2002.12.08. |
私の好きな歌4
高校生の頃、映画のタイトルを模した音楽に惹かれてムーンライダーズを聞き出してから、もう何十年も経つ。好きな曲は沢山あるけれど、この時染みたのは「駅は今、朝の中」だった。これは比較的最近になって、好きになった曲だ。恋人と別れて旅立つ歌(多分)。一番気になるのは、「僕の首には君の犬歯がうずいてるから襟立てて」という箇所で、首に犬歯を突き立てられる、というのがどういう状況なのか、いつも考えて込んでしまう。具体的には語れなくても、そういう感覚はわかる。だから、首に犬歯を突き立てる、ようなことだけはしたくないなあ、と思っているのだけれど、結構やるんだな、これが。この歌詞の後には、「僕は卑怯で臆病者で、君の中にはいられない」と続くのだけど、そんなこと言われると、きっとますます歯に力を入れてしまうと思う。すごく切ない歌だ。
最初はきっと小さな傷なのに、どんどん広がってしまう、行き違い、空回りする。「君のこと、好きだった」といって歌は終わる。そんなこと言われるくらいなら、尼寺に行けといわれる方が五千倍マシだと思う。だけど不思議なのは、自分が首に犬歯をうずかせているという思いはあるのに、人に犬歯を突き立てられていると感じることがほとんどないことだ。酷い目にあったとしても、首筋に犬歯を突き立てられているとは思わない。それは全く直接的なボディブロウやパンチであって、ちょっとでも動いたら皮膚を突き破る、というような脅し(自覚はない)ではない。
注★) 例えば…「君はかけても豚だけど、僕は走って灰になる」…ぐさっ。 |
●ムーンライダーズ 「駅は今、朝の中」 1985年10月21日発売のアルバム『アニマル・インデックス』(Pony/Canyon D32A0121)収録曲。鈴木博文作詞・作曲。 |
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