整体で目指す身体

             夜空生まれたての                                   花びら

人類の身体は、進化の過程で素晴らしい潜在能力を手に入れているそうです。

脊椎動物発生初期の魚類から四つ足の哺乳類〜人類へとつながる流れが、運動構造体としての骨格に残されており、それを上手く開発すれば一部の達人、名人にしかなしえなかったはずの身体技能が普遍性を持って誰でも行えるというのです。
この話は以前から本で読んで知ってはいましたが、全部が全部はちょっと信じにくいというか、誰でもというのはいくら何でも無理だろうとか、90パーセント以上の部分が勘違いじゃないかと考えていました。

が、それはどうやら私の認識違いだったようです…

このことと整体の結びつきを語る前に、こうした気付きを得るきっかけになったエピソードから順に説明していきますので暇な方はお付合いください(^^)

近頃は必要があってソフトボールのバッティング技術を研究しているんですが、そのために落合博満氏の超野球学の本やら手塚一志氏のうねり打法とか、田尾安志氏のDVDバッティング本とか大沢啓二氏の漫画野球入門とか宇城憲治氏監修の武術打法の本とか宇津木妙子ソフトボール入門など一生懸命に読んでいたんですよ。ついでにいえば動画のドカベンも(笑) 自分でもバッティングセンターで試し打ちしています。(こちらは今ひとつなんですがね(^^;) 同じプロ野球界の先生の話でもそれぞれの言い分は異なり、大筋で近いところを行っているようでも少しずつやっぱり違うんですね。
しかし本当にプロの世界で悩んで悩みぬいて死に物狂いに戦って来た人たちの話だけに、それぞれが非常に参考になりました。ものすごく勉強になりました。

が! しかし、その中にあって1冊だけ浮いたような存在の本があったんですよ。

全く次元が違うというか異彩を放っていたのが空手家の宇城憲治先生監修のバッティング本です。
もう何が何やら、今までの野球の歴史をなんと心得ているのか分からないような内容でした。しかし、全ては実績で証明されます。見事メジャーリーグbPに輝いたカージナルスの日本人、田口壮選手は、その宇城先生の弟子だというじゃありませんか!野球選手がなぜか空手の先生に野球を習うという不思議。しかも、かなり年齢がいって、終わっているはずの年齢から活躍し始めたというのですから、これこそ本物中の本物です。
また、本の内容にある統一体から発揮される”力”というのも、実際にやってみると良く分かる話でした。そして、そうなってくると今度は”身体意識”や”ゆる体操”で有名な高岡英夫先生の本はどうなのか、ということになってきます。
以前に読んだ時は、妄想もかなり混じっているんじゃないかと思っていたんですが、ずっと気になる存在でもありました。だから何冊も本は持っておりました。高岡先生は確か宇城先生のDS図も解読して評論されていたはずです。つまりこれを参考にすれば、武術打法の原理がより分かりやすく読み解けるかもしれないのです。

そう思った私は、せっかくだからこの機会に藤平光一先生の著書”気の威力”と、西野先生の”気の超力”を再読、宇城憲治先生の”武術を活かす”と高岡英夫先生の”究極の身体””ゆるスポーツ・トレーニング革命”の本まで新たに仕入れて、奥深い極意世界を現在の自分の感覚でもう一度検証してみることにしたのです。

そうして熟読していくと、それぞれの先生方がそれぞれに素晴らしいのですが、その中でやはり異彩を放つ本がありました。それは高岡先生の本だったのです。宇城憲治先生も現代において凄まじい活躍をしておられ、もう凄いとしか言いようがなく、高岡先生と並べて甲乙つけがたいのですが、しかしどちらかというと、より広く普遍化しているという点で高岡理論を本採用するべきじゃないかと私は思ったのです。実際に身体意識の重要性や身体がユルユルにゆるんでいることの重要性は今後もっともっと注目を集めていくでしょうし、その理論と実践法を体系化した高岡先生の功績はきっと大きく歴史に刻まれることでしょう。人類の宝となるでしょう。




で、ですな、


本当に言いたかったのは実はここから

なんですが、その偉大なる”ゆるシステム・トレーニング”に人類が取り組もうとした際に、どうしても思うように開発できない人たちがあふれるわけですよ。ゆる体操でどんなにゆるめようと思っても、どうしてもゆるめきれない可哀想な身体の人々。
それはですね、それはどういう人たちかというと、骨格がひどく歪みすぎて部分的に回復不能に陥っている人たちです。それは整体術で直す以外に方法はありません!骨格矯正には何といっても整体術の出番なんですよ。


中でも特にハイパー療術がそのまんま”ゆるゆる整体”じゃありませんか!


くっくくく…病人が一気に達人化していきますよ。←注:本人の努力次第ですがね。
つまりこれが言いたかったのです。私の整体術が目指すのは、”ゆるトレ”に即応するところまで関節をゆるめた身体にするということ。ちなみに関節とはいえない頭の骨まで矯正してゆるゆるにしますので、身体脳の開発も圧倒的に早まることでしょう。このようにして、痛みをとる、ゆがみをとる、という概念を通り越して、究極の身体を目指して突き進んでいくのです!←信じられますか?
本当にこんなふうにやっています。
(2008年の記)



(一応補足として)
武術家、運動科学者としての高岡英夫の評価は、巷では高いか低いか真っ二つに分かれていますが、私はかなり高水準の本物ではないかと考えています。なぜならそれは、声がいいから。初めて聞いたときに思いました。あの声は本物の人にしか出せない声ですよ。うん、間違いありません。
8割以上正しく本質を捉えているとすれば、それは本物と言ってもいいというのが私の認識です。そういう大らかな気持ちで見ないと引っかかる部分はあるかもしれませんが、やはり高岡先生の唱えているものの本質はすごいですよ。