ピコ通信/第127号
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厚労省シックハウス症候群対策マニュアル問題
非科学的で偏向した内容のマニュアルを送付 前号でもお知らせしましたが、1月9日付けで厚生労働省健康局生活衛生課が、「シックハウス症候群に対する相談とマニュアル」(以下 マニュアル)を各都道府県、政令市、特別区の衛生主管部(局)関係各位にあてて送付していたことが分かりました。 このマニュアルは、平成19年度厚生労働科学研究費補助金「シックハウス症候群の実態解明及び具体的対応方策に関する研究」(主任研究者:岸玲子北海道大学教授)で作成したものを、事務連絡として送付したものです。 正式な検討会を経て、国の見解として通知で出したものではありません。しかし、上書きで「有益なものと考えられます」「シックハウス対策の推進に御活用いただけますようお願いします」と書かれています。 ひじょうに問題なのは、その内容のうち、化学物質過敏症に関する部分(2章/一部、6章/全、8章/一部)で、化学物質過敏症は心因性疾患であると強く示唆していることです(詳しくは質問状参照)。 このマニュアルが相談機関や行政機関で使われると、さまざまな悪影響が危惧されると考え、3月9日、当会を含む46団体名で厚労省あてに公開質問状を送りました。 公開質問状提出準備中の2月末に、3月9日に全国の行政担当者を集めて生活衛生関係技術担当者研修会が開かれ、岸教授もシックハウス症候群対策について講演すること、マニュアルを基に話すことが判明しました。 そのため、急遽、公開質問状取りまとめ3団体(当会も含む)で、岡崎トミ子参議院議員と谷博之参議院議員にお願いして、3月5日に厚労省に研修会における対応について、以下を要望しました。 @当マニュアルは、厚労省の見解ではないことを参加者に周知する A当マニュアルの利用により、発症者が不利益を被ることがないよう参加者に周知する B当日講演予定の岸教授に、講演中「化学物質過敏症」については発言しないよう確認する これに対して厚労省健康局生活衛生課・渡 路子課長補佐と同・吉田諭史管理係は、@とAについては、対応を約束、Bについては厚労省からは難しいが、事前の資料を見る限り化学物質過敏症についての記述はない。患者団体等から、懸念の声が寄せられていることを参加者に説明する−などと回答しました。研修会での周知だけではなく、国の見解ではないことを改めて通知するよう強く求めました。 その後、3月17日に参議院環境委員会に於いて、岡崎トミ子議員がこの問題について質問をしました。 質問に対する中尾昭弘・大臣官房審議官の答弁の要旨は、以下の内容です。 「シックハウス症候群に関する相談と対策マニュアル」は、厚生労働科学研究費補助金により平成十八年度と十九年度に行ったシックハウス症候群の実体解明及び具体的対応方策に関する研究に基づく成果物。 ご指摘の記述(化学物質過敏症についての記述)については、研究班が過去の文献の整理をしたもので、化学物質過敏症が心因性の疾患であることを示したものではないと承知している。記述は執筆をした研究班の知見であって、厚生労働省の公式見解ではない。 3月9日に開催された生活衛生関係技術担当者研究者において、本冊子は厚生労働科学研究における成果物であり、厚生労働省としての見解ではないとの旨を担当者から保健所の職員に対し周知をした。 回答期限の3月23日、厚労省より国会答弁と同趣旨の回答が届きました。 また、同日、自治体にあてて、事務連絡「シックハウス対策に関するパンフレットの送付に係る留意事項について」が出されました。内容は: @本冊子は、上記研究に基づく成果物であり、厚生労働省の公式見解ではないが、保健所等におけるシックハウス対策に対して有用と考え、配布をさせていただいたこと。 A本冊子はシックハウス対策を目的に作成されたものであり、冊子中の化学物質過敏症に関する記述については、本来の目的と直接関係するものではないこと。当該項目(第6章、第8章中Q4及びA4)については、研究班が過去の文献を整理したもので、そのような症状を訴えられる方への対応について示したものではないため、個別の事例に応じて慎重に対応すること。また、当該項目は、化学物質過敏症が心因性の疾患であることを示したものではないこと。 今後の対応については、他団体とともに検討していきたいと思います。 ■公開質問状(添付説明資料、参考資料は省略 全文は当会ウェブサイトでごらん下さい。 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/shiiryou/kouroushou/090309_Open_Letter_Kourou.pdf) 2009年3月9日 厚生労働大臣 舛添要一 様 シックハウス対策に関するパンフレット送付についての公開質問状 平素より、市民の健康福祉推進のためにご尽力いただきありがとうございます。 私たちは、化学物質等により体調不良を起こしている患者およびその家族、支援者による団体です。 さて、平成21年1月9日付け事務連絡「シックハウス対策に関するパンフレットの送付について」で健康局生活衛生課より各都道府県、政令市、特別区衛生主管部(局)あてに、平成19年度厚生労働科学研究費補助金地域健康危機管理研究事業「シックハウス症候群の実態解明及び具体的対応方策に関する研究」(主任研究者:岸玲子北海道大学教授)において作成された「シックハウス症候群に対する相談と対策マニュアル」(以下対策マニュアル)が送付されたことを知りました。 私たちは、かねてより貴職に対して、化学物質過敏症について対策をたてていただくよう要請を重ねてまいりました。したがって、今回の対策マニュアル送付は、私たちにとって歓迎すべき施策であるはずです。しかし、第2章、第6章、第8章の化学物質過敏症に関する内容は、化学物質過敏症に対する社会の理解や行政対応をまったく間違った方向に導くものであり、化学物質過敏症患者をさらに苦しめる、一方的なものであると考えました。 2章で「シックハウス症候群」と関連病を含む「室内空気質汚染による健康障害」と「化学物質過敏症」を離して図示し、6章本文の随所で心因を強調、8章Q&Aでは心因性疾患であるかのようにまとめていますが、紹介されている論文に非常に偏りがあり、心因を否定する報告の紹介はなく、一部の論文の結果を逸脱して心因性を強調、他覚的神経検査結果の存在を無視し、検査所見が見られない自覚症状による疾病と繰り返し記載するなど、非常に偏った、一方的で非科学的な内容であるといわざるをえません(対策マニュアルの内容の問題点の詳細については、添付説明資料をご覧ください)。 この対策マニュアルにより、患者が早期に環境改善などの対策や適切な治療が受けられなくなる可能性や二次的な精神的苦痛を受ける恐れ、地方行政の化学物質過敏症に関する取り組みが一層遅れることが危惧されるなど、このままでは今後患者が多大な不利益を被る可能性が否定できません。 なお、諸外国では、デンマークやオーストラリアなど政府機関が多種類化学物質過敏症(MCS)に関する報告書をまとめる動きが続き、ドイツではWHOのICD-10ドイツ版(ICD-10-GM)において、MCSを身体的疾患のひとつに分類、社会保障や障害保障においてもMCSを身体の疾患として認めるなど、国としての取り組みが進められつつありますが、日本の取り組みは大変遅れているといわざるを得ません。 つきましては、下記の質問と要望に対して明確な回答をいただきますよう、お願いいたします。ご多忙中とは存じますが、2009年3月23日までに文書にてご回答いただきますよう、重ねてお願いいたします。 記 T対策マニュアルの作成及び配布について 1.対策マニュアルは、厚生労働科学研究費補助金事業において一研究班により作成されたものですが、送付状には「有益なものと考えられますので、関係各位に送付いたします」、「今後のシックハウス対策の推進に御活用いただけますようお願いします」とあります。対策マニュアルの内容は国の見解であると考えていいのですか。 2.この対策マニュアルには添付で示すように問題点が多く、化学物質過敏症に関して偏った見解が示されていると考えます。国がこのように利用を推奨する形で自治体に配布するのは不適切ではないかと考えますが、いかがですか。 3.こうしたマニュアルの作成・配布にあたっても貴重な税金が使用されます。対策マニュアルは、研究班により作成され厚労省に配布を依頼されたものですか、それとも、原本より厚労省で新たに予算を組んで製本されたものですか、お答えください。この対策マニュアルを作成した研究班の厚生労働科学研究費補助金事業費、及び、対策マニュアルの製本・配布等に新たに出費されたのであればその金額を、それぞれお示しください。 4.厚生労働科学研究費補助金事業では、どのような基準で研究班の選定をしているのかお示しください。また、今回の研究班は公衆衛生等が専門の研究医が中心で臨床医が少ないと聞いていますが、研究班の選定は適切であったかどうか、どのようにお考えでしょうか。 5.今後は、このように非科学的で偏った内容のマニュアル等が検証もされずに作成・配布されるようなことがないようにしていただきたいと考えます。このようなマニュアルを配布する時には、ステークホルダーによる適切な討議を経て、パブリックコメント手続きを経るのが当然であると考えますが、いかがですか。 U対策マニュアルの第2章、第6章、第8章の化学物質過敏症に関連する部分の内容について (詳細については添付説明資料参照) 1.貴省により平成16年2月に公表された「室内空気質健康影響研究会報告書:〜シックハウス症候群に関する医学的知見の整理〜」では、MCSについて「その発症機序の如何に関わらず、環境中の種々の低濃度化学物質に反応し、非アレルギー性の過敏状態の発現により、精神・身体症状を示す患者が存在する可能性は否定できないと考える。」とありますが、「環境中の種々の低濃度化学物質」には室内空気汚染物質も含まれます。 対策マニュアルでは、シックハウス症候群等室内空気質汚染による健康障害と化学物質過敏症を区別して図示し、化学物質過敏症について、低濃度化学物質への反応も疑問視する論調で、「疾病としての存在そのもの」に対して否定的に書かれていますが、貴省では現在どのように考えているのですか。 2.このマニュアルでは明らかに「化学物質過敏症は心因性疾患」であるとの見解が示されています。化学物質過敏症患者の検査所見がみられないと何度も書かれていますが、貴省は、他の厚生労働科学研究事業研究班により報告されている他覚的検査所見の存在については把握していますか。また、化学物質過敏症に関するこのような見解についてどのように考えますか。 3.家族や関係者、市民からの問い合わせに、保健所職員がこのマニュアルをもとに回答することにより、家族が精神的なものと誤解し、早期に適切な治療が受けられない、必要な環境改善がとられない、患者が二次的な精神的苦痛を受けるなど、患者が不利益を被る恐れがありますが、実際にそのような不利益を患者が受けた場合、どのように責任をとられますか。 4.現在、全国の自治体でHPやポスターでの化学物質過敏症に関する啓発などの取り組みが広まりつつありますが、今回の対策マニュアル配布はこのような自治体の取り組みを後退させる恐れがあります。今後地方自治体がこのマニュアルを理由に患者の要望を退ける可能性もあり、その場合多数の患者が不利益を受ける可能性が否定できません。そのような場合に国からはどのような説明を自治体にしていただけますか。 V 今後の対応について 1.「対策マニュアルは地域健康危機管理研究事業「シックハウス症候群に実態解明及び具体的対応策に関する研究」研究班(主任研究者 岸玲子)の個別レポートであり、厚労省の正式見解ではない。」と明確に示す通知を出していただき、「特に化学物質過敏症に関する記載については心因性の強調等の点で内容に偏りがあり、保健所における相談対応において、患者が不利益を被ることのないよう、万全を期されたい」という内容を示していただきたいのですが、いかがですか。 2.化学物質過敏症については、この研究班の主たる研究対象ではなく、マニュアルの第2章、第6章、第8章の化学物質過敏症に関連する部分の内容は、科学的に十分検討されてはいないため、患者及び支援者、研究者、医師などから異議が提出されていることを明らかにし、関係箇所を削除することを求めます。この意見書を添付し、第6章及び第8章Q&A4を削除し、第2章図2-2に関して岸班の仮説である旨記載するよう通知を出していただきたいのですが、いかがですか。 3.改めて、化学物質過敏症に対する対応マニュアルをステークホルダーによる検討会を設けて討議し、作成していただきたいと考えますが、いかがですか。 4.国が化学物質過敏症について疾患認定を行わないことにより、発症者対策、予防対策がとられず、このまま今後も発症者のQOLは低く日常生活にも困難を抱える状況が続き、患者も増加していくことが懸念されます。早急に疾患認定していただきたく、研究者間で必要なコンセンサスが得られるよう、研究会等討議の場を提供するなど国としても積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。 以上 提出団体 サスティナブル21、蒼い空の会、化学物質過敏症支援センター、子どもの未来と環境を守る会名古屋、市民がつくる政策調査会、シグナルキャッチ、化学物質問題市民研究会、有害化学物質から健康と暮らしを守る会・千葉、電磁波・環境関西の会、廃棄物系化学物質による健康被害者支援科学者グル-プ、ナギの会、化学物質過敏症患者の会、電磁波問題市民研究会、千葉CSの子供を守る会、小樽子どもの環境を考える親の会、彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば、不登校児童生徒の親の会、環境過敏の子供を持つ親の会、反農薬東京グループ、化学物質から子どもを守る会、豊田健康生活センター、羽島環境の会、アレルギーを持つ人のひまわりの会、クエストセブン、化学物質不耐症患者の会、化学物質過敏症知ってね☆うぉーく実行委員会、(医)白水会 白川病院、VOC-電磁波対策研究会、電磁波と健康を考える会・みやぎ、山口みどりの会、オーガニックな暮らしをめざすネットワーク日本バウビオロギー協会、有害化学物質削減ネットワーク、平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声、かめっこの会〜化学物質過敏症とアレルギーを考える会、竹の子クラブ、子どもの健康と環境を守る会、どんぐりの会、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、CS和の会〜化学物質過敏症の仲間たち〜、新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会、有害化学物質から子どもの健康を守る千葉県ネットワーク、子どもを電磁波から守る会、有害化学物質から健康を守る会、化学物質過敏症患者を支援する会、シックスクール問題連絡会 〔取りまとめ団体〕 ●化学物質問題市民研究会 ●化学物質過敏症支援センター ●市民がつくる政策調査会 〔連絡・問い合わせ先〕:化学物質問題市民研究会 事務局長 安間節子 TEL&FAX 03-5836-4358 syasuma@tc4.so-net.ne.jp |
農水省/農薬登録制度に関する懇談会
報告書が3月末に公表される模様 3月10日、農水省の農薬登録制度に関する懇談会第7回が開かれ、傍聴しました。 当懇談会は、農水大臣の私的懇談会で2007年に発足、これまでに7回会合が行われています。今回の会合に於いて、「我が国における農薬登録制度上の課題と対応方針」中間とりまとめ案について話し合われ、3月末には公表される予定とのことなので、これまでの経過等を紹介したいと思います。 農薬登録制度に関する懇談会開催日 第1回 2007年12月5日 第2回 2007年12月21日 第3回 2008年1月22日 第4回 2008年7月29日 第5回 2008年12月18日 第6回 2009年1月22日 第7回 2009年3月10日 http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_kaigi/index.html 当懇談会はどのような目的で、何を何時までにしようとしているのか等について、第1回の資料から抜粋して紹介します。 懇談会の役割
1.他国との比較 農薬の安全性評価に関し、他の先進国では要求項目であり、我が国でも要求の必要性を検討すべきデータ (1)毒性 発達神経毒性試験(米国) (2)農薬の残留 輪作作物残留・代謝試験(欧米)加工試験(欧米)家畜代謝、家畜飼料試験(欧米) ・作物残留試験の設計について 試験例数:米8〜20例、EU16例/2ゾーン、日本2例以上 1)残留基準値の設定方法の国際調和 2)統計的処理に基づく基準値設定の観点から、試験例数の増加は不可避 2.日本における今後の検討課題 (1)リスク評価 ・JMPR(FAO/WHO合同残留農薬専門家会議)や米国、EUでは長期暴露評価に加え、短期暴露評価を実施し、ARfD(短期的(1日)摂取推定)と比較 ・EUでは、使用時安全の観点からの毒性指標(AOEL)を設定して、農薬使用者だけでなく園内作業者における暴露も評価 ・これらの方向に対応したデータ要求、体制整備の検討が必要 (2)データ要求 ・ 新しい科学的知見等が得られた場合、これまでもデータ要求に反映 例)平成12年には、急性神経毒性試験や反復投与神経毒性試験のデータを新たに要求。 平成19年には、生物濃縮性試験を要求。 ・OECDテストガイドラインの整備状況を踏まえた取組みの加速が必要 3.省略 4.農薬行政の課題と刷新スケジュール (1)農薬行政の課題 ● 農薬の使用時安全に関わる課題 ・ 有機リン系等神経毒性を有する農薬問題(食品の安全にも関わる) ・ 欧米における使用者等へのリスク評価手法の調査 ・ 我が国の実態に合った使用時安全に係るリスク評価法の確立 ● 農薬登録制度全般に関わる課題 ・ 作物残留試験の強化とセットにした薬効・薬害試験の軽減 ・ 既登録剤の再評価 (2)農薬行政の刷新計画スケジュール ●2007年度に検討する項目 ・ 作物残留性試験へのGLP(Good Laboratory Practice 優良試験所規範)の導入(2008年4月施行) ・ 薬効・薬害試験の実施要件の緩和(2008年4月施行) ・ 既登録農薬の作残試験例数の増加への適用に係る優先リスト及び検査基準の作成及び提示 ・ 作物残留性試験の例数増の新規申請、既登録農薬への適用等 ●2008年度以降に検討する項目 ・ 発達神経毒性試験成績の要求 ・ 農薬使用時安全に関するリスク分析の導入・加工調理試験のガイドラインの導入及び検査基準の見直し ・ 家畜移行試験のTGの導入作物の農薬登録に係る検査基準の見直し ・ その他法改正に伴う規制の実効性の検証等による農薬の安全性の確保に向けた検討 会合では、今後5年間の農薬行政の刷新工程表(下の図)が示されました。
報告書「我が国における農薬登録制度上の課題と対応方針」案より抜粋 2003年に「食品の安全性の確保のための農林水産省関係法律の整備等に関する法律」において、農薬取締法が改正された。同法律の附則において、施行後5年をめどに各法律の施行状況について検討を加え、所要の見直しを行う旨の検討規定が設けられており、今回の見直しは、この規定に基づき、施行後5年を経過したことから、農薬取締法に基づく制度について検討を行うものである。 食の安全確保とともに、農薬をめぐる国際的な状況として、特に欧米を中心により安全な農薬を求める動きが強まったことにより、OECDの農薬作業部会において、農薬登録やリスクの削減に関する国際調和の活動が急速に進展するなど、我が国の農薬行政にも影響を及ぼす状況となってきている。 今回の検討に当たっては、現状認識を踏まえ、今後の農薬登録制度、農薬取締制度のあり方について検討を行った。 当懇談会は、2003年の農薬取締法の改定施行から5年後の見直しのための検討会という性格のものであったことが分かります。見直しの背景には、国際的な農薬管理に関わる変化があり、日本も対応せざるを得なくなったということがあるようです。 次の5年後見直しに向けて、発達神経毒性試験成績の要求に関する検討が2009年度から始まり、農薬使用時安全に関するリスク分析の導入検討も2010年度から始まるとのことなので、来年度も引き続き注視していきたいと思います。 (安間節子) |