カナダ National Post 2010年8月16日
カナダ・オンタリオ州教育委員会 Wi-Fiが病気を起こすとの苦情の中で Wi-Fiを支持 情報源:National Post Aug. 16, 2010 School board sticks with Wi-Fi amid complaints of illnesses By Adam McDowell, National Post http://www.nationalpost.com:80/news/School+board+sticks+with+ amid+complaints+illnesses/3406215/story.html#ixzz0yKzKJSh3 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2010年9月3日 めまい、吐き気、疲労、行動障害、さらには心臓障害。カナダ・オンタリオ州のシムコ郡の子どもたちは学校から不思議な病気になって帰宅しており、両親らは子どもたちの教室に設置されている無線インターネット発信装置が問題であると指摘している。 シムコ郡安全学校委員会と呼ばれる親たちのグループは、14の小学校及び高校の親たちが、彼らの信ずるところによれば、30人以上の子どもたちが、4年前に無線インターネット発信装置が学校に設置されて以来、説明できない病気に罹っていると述べている。過去6ヶ月以上、両親らは Wi-Fi 発信措置を取り外すか、少なくとも使用を減らすよう訴えるくキャンペーンを行なってきた。しかし教育委員会は、この技術は安全であり、来月学校が始まれば、また使用するであろうと述べた。 キャンペーンはコリンウッドのロドニー・パルマー氏が中心になって行なわれている。彼は、9歳の息子と5歳の娘がマウンテン・ビュー小学校で病気になったと述べた。彼と妻のパトリシア・ネイラーさんは他の親たちも同様な問題を抱えていることが分かった。 パルマー氏は、”私の子どもは全く同じではない。彼らは友達とはちっとも遊ばない・・・。彼らはおとなしかったのに、今では興奮しやすい”と言う人々もいる−と述べた。 ”そこで私たちはマイクロ波放射に目を付けて資料を調べたところ、これらの全てのことはマイクロ波曝露の症状として科学的報告書の中に記述されていた。それは私たちが マイクロ波使用のWi-Fi について見つけてすぐ後のことであった。それまではそのことについて何も知らなかった”。 子どもたちのうち二人は心臓の薬物治療を受けるほどの病気になったが、彼ら全員は週末や夏休みになると回復する−とパルマー氏は述べた。病気の子どもたちはお互いを知らないし、異なる学校に通っているので、症状を偽ることができるはずがないと彼は述べた。 教育委員会は、この技術は安全であるばかりでなく、価値ある学習ツールであると反論している。 ”私たちは教育事業を行なっている。私たちは子どもたちをリスクに曝らすことはしない。しかし、その症状は個人の健康のせいかも知れないという人もあり、私たちはWi-Fiをやめて、5万人の生徒の学習に影響を与えることはできない”と昨日、シムコ郡教育委員会の教育主任ジョーン・ダンス氏は述べた。 ”もし有線を使うことにすれば、21世紀の新たな学習の世界にいるとは言えない。それは私たちが戻りたい道ではない”。 ダンス氏はまた、地域の人々が学校の範囲内でも自分たちの機器を使用するであろうから、無線信号(電波)から子どもたちを守ることは不可能であると指摘した。 6月にオンタリオ州は、この技術が安全であるとする教育委員会の立場を支持した。オンタリオ州健康長期介護省の公衆衛生支局のディレクターである二ナ・アロン氏はは、書簡の中で、”全ての機器設置はカナダ保健省安全基準 6 に合致させるというシムコ郡教育委員会の意図は、現在の安全基準を遵守する方法で無線技術を設置し使用するために、合理的なアプローチである”と書いた。 心配する親たちは、トレント大学健康研究センターの研究者メグダ・ハバス博士を支持した。彼女は昨年、シムコ郡の問題が議論されるより前に、教師が教室の Wi-Fi で潜在的な危険に曝されると警告する公開書簡を教育委員会に送付していた。彼女は、曝露制限に関し、”後悔するより安全を(a better-safe-than-sorry)”方針(訳注:予防原則)を助言した。 インタビューでハバス博士は、カナダはいくつかの他の諸国よりも数千倍の強度のWi-Fi マイクロ波放射を許しているので、カナダの放射規則は緩すぎると述べた。彼女は、無線技術は今後、重要な公衆健康問題となるであろうと信じている。 ”私は、人々が彼らの症状がどのようなものか、何に曝露しているのか、援助が必要かを私に告げるよう、毎日、これらの人々と会っている”と彼女は述べた。”このことは一度に各個人について見つかっている。私は、これは今、大きな問題であり、悪い方向に向かっていると思う”。 オンタリオ州サンダー・ベイのレイクヘッド大学は、キャンパス内でのWi-Fiを禁止することにより大学での無線アクセス化の傾向に歯止めをかけている。 オタワのマクローリン汚染健康リスク評価センターのダニエル・クレウスキー氏は、レイクヘッド大学は、彼が知る限り、Wi-Fiを避ける唯一の北アメリカの教育機関であると述べた。 クレウスキー博士は、更なる生物学的影響に関する研究は必要であるが、”文字通り数千”の学術論文が無線技術は安全であることを示していると述べた。 ”広範な研究が行なわれているが、科学的な合意は決定的ではない”と彼は述べた。 2007年、イギリスの教師は、教室の Wi-Fi の安全性について懸念を提起した。イギリスの健康保護機関が調査を行い、1年間の Wi-Fi 曝露は携帯電話での20分間の通話と同等であることを見出した。 Wi-Fi ネットワークはマイクロ波オーブンより100,000 倍マイクロ波放射は低い。 |