ピコ通信/第128号
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中学3年でCSを発症し寝たきり状態に
裁判を傍聴してください 匿名/母親 (加古川市) 息子は平成16年(2004年)6月(中学3年の時)にCSを発症し、寝たきり状態となりました。 同年7月に大阪の専門医にCSと診断されました。 ■小学校では適切に対応 3歳より喘息があったのですが、年齢と共に喘息もよくなっていました。喘息は発作の原因になるものを避けることが大事なので、予防してその時点では息子が大丈夫なもの(タバコ、香水、整髪剤、制汗剤、湿布など)も避けてくださいと学校にお願いしていました。 小学校では、きちんと対応していただけました。小学校では、息子の問題を学校全体の問題として、他の学年や先生にも説明してくださっていました。担任や養護の先生がいつも連携していて、何も問題はありませんでした。 6年生の時にアレルギーを抑える薬の種類を変えた時、副作用で眠気がして授業中に息子が眠ってしまったことがあります。近くの席の子が起こそうとしたら、「喘息があってアレルギーの薬を飲んでいるから、薬の影響で眠くなる。もし寝てしまっても起こさないでそのままにしておいてあげてね」と他のクラスの先生が言ってくださったそうです。それを担任から伺いました。 息子の小学校では6年から教科担任制で、常に他のクラスの先生が教えに来ていましたが、何も問題はありませんでした。 ■中学に入学直後から喘息発作 息子の小学校はほとんどの子がそのまま同じ中学に進んでいました。もちろん多くの子が息子に喘息があることを知っていました。中学入学時には、小学校からの申し送りと、保護者である私も説明に行きました。 思春期ということもあって、これまでは大丈夫だったものについても、気をつけてくださいと例を挙げて喘息が出やすいものを説明しました。実際に校舎内も案内され、息子が使う教室や掃除する場所も回っています。 小学校入学の時には小児科の主治医が「今はどのクラスにもアレルギーの子が何人もいるので、先生もアレルギーのある子への対応はよく知っている」とおっしゃっていました。そのため、小学校ではあまり細かく説明していませんでしたが、中学ではこのように詳しく説明していました。 ところが入学直後から、使わないようにお願いしていた整髪剤、香料の入った制汗剤、臭いのする湿布などをお構い無しに使われ、そのたびに喘息発作を起こしました。それらは、今まで喘息発作が出たことの無いものばかりでした。 家庭科でもキッチンハイターのようなものを使わないようにお願いしていましたが、塩素系の漂白剤を使われて喘息が出ました。そのことに対しては、キッチン用ではなく衣料用を使った、たまたま使ってしまったなどと、事前に使うものを知らせなかったことに対してとんでもない言い訳をしています。生徒ばかりでなく、先生方の間にも息子の問題が周知されていないという事がわかります。 ■中2の終わり、机に香水をかけられる 中2の終わりごろには、朝、息子の机に香水をかけられるという嫌がらせをされ、息子は放課後みんなが下校した後に、香水の臭いの染み付いた文庫本と一緒に喫煙者である担任の車で送られて帰ってきました。 私には、その日にあったことは送ってきた担任に聞かされるまで全く知らされませんでした。 その日は、他の学年がスキー教室に行くのにバス3台が学校敷地内の校舎のすぐ横でエンジンをかけたまま待機していましたので、その排気ガスで喘息発作が一日出ていたと、帰ってから息子に聞きました。その時保健室が開いていなかったので、息子が避難する場所が無かったそうです。 この時はさすがに私も担任に「喘息の息子の机に香水をかけるというのは犯罪行為、傷害事件と同じだ。今度何かあったら警察に訴える」と警告しました。 ■中3の6月、香水などでCS発症 中3の6月になって、中1の時と同じ生徒がまた整髪剤をつけてきて喘息が出ました。その日から1週間ほどの間に、教室で何か強いにおいのものを他の生徒に使われたり、同じクラスの男子が香水をつけてきて登校してきたり、香水をつけた卒業生2人が来校し通った直後を息子が通ってしまったり、などの出来事が立て続けにありました。 そして、"卒業生2人の香水"の日からCSを発症し、寝たきり状態になってしまいました。 ■中学はまったく対応してくれず CS発症後、専門医からの意見書を中学に提出しても精神的なものと言われ続けました。 一時は再登校できそうなぐらいまで回復しつつあったので、再登校にむけて校長と話し合いました。校長は「車椅子でも学校に来れるようにスロープをつけます」と、まるで息子が身体障害者になったかのような理解でした。 一度、卒業アルバムの写真の撮影だけに行くことになり、息子の体調が悪化しないように守って欲しいことを担任と約束していましたが、守られなかったために悪化してしまい、それ以後は外出に酸素吸入が必要なほどになってしまいました。 未だに私の車でしか移動ができず、アスファルト舗装の道路や駐車場では酸素吸入をしていても車から出ることもできません。ぜんそくもCSを発症する前と比べて一気に悪くなり、毎日4、5回の発作が出て吸入しなければ治まらなくなってしまいました。 学校へ通うことができなくなったので、印刷物もだめになって唯一パソコンだけが使えるので、卒業までの残りの授業をDVDに撮って欲しいとお願いしたところ、校長は個人情報の関係で生徒が写るのは具合が悪いと言って作っていただけませんでした。 ■2007年、加古川市を提訴 平成18年(2006年)に簡易裁判所に調停の申し立てをしました。 調停が始まってから、学校はあわててDVDを撮り始めたのですが、一時間の授業の間生徒の背中ばかり写ったものでした。 留年を決めた時にも、市教委の一人から「お母さん、何でそこまでして勉強がしたいの、不登校の子でも学校に来ていなくても普通に卒業していますよ」と言われました。 平成19年(2007年)10月に、加古川市を相手に提訴しましたが、その裁判をしている途中にも留年を3回しています。 しかし昨年、校長が定年退職するのにあわせて、一方的に卒業認定を校長と市教委にされてしまいました。 DVDは送られてきましたが、どれもこれも勉強できるものではなく、いい加減なものばかりでした。パソコンで見ることすらできないものや、1科目が1時間程度に中3の授業分がまとめられていたり、業者が作成した教科書を写しただけのものもありました。しかも、2008年度末で、もうDVDの作成は終了とされてしまいました。 ■どうぞ傍聴にご協力ください 義務教育もまともに受けられないまま、教育を受ける権利さえ奪われてしまいました。 学校には、アレルギーのある生徒が安全に学習できるように配慮する義務があるはずです。 6月に2回証人尋問があります。 6月1日は私と教師1名、6月22日が教師3名です。場所は神戸地裁姫路支部、時間はどちらも午後1時半からです。 先生方の陳述書には、経歴以外事実でないことばかり書かれています。学校で配慮しなかっただけでなく、平気で嘘までつき続けています。そのせいで、私達はより一層苦しんでいます。ひじょうに許せないことです。 CSの問題について多くの人が関心を持っているということを裁判長や被告側に知らせたいので、ご都合のつく方は、ぜひ傍聴に来ていただきたいのです。どうぞよろしくお願いします。 ●神戸地方裁判所姫路支部: 〒670-0947兵庫県姫路市北条1-250 (JR神戸線姫路駅 南東徒歩10分 ほか) TEL 079-223-2721 事件番号:「平成19年(ワ)第1038号損害賠償等請求事件」 ※傍聴していただける方は、事務局までメール、電話、FAXでご連絡ください。 |