| 模倣の文化 |
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日本のポップスや歌謡曲などでは、昔から伝統的に洋楽曲の「パクリ」が数多い。メロディごとそのまんま、というものもあるが、ちょとしたフレーズやアレンジをパクる事も多いようだ。 ちょっと古いが、例えば、シブガキ隊の曲のイントロが、ナイトレンジャーという海外のバンドの曲のイントロと全く同じだったりとか、中森明菜(だったかな?)の曲の間奏が、イエスの「ロンリーハート」という曲のイントロそのまんまだったりとかで、当時は洋楽ファンからかなりひんしゅくを買ったりしていた。 しかし最近私は、その程度の事件はまだまだ甘い、全く問題にならない、と断言できてしまう程衝撃的な、ある楽曲のパクリを知ってしまった。 その曲とは、「サザエさんのエンディングテーマ」である。 この曲は、「お魚くわえたどら猫〜」というあのオープニングテーマに比べれば比較的地味な存在ではあるが、それでも子供からお年寄りまで誰もが知っている、おそらく日本国民であれば必ず耳にしたことがあるであろうという程、広く知られた曲である。 しかし何と、この曲のイントロの部分が、実は洋楽曲のパクリであったのだ。 「デデンデンデデン デデンデンデデン デデンデンデデン デン」という、あのフレーズである。 これを聴くと誰もが、「ああ、もう日曜日も終わりか...明日は学校(仕事)か...」と、ちょっとブルーな気分になってしまうという、ある意味日本人の心に深く刻み込まれている、印象的なフレーズだ。 このフレーズが、実は「1910フルーツガム・カンパニー」というグループの「バブルガム・ワールド」という曲のイントロと全く同じなのだ オリジナルの方はコードチェンジしないという点以外は、フレーズは全く同じであるし、ギターの音色までそっくりなので、聴いてみると結構笑える。 ところで一方、日本の音楽シーンでは、伝統的に洋楽の「カバー」も盛んである。 こちらはパクリと違って法的な部分でも問題は無いはずなのだが、このコラムを書いていたら、この「カバー」についても、ある重大な事実を思い出してしまった。 西条秀樹の「ヤングマン(YMCA)」といえば、当時子供から大人までそれこそ日本中が、振り付け付きで口ずさんだという、歌謡曲史に残る大ヒット曲である。 この曲は、アメリカの「ヴィレッジピープル」というグループの「YMCA」という曲のカバーであった。 それはそれで良くある話であるし、特に問題は無いのだが、実はこの「ヴィレッジピープル」、ゲイのグループなのである。 結構マッチョ系の...警官とかインディアンとか軍人とかの衣装を着た、いかにも筋金入りのそっち系の方々、といった風情の、ボーカルグループである。 そして、曲のテーマである「YMCA」というのは、本来はアメリカの各地にある若者向けの安価に泊まれる宿泊施設の事なのだが、若い男性ばかり大勢宿泊するという事でゲイが集まるようになり、やがてはその筋の人々の巣窟のようになってしまった、という場所らしく、要するにこの言葉は、モ〜ホ〜の方々の溜まり場を指すスラングみたいなものらしいのだ。 そして、ゲイであるところの「ヴィレッジピープル」の皆さんが、その聖地ともいえる「YMCA」を「最高!素晴らしい!」と歌ってらっしゃるのが「YMCA」という曲なのだ。 もちろん歌詞はある程度書き換えられているのだろうが、老若男女問わず大ヒットしたこの曲を、日本中の人々が何も知らずに、喜々として振り付きで「すばらしい、YMCA!」とか歌っていたのだから恐ろしいというか何というか(ちなみに私もその一人...)。 アメリカ人には、この光景は一体どんな風に映ったのだろう。 全くもう「ヒデキかんげき」とか言ってる場合ではなかったのである。 そしてもう1曲、ピンクレディーの「ピンクタイフーン」という曲も、実はヴィレッジピープルのカバーである。 こちらの方は、原題は「In The Navy」で、「海軍の中で」という事は、ようするに軍隊の中でのそういう事を歌った曲なんだと思われる。 今になって思えば、ビレッジピープルはキャッチーなメロディーのヒット曲も多く、全米での知名度もかなりあったグループであった。 ゲイであることを堂々と公言し、もろにそういう内容の曲を歌いながらもこれだけメジャーになれたのは、さすがアメリカというべきか... |