〜高井 章 先生〜

 

同窓会報 第5号 より抜粋

   高井 章 <理科 昭和46年〜平成11年までの29年間在職>

    やっとと言えば少し言葉足らずであるが、私はこの3月に退職し、蟹江高校を後にした。
    第1回生225名の写真に囲まれ「卒業おめでとう」と書き入れた大きなパネルをわざ
   わざ製作し、記念にと贈ってくれた。退職とせずに「卒業」と書き入れてあるところが言
   わずともやっとの気持ちに通じるのである。そのあたりまでも、つかんでいてくれるかと
   思うといっそううれしい。さすが1回生である。蟹江高校での在職が30年近くになって
   しまったが、赴任して以来いつも心の片隅に置いていたことの1つに、生徒たちが卒業後
   再び戻ることなない高校時代を振り返った時、満足感をおぼえるような「思い出つくり」
   がある。それは心の財産作りでもあった。
    学校祭が近付くと準備に夜遅くまで没頭し先生に追い返され、友達の家に群れ泊まるな
   どして、朝と言うにはまだ早すぎる時刻に学校へまい戻り、巨大なマスコットなどを作り
   先生達をはらはらさせた生徒、きっと3年間に燃えるような青春の思いでをいっぱい作る
   ことがで出来たであろう。こうして高校時代に培った前向きなバイタリティは、今自分に
   とって見えぬ大きな財産になっていることと思う。
   さて、みなさんはどんな印象、思い出をお持ちですか、部活動に学校行事に勉強にと、時
   の経つのも忘れるほどに打ち込んだ人ほど、充実したすばらしい思い出を語ることが出来
   るでしょう。そして30年の世代を超えて先輩と後輩が共に同窓を語ることが出来たらも
   っとすばらしい。しかし、私の脳裏に次々とよみがえる卒業生諸氏の数々の前向きな思い
   出は、昨今の生徒との落差をどのように埋めたらよいか私を困惑させている。



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