉で、大変広い範囲に使用されています。時にはアジアの総称として、使われ、東洋といった広い意味をもつこともあります。オリエンタルアートで東洋美術を意味するといった使い方です。しかし、中近東文化センターでは、もう少し狭く、エジプト、メソポタミアを中心とする小アジア、西南アジア、北アフリカ地方を指しているようです。この地域は、世界最古の文明発祥地です。特に、オリエント文明と言う言葉は、エジプト、メソポタミア、フェニキアなど古代オリエントで発達した文明を指します。灌漑農業に基づく中央集権制と強大な王の権力を背景に、巨大な宮殿、神殿などの造営のほか、文字、暦法、天文学、数学などの発達をもたらしました。ただし、この作品は、そのような中央集権制が登場する前のものと思われます。
また、オリエントという言葉は、えもいわれぬエキゾチックな印象を英米人に与えたようです。
このような作品は、日本の他の美術館にはなく、私の心を惹き付けました。この作品には、一口で言えば、素朴な美しさがあります。また、それは他地域の古代にも見られる(例えば日本でも縄文時代の土器には見られますが)ことですが、女体を豊穣の象徴として表現しています。特にこれは迫力がありますし、ユーモラスで微笑ましくなります。


ここでも、また、日比野信午さんの曲をBGMとして使用させてもらいました。題名はSunnydayとありました。明るい陽射しの感じられる良い曲ですね。

 

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