予防原則の適用事例
サンフランシスコ グリーン・ビルディング
情報源:SF Environment - Green Building
http://www.sfenvironment.com/aboutus/innovative/greenbldg/index.htm
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2005年11月2日

グリーン・ビルディング


新しいモスコン・センター建設のために古いビルが解体された時に、コンクリート、銅、鉄、アルミニウム、配管、及び器具類など資材の80%以上が再利用された。
グリーン・ビルディング資材業者指針ができました。
Now Available: Green Building Resource Guide

 ”グリーン・ビルディング”は、資源の使用を最小にし、環境への有害影響を削減し、人々へのより健康な環境を作り出す建設及び支援基盤を作り出すためのプロセスである。

 資源効率のよいグリーン・ビルディングは環境的にも経済的にも合理的である。ビルの建築は、金がかかり、貴重な天然資源を浪費し、作業者と環境の両方に有害であることが多い。アメリカでは、ビルだけで全エネルギーの30%を使用している。トイレを流すだけでも1日に50万ガロン(約2,000万立方メートル)の水を使用している。典型的な商業用ビルの建設では床面積1平方フィート(約0.093平方メートル)当り、2〜2.5ポンド(約900〜1100グラム)の固体廃棄物を出す。

 ワールドウォッチ研究所によれば、ビルの建設、解体、及び運用を全部合わせると、世界のエネルギーとその他の天然資源の40%を消費している。新たな設計手法、技術、及び資材を用いれば、ビルの建設と運用で使用される資源と運用コストを著しく削減することができる。

 グリーン・ビルディングは、環境によくエネルギー効率のよい方法で、設計され、建設され、修理され、そして運用される。資源効率のよいビルは、環境、経済、及びエンジニアリング能力の高いレベルを示し、それらには下記が含まれる。
  • エネルギー効率とエネルギーの節約
  • 室内空気質の改善
  • 資源と資材の効率
  • 労働衛生と生産性
  • 公共交通への近接
  • 大気、水、土地、限定された資源及び生態系を含む環境の改善
 グリーン・ビルディングは資源を節約しエネルギー・コストを削減する一方、職場環境が良くなるので労働者の生産性が改善される。いくつかの国際的な研究は、資源効率のよいビルは、病欠日数を減らし、労働者の意欲が高まるので、労働者の生産性は16%高くなるとしている。

 グリーンビルディングは有害な塩ビ(PVC)の使用を避け、また、地球の気候の安定を図るために温室効果ガスを生成する製品を避ける。

より良いものへの転換

 グリーン・ビルディング技術とエネルギー節減措置は既にサンフランシスコに利益をもたらしている。市のエネルギー節減当局の数字は、エネルギー効率措置が1999年現在、600万ドル(約6.6億円)以上のコスト節減を市にもたらし、年間の温室効果ガスの排出を8万トン近く(これは、道路の自動車4,600台分を止めることに匹敵する)を削減したことを示している。

 市の建設及び改修プロジェクトは、資源効率化措置を導入している。自治体の建設・改修プロジェクトから出る建設廃材は埋め立てをやめ、資材は回収又は再使用されている。新たな建設と既存ビルの改造は、ビルの占有者のために適切なリサイクルスペースを確保するよう設計されている。自治体の施設では低流量トイレ及びシャワーによって効率の悪い器具が置き換えられている。出口表示灯、蛍光灯、及び外灯は、エネルギー節約型のものに交換されつつある。水銀を含む蛍光灯は公共の建物からは撤去されつつある。塗料やカーペットのような製品や物質の使用を決める時には、屋内空気質のことが考慮に入れられている。


サンフランシスコ環境局 グリーン・ビルディング関連ウェブサイト


化学物質問題市民研究会
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