ふらり。
一時の気の迷いで、オレは再びセングラクイズをやり始めた。
今度は負けない。
バッチリ、メモを取る腹づもりだ。
これで勝てないなら、オレは相当なグズだ。
12人いるヒロイン、どいつから攻略しようか。
どれもこれも大差はない。
オレの好みのタイプもいない。
オレは生理的嫌悪感を最も強く感じるヒロインから、潰していくことにした。
オレは、嫌いな物を先に食べ、大好きな物は一番最後にとっておくタイプだ。
生理的嫌悪感No.1のヒロインは
永倉えみる
キミに決めたっ。
……
……
……
60回くらい、コンティニューを繰り返しただろうか、ようやく問題が解けるようになってきた。
予備知識がない状態で5択のクイズは辛い。
ちゃんと、セガサターンのゲーム本編をやっときゃ良かったかもしれない。
後悔は先には立たない、そしてオレは前に進むことしかできない。
その方法論が間違っていたとしても。
……
深夜、テレビをつけっぱなしにして、メモを取りつつ、やっていた。
えみるのりゅんとかりゅんとかりゅんとか、いやむしろりゅんとか言っている音声だけなのは流石に堪え難がったからだ。
すると、TVアニメが始まった、 これはまさか、快感フレーズ?
伝説の番組だ、O03○がオレに『観ろ見ろ、スゴイぞ、酷いぞ、ホモだぞ』というようなことをいっていたような気がする。
ゴールデンから、こんな深夜に回されたのか?
はじめて見るな。
(ゴールデンでやっていたときに、オレは主題歌が始まる前の前回までのあらすじを観て、意識を失いそうになったから、即座にチャンネルをかえ、これまでに一度も観た事が無かった。)
もうすでに頭がボーっとしている、チャンネルをかえる気力もない。
無理もない、12人の中で最も厄介だと思える永倉えみるを相手にしていたからりゅん。
ああ、ダメだ、プルってきた。プルって。プルルリュんって。
仕方なく(何が?)、快感フレーズでも見て気を紛らわす。
なるほど、見るからにホモくさい連中だ。
いや、むしろホモだな、そうとしか考えられない(何故?)。
うん?主人公の人の声は、シェンムーの涼くんと同じ声か?
だとしたら、元メガレンジャーということになるな。
どうでもいいことが頭ん中を駆け巡る。
……
あんまり、面白くなかった……。
オレはホモではないし、ホモを見るのも好きではないからだ。
気をとりなおして(?)、セングラクイズを続ける。
……
ようやく、永倉えみるを撃破する。
勢いに乗って、次のブスも撃破だ。
誰にしようかな。
もお、誰でもイイや。
別格の異次元人永倉えみるは倒したのだ。
オレにようやく安息の日々が訪れたのだ。
残った11人の刺客など、取るに足らん存在だ。
どちらかと言うと、西日本のヒロインどもに嫌悪感を強く感じるから、そっち方面にしよう。
七瀬優
キミに決めたっ。
もう、なんか、七瀬っていう名字が嫌、吐きそう(理不尽な体質だな)。
……
メモを取りつつ、クイズ。
当然、デフォルトのクレジット12を使い切った。
!!
ダウンロードの項目が消えた。
その異変は、あることを簡単に想像させた。
デフォルトで貰えるクレジット12で12人全員を完璧にクリアしないと、御褒美であるダウンロードは使用できない。
ふ、ふ……。
ふ、ははっははっははっははっはっはははっはあはははっははっはあ……。
オレは、精神の均衡を保つために笑わずにはいられなかった(深夜なのに)。
永倉えみるをクイズで倒すのに相当な苦労をした、これを、12人全員を連続で(12クレジット=12回しかコンティニューできない)倒すとなると、相当な苦労いや、苦行だ。
そりゃもう、笑うしかない。
オレはセングラのファンではない。
クイズを正答することによって得られる、壁紙やらキャラクター時計なぞ、全く興味がない。
闘う意味がないのだ。笑うしかない。
……
その後、それでもオレはセングラクイズを続けた。
オレは前に進むことしかできない、その方法論が間違っていたとしても。
そして、夜はしらじらと明けていった。