会員番号1653

岡 本   一 さん
(キリバス共和国)

cm105

2009.7.16


キリバスの岡本です。ご無沙汰しております。
忙しさにかまけて遅々として進んでいなかったカタマラン製作ですが、ようやく完成しました。
まず使えそうな材料を見つけるのが一苦労、材木なども一度売り切れると、いつこの国に入荷するかわかったものではありません。
7月の第2週は独立記念日があり、この国では1週間丸ごと祝日となります。5月下旬にはほぼ完成していたものの、最後の仕上げをする時間がなかなかとれず6月は週末もほぼ働きづめ、更に悪天候も重なり、今回の独立記念週間にエイヤッで仕上げました。図面をいただいてから足掛け1年が経ってしまいました。
今回のカタマランcm105ですが、自分なりにアレンジを加えました。横幅は2.3mと少し広く作りました。マストも2X2材(ここで売られている2X2材では捻れや曲がりなどの狂いが大きく使えなかったので2X8材から切り出した)を削って作りました。

最初細長く切り出したベニアの端材を3枚張り合わせたものを井形に組んでエポキシ接着剤で固めたマストを作ってみましたが、長く作るとどうしてもたわんでしまい、誰かに踏まれたのかある日継ぎ目でポキリと折れていました。簡単に折れるようでは実用に向かないので、これはこれでかまわないのですが、どうしても1本マストでは相当太くしない限りたわんでしまうので、A級ディンギーのような帆のタイプにしました。折れてしまったマストはそのままブームとマスト上部の斜め延長部分 に流用しました。
処女航海は職場から自宅まで約8km、岸から写真を取ってくれる人が居なかったので、帆走中の写真は今回残念ながら撮れませんでしたが、処女航海を手伝ってくれた青年海外協力隊員が体重約80kg、私が約65kgで合計145kgが乗っても沈むことなく、快調に進んでくれました。帆走してみていくつか不具合が見つかったので多少の修正が必要ですが、初めてにしてはまずまずの出来だったと思います。
写真1:ラダーです。最初蝶番は上部1箇所だけ付けていましたが、それだと強度が足りずフニャっと曲がってしまいました。下に付けなかったのは海水にぬれるとすぐ錆びるからです。でも、小さなハードウェアショップを併設するガソリンスタンドでたまたまステンレス製の蝶番を見つけたので即購入、取り付けました。
2:ラダーの取っ手は塩ビパイプを付けています。横渡しのパイプの真ん中でホウキの柄のポールをパンツのゴム紐で付けました。ただし、実際座って操船してみると横渡しのパイプがちょうど手の届く位置にあり、このポールは必要ありませんでした。
3.塩ビパイプ同士のジョイント。単なる番線です。

4.ラダーと塩ビパイプのつなぎ目。結束バンドで縛りました。耐久性はともかく簡単で結構しっかり留められます。早く完成させたかったのでこれを使いました。以前居たアルゼンチンではこれを結構いろんなところで活用しているのを見ました。極端な例では大型の結束バンドを警察が簡易手錠の代わりに使ったり...後ろ手で交差した手首にこれで縛られると素手ではまず切れません。両足首まで縛られると、もうイモムシ状態です。
5.マストのステイ。1本だけ真後ろに付けています。これだけでも十分持ちましたが、横風を受けて帆走したときにはマストが結構たわんでいました。両舳先に1本ずつ渡すと強度がかなり増すと思われます。