A R E A:  中央アルプス
COURSE: 大田切本谷〜東熊沢出合
1/25000MAP: 空木岳,赤穂
D A T E: 2006/08/04
WEATHER: 晴
T I M E: 07h20m PARTY: 14人

大田切本谷〜空木岳(2863.7m)

コース:檜尾橋〜取水口〜糸ダル沢出合〜梯子ダル沢出合〜東熊沢出合〜木曽殿越〜空木岳(2863.7m)〜空木平〜池山尾根〜駒ヶ根スキー場

初級登山学校実技。コーチの方々に助けられながら実力以上の沢へ!
数々の難所を過ぎ、遡行開始から2時間経っても、振り返るとまだ沢の入り口がすぐそこにあった。
2日目にもさらに難所が・・・。いろんな経験が出来た必死の3日間。
(この記録は初心者の私の個人的感想です。難易度の感じ方は人によって異なりますので、ご了承下さい。)



コース概念図


ガイドブックの写真と全然違う、すごい水量!迫力あるなぁ・・・


水量がすごすぎて、突破できそうなのは右の滝だけ。でもハングしてるし、ホールド乏しいし・・・


膝下の深さでも、すごい圧力がかかり、ちょっと深い部分では足をすくわれそうになった


難所続き


「まだ入口見えてるやん!」ー沢に入ってから2時間が経過していた

1日目(取水口〜東熊沢出合)

事前に読んだガイドブックには「滝見ハイキング」とか「人気があって入りやすい沢」と書いてあったので、ちょっと安心していた。 気にしていたのは、寒さ対策と軽量化だけだった。

05:50 檜尾橋
06:30-07:00 悪沢出合(取水口)
入口の手前にある悪沢も迫力満点の水量だった。ゴーゴー言って流れている。なんだか怖いなぁ・・・。
ここで沢の装備を装着する。
大田切本谷に下りるとさらにすさまじい水量!グォ〜ッて感じで渦巻いて泡立って流れている。滝は地響きのような音を出しながらドカドカ水を落としている。 ちょっと離れると会話も出来ないほどの水音だった。

07:20頃 さっそく行く手を阻まれる
沢に入るとすぐに行く手をハングした滝に阻まれた。まだ遡行図にも出ていない場所だ。普段は真ん中の大岩を乗り越えるみたいだが、今日は水量が多くて無理。。。 先頭を行くコーチがハングして、つるっとしている場所を、「私には絶対ムリッ!」て思う動きで突破。
まず全員の荷物を上げ、それから数人のコーチが上がっていき、ついに私の番が来た。一応コーチ達の動きを見ておいて真似をしようとするが、なんか全然バランスがとれない〜!!じたばたしていると、 見かねてコーチが引っ張り上げでくれた。もはや「A0」でもなく、「荷上げ(られ)」という感じ。体重が重くて申し訳ないです・・・。

08:10 最初のハングした滝突破!
全員が無事登り終え、荷物を背負って前進。
ここで今日初めての徒渉。ほぼ膝くらいの深さだが、予想以上の水圧にびっくり!すり足で歩いても、よろめく程だった。

08:30 遡行図に載っている最初の関門
遡行図に載っている最初の関門にやってきた。大岩の間のクラックを登る場所だ。到着した時には、すでに工作隊がクラックの上に登っていた。
ここは右の岩をゴボウで登った方が早い、ということになった。コーチ達はらくらくと右のつるっとした大岩を登っていく。私はそうはいかず、途中まではよかったが、最後はまたマグロのようにひっぱり上げてもらってやっと登った。

09:00-09:10 最初の休憩
数々の難関(私にとって)を突破し、一息いれることに。行動食を食べながら振り返ってみると、まだ入口の悪沢が見えていた! !いったいこの後どうなってしまうのか・・・。今日中に東熊沢出合まで到達できるのかな・・・。
09:29 糸ダル沢出合
左手の遥か高い場所から滝が落ちてきていた。写真に撮るも、画面に入りきらず、すこし行き過ぎてから振り返って撮影して、やっと全貌が入った。 振り返って見た方が糸っぽく見えた。
09:31 雨ダル沢出合
意外と早く通過。この後もしばらくサクサク進んだ。
やがてゴルジュに入る。ゴルジュだけど広くて明るい。が、水流だけはさらに激しくなっているようだ。 その中を何度も徒渉する。少し徒渉には慣れてきたが、それでも腰近くまでの深さがある場所では身体がもっていかれそうになる。テープを出してもらったり、手を引っ張ってもらったり、 石が見えているところでは石から石へと飛び移ったり、2〜3人でスクラムを組んで渡ったりと、いろんなやり方を体験できた。

11:20-11:25 岩の窪みで休憩
右側にあった岩の窪みでちょっとのんびり行動食を食べた。日光が暖かくて気持ちがいい。
向こう岸の名前の分からない沢が、ずっと上の方から滝を落としているのを、ぼんやり眺めながら、まったりとした。

12:15 梯子ダル沢出合
徒渉と巻きを繰り返し、沢が大きく右に曲がっているところへ来た。右に回り込むと・・・目の前に巨大で美しい滝が!
梯子ダル沢だ!すごいなぁ〜。ガイドブックの写真よりも、水量が多くて迫力満点できれい!しばらく写真タイム!
・・・余韻に浸りながら、さらに進むと、大きくてきれいな釜のある3m滝。右側を巻いた。
12:50 無名沢出合
無名とは思えないほど立派な滝を落としていた。
13:05-13:20 すこし休憩
入口付近では時間がかかったが、その後は順調で、もう本日の露営地の東熊沢出合は近い。
13:30 大地獄沢出合
右手前方奥に激しい勢いで落ちる滝が見えてきた。沢の中にある小山(木も生えている)越しに見ながら通過。この沢の中にある小山は「インゼル」というらしい。
14:50 BP決定
東熊沢が流れ込んでいる向かいにBPを決定。タープを張った後、宴会。その後たき火をかこんでお酒やコーヒーを飲みつつ、いろんな話をした。幸せな時間だった。
20:40 就寝
タープの外で、満天の星を見ながら寝た。東熊沢からドドド・・・と水が流れ込む音がしているが、グッスリ。
>翌日へつづく


振り返ってみた糸ダル滝


ゴルジュも明るくて広い


徒渉できる場所を探すのも大変


狂ったように流れている


牛柄の石


角を回り込むと、突然梯子ダル沢が見えた!

梯子ダル沢の滝の高さは50m。きれい〜。


きれいなので部分の写真も撮る

次に出てきたのは大きな釜をもった3m滝

いろんな花があちこちにあった


りっぱな無名沢からの滝


すごい良いお天気

だんだん入道雲が発達してきた

もしかして夕立が起こるかも?と心配になったが、この日は大丈夫だった。


露営地点、東熊沢出合に到着。池山尾根らしきものが見えてきた。


たき火をかこんでいると、暖かいし、話も弾んで、本当に幸せ・・・。

<翌日へつづく>