フランスの「脱原発ネットワーク」キャンペーン 2015年
フランス電力(EDF)は嘘をつくのをやめろ
原発は ”CO2 なし”ではない


情報源:Reseau sortir du nucleaire, 2015
EDF- Stop lying : nuclear power isn't "without CO2"
http://sortirdunucleaire.org/spip.php?page=CO2-mensonge-EDF-en

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2015年11月3日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nuclear/articles/2015_Reseau_sortir_du_nucleaire.html


 EDF(フランス電力)は、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の公式スポンサーのリストに挙がっており、その電力の98%は”CO2 フリー”で発電されていると主張しています。原子力産業に関連するどのような操業も温室効果ガスを排出するので、この表現は誤解を招く恐れがあります!

 私は、EDF は嘘をつくのをやめ、原発はCO2を排出せず、したがって原発は”クリーン”エネルギーであるという消費者に誤解を与える宣伝と出版によるすべての示唆を撤回するよう求めます。


署名欄:
(訳注:オリジナルウェブページをご覧ください)


 フランスは、気候危機の解決におそらく責任を負うひとつの主要な国際会議である COP21 の開催を準備しています(訳注:2015年11月30日から12月11日までフランス・パリで開催)。フランス政府とフランス電力(EDF)はこの会議を地球温暖化という脈絡で原子力発電の促進に利用しようと目論んでいます。原子力産業は下降気味なので、気候変動に対するひとつの解決策と称して、新たな原子力発電建設のために公的資金を得ることができれば特に原子力産業にとって利益となることでしょう。”脱原発”ネットワーク(Reseau sortir du nucleaire)が7月に告訴した後、広告倫理の陪審は、原発の”100% CO2 フリー”排出という EDF の表現は実際に消費者を誤解させるとみなしました。全体として、これは全くの嘘であり、科学的調査の裏付けがありません。

 実際に、原子力産業の操業に関連する次のような介入の全てが温室効果ガスを排出します。ウラン採鉱、ウラン濃縮、プラント建設と解体、核燃料棒製造、搬送、放射性廃棄物の”処理”、・・・。COP21 の公式スポンサーとして、EDF は電力の98%は”CO2排出なし”で生成されているという主張など、事実を歪曲し続けています。私たちはこの宣伝を弾劾します。そして、広告倫理陪審に新たに告訴するつもりです。一方、EDF はその約束を果たさないことにより、気候変動との闘いという観点から全ての信用を失いました。世界中にある EDF の16の石炭炊き火力発電所からの温室効果ガス排出は止められておらず、世界で19位の CO2 排出会社となっています!

 ”CO2フリー”エネルギーとして原発を導入することは、原発により引き起こされる深刻な問題に目をつぶることになります:重大事故のリスク増大と核の拡散、管理できない核廃棄物の増加、そして原子炉コストの上昇。

 原子力エネルギーは気候に良いという信仰と闘うために、私たちは EDF に圧力をかけて嘘をつくのを止めさせなくてはなりません! 私たちは、EDF が原発は CO2 を排出せず、原発は”クリーン”エネルギーであるという誤った暗示を与える宣伝と出版によるすべての示唆を撤回するよう求めます。


訳注:関連情報

 原子力資料情報室が、”オランダの脱原発団体WISE (World Information Service on Energy)ほか7団体が2015年12月にフランス・パリで開催予定のCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)にむけて、”Don’t Nuke the Climate(温暖化対策に原発を使わないで)”キャンペーンを開始し、以下の団体署名・個人署名への協力をもとめています”として、【団体署名・個人署名のお願い】Don’t Nuke the Climate ? COP21 温暖化対策に原発を使わないでーCOP21にむけてのウェブページを立ち上げています。



化学物質問題市民研究会
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