一関第二高等学校「甘い誘惑」(2003/5/4 一関文化センター中ホール 作/井内有紀)

最初に九十九の境遇が暗示され、1時間ほど迷い続けます。最後、現在に踏みとどまる決断をした時、実はじいは突き飛ばす役割をしたのでなく、踏みとどめた役割を果たしたのだと。そういう意味で、ラストの包容がじんと来ます。そこを理解させた演出は正解でした。
支えた照明も音響(操作卓を客席に出してました)も装置も粗が見えなかった。3年生が3人だけ、しかもすべて舞台に出ている。そのスタッフワークはさすがです。3連休の中日にそれなりに客席を埋められるのも実力の表れでしょう。
問題は、役者の1時間の動きにあります。声が暗いままの一発目の発声、中途半端な女子高生の表現。もっと舞台で楽しくやらないと、内輪ネタに見えてしまう脚本でもあるのです。なぜこの脚本を選んだか?1人1人の違いはどこにあったのか?もっとよくなる要素がいっぱいあるのがもったいない感じでした。
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