
京大・金大 2つのオーケストラ

京都大学の楽友会館において昼食のテーブルを囲んで、今回の合演を進めている両大学オケの人を中心に、今回の合演について、或いは相互のクラブ等について話し合いが行なわれました。「いただきま−す。」の声から話は始まりました。
参加者
京都大学・・・畑、伏木、児島、柳生
金沢大学・・・伊代田、斎藤、滝口、犀川
合演という話はどこから?
金A どういういきさつで合演になったのですか。
京A 演奏旅行を先ずやるかやらへんかという話がありましてね、今年はやることに決まったんです。小コンサートばかりだったらつまらないし、1回くらいは大きい演奏会を開きたいと。そうした場合に、僕たちだけで演奏会をやるのもいいけれども、どこかの大学といっしょにやればいろいろ楽しいこともあるし、ちょっとはしんどいこともないしと・・・・・・。
京B 風のうわさで金大はきっとNOと言うに違いないと聞いていたんです。京大との合演があるとか言うたら「ええ?そんなあ!やるんだったら僕やめる〜」とかおじけづいた人がいたそうですから。(笑)
金B そんな人いませんよ。
金A 合同演奏曲「展覧会の絵」はどうやって出てきたんですか。
金C 最初からこちらはお祭り騒ぎといったらおかしいけれど、150人ぐらいでやりたいわけです。だからそれに耐えられるような曲で、かつみんなが楽しみやすい、知名度がある曲で選んでいったわけです。
サークル主義?それとも芸術主義?
金C 金大フィルのいいところは1年から5・6年まで、とにかくみんなのっているというか下手でもいいからやってやろうというところ。曲もレベルなんか考えないでやっているんです。クラブ活動として、実質の演奏ということに関しては心得るものがないと思うんだけれど−。
京B 京大オケでは、練習している者は皆演奏会に出られるようにしようかということはないでしょう?
京C それはしかたないね。演奏会を最重要視しているからどうしても…‥・。高いお金取って、ソリスト呼んで、そして演奏会として聞かせるというと、演奏が一番の問題になるから
京B 金大フィルの人でも、例えば朝9時頃学校に出てきて、先ず練習場の方へ行って、という人はいるでしょ?(「いるよ」)それで夜遅く、12時頃までもね、頑張って吹いている人、そういう人がいるんじゃないですか。
金C ただ、その人たちだけではオーケストラ組めないね。パートに1人か2人いるけど半分もそうじゃない。
京B ほんなら僕の所、そんなんばっかりやろうか。
京A いや、ばっかりとは言えないけどね。
やはり怒鳴る人がいないと・・・・・・
金C 京大だったら例えば音はずしたりした時、すごい叱られるわけでしょ?金大の練習の時、はずしてもアハハハとやっているわけよ。
京B 僕らかって、ホルンで例えば一発はずしたら、そんなんあるかなあ。アーアくらいのところもあるんちがうかなあ。
京C ちょっと前まではこわい人がたくさんいてて、怒鳴る人とかいてたから恐かったけど、最近ワハハハになってきつつあるね。それ、あまりよくないよ。
金C そういうこわい人なんかはドジッタ人に対しては、どういう風に? 何か言うわけ?
京A 椅子蹴ったとか有名な話がありますね。(笑)何やっているのやあ、という感じで。
金C それでそういう時は全体の雰囲気は、シーンとしているわけ?
京C そうやね。
京B 近頃、練習にそんなビシッ、ガーンってそんな感じあるかな。
京A 遅刻したら怒鳴られる。
京C 当然やね。
京C 初めのうちは怒鳴ったりする人いてていやな感じだったけど、自分たちだけでやっているわけだから、やっぱりそういう人間いないとだらけちゃう。
音楽が好きだから・‥…
金A いったい、どういうふうにというか、クラブにどういうことでいるわけですか。
京D 好きだからやっているわけで、大きな意義を感じているわけではありません。
京A 演奏会に出してもらえなくても、石にかじりついてやっているのは、それだけの意義があるわけ?
京B ひとつのことやりだしたら、ある程度のものにしたいと思うわけね。途中で投げ出したくない。
京A それがオケである必然性はないわけだろ?
京B かもしれんけど、これでもかこれでもかと自分の力を伸ばしていくのはここのオケでないとだめなんじゃないかなとぼくは思う。
金B 講義出ずにクラブやっているんでしょう?
京B 出ずにというと語弊があるけど。要領よくやっているんよね、学校のほうも。いや、できるだけ音楽をやってみようという、そういう人が多いのとちがうかな。
話し合いは興味深い数々の雑談を交えて楽しく続いたのですが、紙面の都合でほんの一部しか紹介できないのが残念です。
略歴
−京都大学交響楽団−
大5 音楽部創立決定。
7 羽衣管弦楽団解散後、関西唯一の管弦楽団となる。
昭11 戦前の最高峰、ベートーベン「第九」を公演。
20 年2回の定演を欠かすことなく終戦を迎える。
22 火事によりほとんどの楽器、財産が灰に帰す。
32頃芸術主義とクラブ主義の対立は前者が勝利する。
41 創立50周年記念特別演奏会。
53 第123回定演。
−金大フィルハーモニー−
昭24 団員16名から成る管弦楽団が結成。
25 第1回演奏会、理学部講堂にて。
「金沢大学フィルハーモニー管弦楽団」名称決定。
27 正統的なプログラムの演奏会を始める。
31 名古屋大学管弦楽団と合同演奏会。
44 創立20年にあたり定演は30回を迎える。
51 客演指揮者に伴有雄氏を招く。
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