あの頃の味nine age dream


それは、俺がまだ何も知らない子供の頃だっだ。季節は夏で、学生にのみ与えられている夏休みと言う特権を、小学4年生の俺達は楽しんでいた。だが、夏休みも後半になると、やりたかった事は全てやり尽くしており、有り余る時間をどうやってつぶそうか?と近所のダチどもが集まってくだらない事をしているだけだった。俺達は何かに飢えていた、何かを見つけたかった。そんな風に過ごしてきた俺達に、あの日がやってきた。そう、その後の俺達を変えたあの日が…。

第1話  恐怖のカルピ酢 8月中旬 午前10:00頃 家にて
、何かねーのか、することーし、かなり暇だぞ」
こんな事言うまでもなく、みんな暇でやることが無いことくらいわかってた。
「暑いから何か飲もうぜ、何かある?
「カルピスの原液くらいしかねーよ、こいつでカルピス作るか?
ここでみんなの人生を変える一言をが叫んだ。
「そうだよ、カルピ酢だよ。カルピ酢、作ろうぜ」
俺達は何をそんなにカルピス、カルピスほざいているのかよくわからなかった。俺達が不思議がっているのにKが気付き、カルピ酢についての説明をし始めた。
「いや、だからさー、普通のカルピスじゃ無くて、原液を酢で薄めるんだよ。」
「だったら1つだけ酢のやつ作ってロシアンルーレットみたいにしねーか。」
「やだよ俺。そんなん飲みたくねーよ。勝手にやれば、お前らだけで。」
しかし、武力という名の力によって、の強制参加が決まった。内心俺は逃げ出したかった為に、の強制参加は、かなり俺の精神に負担を与えた。
「力なら行ける。こいつらを全員、殺っちまうか…」
等とも考えた。だが、基本的に、武力解決はイケナイ事と考え、仕方なく参加することにした。
「じゃあ、全員参加な。OK!」
「OK、OK。」
みんな投げやりだった。そりゃそうだ。誰も、カルピ酢なんて飲みたくねーよな。が、俺達の心は少しずつだがウキウキしてきていた。何かが、かわって来ていたのだ。そして………。


突然だが、少し登場人物について説明させてもらおう。
(一応、主役兼作者のみんなが知っている人。)
(あだ名はガミー。ちょっち、中国人ぽい。一言多い。
(強引で悪どい。が、憎めない。そんな奴。)
(性格がセコセコしている。少し戦闘能力が低い。)
(性格は大人しいが、ときどき大胆な発言をする。名は竜太。)
(運のない、ファイヤーボールの子。今回は審判になった。)

ついに、死の晩餐が始まろうとしていた。Uが、家の台所を使って カルピ酢を作って、おぼん上でシャッフルして、俺達のいる居間に持ってきた。
は、何かすごく嬉しそうだった。無理もない、彼はこう言った事があると、何故か犠牲になってしまう性質なので、今回のようなはずれのない役は奇跡、としか言い様のない幸運だったからだ。この時、俺はあとで、必ずを何かにはめてやろうと思った。たぶん、他の奴も同じことを考えていただろう。そしたら、が、
「はやく、やろうぜ。作ってきたからさー。」
と、のたまいがった。俺達は、殺すぞと思ったが、仕方なく始めることにした。
「じゃーんけーん、ぽい。」
じゃんけんによってコップを取る順番が決定された。一番に取るのは、続いて俺()、の順番となった。それぞれが、
「この俺が当たるはずねー。まず、これは違うぜ。色が普通だからな。」
「俺はこいつを取るぜ。まず違うだろうからな。」
「・・・・・・これだな。」
「やべーよ。残り2個じゃん。・・・こっちだ。」
「選択権なしかよ。終わったも同然じゃん。」
などの適当なことをほざいて取っていった。みんな、一斉に飲めるように、がカウントをし始めた。
「じゃ、10、9、8、・・・・、3、2、1、0始め。」
「ごく、ごく、ごく」
開始前に臭いを嗅ぐことは禁止されていた為、誰もが、どれがカルピ酢かわからないまま、風呂上がりに牛乳を飲むように、胃の中に液体を注ぎ込んだ。変化は起こった。俺は自分のやつは違ったので、
「うっ、こいつだ。こいつがカルピ酢だ。しくじっちまった。」
とそんな顔をして飲んでいる奴を捜してみた。俺の見た所では、十中八九、はコップの色から見て違うので安全だと思い、の方を見た。そうしたら、
R&A
「ごく、ごく、ごく。」
はともかく、恐る恐る飲んでいたでさえも普通に飲んでいるではないか。まさか、大口たたいていたか?そう思い、の方を見ると、
「当然、普通のカルピスさ、ふふっ。」
みたいな顔して飲んでいた。まさに俺の予想どおりのらしさだった。
と、言うことは、いや、まさか、しかしもう奴しかいない。そうか、奴だったのか。自分の家で不幸な事になぁー。そう、みごとにカルピ酢をヒットさせたのは、他ならぬこの家の人間、だった。は、
「なんじゃー、こりゃあ。まさかこのわしが当たったのか。」
ってー感じの顔でコップの中にある液体を飲んでいた。そして、50%くらい飲んだところでついに、の口がコップから離れた、その瞬間、
「俺のがカルピ酢だ。こいつはまずいなんてもんじゃねーぞ。俺はもう飲めねー。」
と言いだした。しかし、俺達は無情にも、叫ぶに向かって、
I以外
「ふざけんじゃねー。当たった以上、全部飲め。当然の義務だ。」
と優しい言葉をかけ、ついでに見えない圧力(プレッシャー)を与えて上げた。は絶望感と悲壮感をあらわにした顔をして再び、人類の作りだした魔界を、悪魔すら超越し、神々さえも震撼させる、ヘルズゲートの鍵を自らの命を持って封印しようと試みるのであった。
「不味すぎる。と言うよりこいつは違う。」
とかなんとか言いながら彼は一応、封印に成功した。しかし、圧倒的とも思える負荷は、確実に彼の体を蝕んでいった。そして、ついには負荷に耐えきれなくなり、彼は、
「俺もうダメだ。ちょっとトイレいってくるわ。」
と言って、みずからの体を浄化しに逝ってしまった。結構、口調がしっかりしていたので大丈夫かな、と思って安心していたら、トイレから謎の音が聞こえてくるではないか。まさか、すでにはあいつに殺られていたのか?そう、時すでに遅く、の内部は奴に浸食されていたのだ!はトイレで未知なる戦闘を繰り広げていた。音は止まず、が心配になった俺達はの健闘を祈りつつ、戦闘の邪魔にならないようにに帰りの挨拶をして退散するのであった。俺はこんな事になったので、もうこんな事を行なうことはないだろうと思った。しかし、家を出るときにが、
「めちゃ面白かったから、またやろうぜ。」
と言ってたのを聞いて、少しその方向に心が傾いたのであった。

第一話 完


第二話 予告
の後を追うように次々と倒れてゆく仲間達。の裏切りにより召還された二番目の刺客。はたして、我々は襲い来る敵達から逃れることが出来るのだろうか?
次回 地獄からの使者

君の後ろに何かが・・・


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