EHN 2015年6月3日
BPA は銘柄品缶詰の中でまだ使用されている
ブライアン・ビエンコースキー(EHN)

情報源:Environmental Health News, June 3, 2015
BPA still a favorite among canned good brands
By Brian Bienkowski (EHN)
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/news/2015/jun/
bpa-still-a-favorite-among-canned-good-brands

訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年7月4日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ehn/ehn_150603_BPA_still_a_favorite.html

 250銘柄以上の缶詰の調査で研究者らは、44%以上の銘柄がその一部又は全てで、内面コーティングにビスフェノールAを使用していることを発見した。

 109 銘柄が回答しなかった又は十分な情報を提供しなかったので、その数はもっと多いであろう。

 本日発表されたエンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)によるこの調査は、78銘柄がその全ての製品でBPAライニング缶を、34銘柄が製品の一部でBPAライニング缶を、しかし31銘柄はその全ての製品で BPA フリーの(BPAを使用しない)缶を使用していることを発見した。この調査は、2014年1月から8月まで実施された。

 BPA はポリカーボネート・プラスチックを作るために使用され、食品や飲料の缶詰のあるもの、印刷感熱紙、歯科詰め物などに使用されている。様々な調査が、ほとんど全ての人々が体内に微量のこの化学物質を持っていることを示しており、研究者らは食物が主要な暴露経路であると信じている。この化学物質は缶のライニングから食物中に溶け出すことができる。

 BPA は、生殖及び発達障害、肥満、心血管系疾患、及びがんを含む多くの健康影響に関連しているので、その暴露には懸念がある。この化合物はエストロゲン・ホルモン(訳注:女性ホルモンの一種)を擬態し、人の内分泌系をかく乱することができる。

 先週、当・環境健康ニュース(EHN)は、人が BPA を代謝した後でさえ、生成された物質がまだ肥満を増進するかもしれないことを見つけた新たな研究を報告した。

 完全にBPAフリーであることをEWG が発見した人気のある銘柄には、Amy's Kitchen、Annie's Homegrown 及び Sprouts Farmers Market があり、一方 BPA を使用しているものには Target's Market Pantry、Bush's、 Carnation、Dinty Moore、及び Eagle Brand がある。

 報告書全文

 連邦規制は缶詰製品での BPA 使用の開示を求めていないので、EWG の研究者らは、アメリカのスーパーマーケットの情報を収集する LabelINSIGHT 社に頼らざるを得なかった。

 ”最大の問題は、消費者は購入している食品がこの有害化学物質で汚染されているのかどうかを知る信頼のおける方法を持っていないということである”と EWG のデータベース分析家サマラ・ゲラーは声明の中で述べた。この分析を発表することにより、人々が、 BPA を回避し、賢い買い物をするために必要な重要な情報を得ることを希望する”。

 報告書によれば、”BPAを廃止した、又は廃止中であると述べた会社は、彼らが現在使用している代替物質が何かを明らかにしなかった”。従ってBPAフリー製品が、BPA と同様な健康影響を示すビスフェノールS (BPS)のような BPA に類似の化合物を使用しているのかどうか不明である。

 しかし、研究者らはレシート感熱紙の大部分で BPS を発見した。

 BPA は、アメリカではもはや、赤ちゃん用ほ乳びんやシッピーカップ中では使用されていないが、米・食品医薬品局は、缶から食品中に漏れだしても人の健康にリスクを及ぼさないとするレベルがあると主張している。

 EWG の研究ディレクター、レニー・シャープは、人の健康を守るために国の基準が必要であると述べた。

 ”家計が厳しい又は新鮮な食品の入手が難しい多くの人々は、栄養源として缶詰食品に頼っている”と、シャープは声明の中で述べた。”そのことが、我々がこの権利を必要とする理由である。我々は、食品缶詰中の BPA の使用を制限し、人々がこの有害な物質を摂取しているのかどうか、もし摂取しているのならいつかを知ることができるよう、透明性を改善する明確な国の基準を必要としている”。

 


化学物質問題市民研究会
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