このような時期が徐々にではあるが迫っているように彼には感ぜられた。 親会社の労働組合がこれまた子会社の労働組合を牛耳っている。親会社の組合長はその名を会長と呼ばせ、子会社の組合役員人事はもとより、親会社の役員人事、子会社の役員人事にまで口を挟んでいる。このような状況から、組合出身者が親会社の役員になっている有様である。
職制になるのも組合出身者が早く、そうでないものとの間の不公平さから不満が社内に充満する結果になっている。このように、会社も組合も親会社べったりであるから、子会社の人事も組合出身者が幅をきかせることになる。
 さらに悪いことに親会社の組合長は己の野心のためか、国の政治にも口を出し、自分の勢力を延ばすため選挙運動を親会社、子会社の組合員、職制に至るまで強要するのである。
組合員は殆んどが、この組合のやり方に憤りを感じている。職制にとってもいい迷惑なのである。(第16章終わり) 第17章へ
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