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彼が入ってから暫らくすると火が消えたらしく、鉄面に触れても熱く感じなくなった。
「くすぐりっこしよう」と直子が言い出した。 「何処かくすぐったい所はないか、言ってみなよ」、彼は腋の下、首すじ、その他のくすぐったいと感ずるところを指摘した。 「それじゃ、そこ以外のとこをくすぐってもよかっぱい。」といい、彼の背中をくすぐり出した。正しく、そこはくすぐったかった。大騒ぎして、彼は直子に抱き付いた。 直子の母親が飛んで来て、 「何を騒いでいるんだ、騒ぐんじゃ風呂に入れないよ」 と言ってまた台所の方に行ってしまった。(第7章おわり) 第8章へ
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