【NSXのひみつ】

ちょっとだけ裏話です。

Q. & A.  形式にしてみました。

【この内容についてホンダへの問い合わせなどは行わないで下さい。】

1初期型のフロントタイヤは細くありませんか?
フロントタイヤは開発時よりサイズアップしています。
 初期型NSXのタイヤサイズは、【 F : 205/50R15  R : 225/50R16】です。
 フロントが細いように感じますか?
でもこのサイズは、開発時からみるとサイズアップされているのです。
 元々は195サイズで開発されていたのを 市場の要求に応えてサイズアップし、当然崩れる前後バランスを コンパウンドやベルトのチューニングで対応したそうです。
 市販されているタイヤに交換するという事は、純正でとられているバランスを崩す事になります。  205/50R15は、というより市販のタイヤは FF車用として開発される事が多く、 操舵・駆動をフロントのみで受け持つために、グリップ・剛性も強化されています。
 これをNSXのフロントに履かせると、ほとんどの場合はオーバーステアが強くなり、 操縦性が悪化します。  逆に、フロントに純正、リアに市販品を履かせるとアンダーステアが強くなり、やはり操縦性が悪化します。
 バランスを考えるなら純正が一番。 NSXは真実です。
 
2NSX でスキーに行けますか?
車ですから行けます。 実は、専用キャリアも開発されていました。
 身近にシャーシーナンバーが 1,500番以前のNSXはいますか?
もしいるなら、Aピラーからルーフまでの雨樋(?)部分を見て下さい。  外れるようになっていませんか。
 そう! 実はこの部分を外すと、純正キャリアの取付部が現れる、、、ハズでした。
アルミボディのNSXにはマグネット式キャリアは付かず、 ルーフの前後長が短い事もあって市販キャリアを付けるのも大変。  安全性にも問題があるでしょう。
 ホンダもNSX開発時から考えていたらしく、純正キャリアの開発も行っていました。  しかし、、、 テスト走行中、80km/h でキャリアが外れて飛んでしまい、開発は中止 されたそうです。
 NSXでスキーに行く人はあまりいないでしょうから、 べつに構わないといえばその通りだと思います。  が、NSX 発売直後の雑誌に、4輪スタッドレスでスキーに行く ベルリナブラックのNSXのオーナーが紹介されていました。
 
3クーペに NSX-S用 純正サスペンションを装着できますか?
できます。
 問題なく装着できます。
注意点としては、クーペは NSX-S より重いので、NSX-S なら車高 10 mm ダウンですが、 クーペの場合は 15 mm ダウンします。
 費用は、純正サスペンション \25,600/本 × 4本 + 工賃 で、約 15 万円とリーズナブル(!?)です。
 ちょっと大変ですが、もしスタビライザーまで NSX-S 用を付けて、 アライメントを NSX-R と同じにすると、かなり良いセッティングになる そうです。
 私自身確認はしていませんが、、、。
 
43,200cc になっても 280ps のままなのはなぜですか?
リストラクターで自主規制に制限されているからです。
 排気量が 200cc アップした新エンジンですが、3,000ccと比べて吹け上がりが少し鈍くなったような気がする人もいるようです。
ボアアップしてピストン重量が増えたせい? それもあるかもしれませんが、、、。
 その前に、排気量アップしたのになぜパワーが 280ps のままなのか考えてみましょう。  排気量が増えれば、パワーアップも簡単なはずですよね。
 国内自主規制? そのとおりです。
実馬力を抑えるために、スロットルにリストラクター(?)を付けました。
 そのため、 スロットルまわりのパーツを交換すると 10 ps くらいパワーアップします。
 吸入空気量増加に伴う燃料制御は、純正コンピュータで対応可能と、 信頼できる方からの情報もいただいています。
 
5クーペに NSX-R 専用ホイールは装着できますか?
できますが、ノーマルクーペには強度が足りない可能性も、、、。
ここでは前期型の【 F : 15インチ  R : 16インチ】を想定しています。
 軽量化された NSX-R 専用ホイール。
単純に軽量化して問題は? もちろんあります。
 専用ホイールは、NSX-R の軽い車重に合せて選択・設計されました。
もしこれを NSX-R より 120 kg 重いノーマルクーペに装着すると、 サーキット走行などでは ホイールが強度不足で変形 する可能性もないとはいえず、クーペ本体の性能を発揮できないかもしれません。
 NSX-R 開発時、ホイールの強度不足のため、 ノーマルクーペ用ホイールでテスト走行が行われていた時期もありました。
 実は、 ノーマルクーペ用ホイールは BBS製の鍛造品らしぃ のです。
 パーツリストでホイールの価格を見ると、前期型ノーマルクーペ用は、 後期型【 F : 16インチ R : 17インチ】とほぼ同じ、 typeR用【 F : 15インチ  R : 16インチ】の倍です。
 3.2L typeS用 BBS製【 F : 16インチ R : 17インチ】は、 NSX専用設計で、やはり(価格も)別格ですね。
 NSXにはホイールも純正が一番ですが、 交換しようとしても市販品には純正に近いオフセット値を持ったホイールが ほとんどないというのも悩みのタネですね。
 
6どうして NSX-R は、期間・台数 限定だったんですか?
そうしなければ認可が下りなかったからです。
 NSX に限らず全ての車は国の許可なく公道を走ることはできません。
 NSX-R を見た運輸省は 「こんな危険な車を売ってはいけない。」 と認可をしませんでした。  レーシングカーが公道を走ることは認められないというわけです。
ホンダは 「それならば、3年間、または 1,000台の限定で出したい。」という 条件でやっと認可をもらったのです。
 今はランサーやインプレッサのエヴォリューションモデルも珍しくなくなり、 パーツの交換や車高ダウンも認められるようになりましたが、 当時は厳しかったということです。
 NSX-Rは特別なモデルですが、 決して「付加価値を高めるための限定」ではない という事を知っておいて下さいね。
 
7 スピードリミッターを解除したいんですが。
方法は三つあります。
・リミッターカッターを装着する。
 市販のデジタルスピードメーターにはリミッターカット機構が付いているものがあります。  表向きは競技用となっていますが、、、。
 180 km/h を超えても、180 km/h の疑似信号を出力するものです。
長時間の高速全開負荷でない限り、エンジンへのダメージもほとんどないようです。

・無○限製 CPU を装着する。
 リミッターがありません。  180 km/h 以上の燃料マップもきちんとしています。  一応、競技用となっていて、購入時は純正 CPU 下取りはしません。

・輸出用CPUを装着する。
 ヨーロッパ仕様 CPU をディーラーで取り寄せられるそうです(要車検証)
これなら問題なくリミッターカットできますね!?(詳細不明)
 無○限製 CPU は輸出用 CPU そのものという噂があります。



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