オーストラリア労働組合連合(ACTU)2009年4月14日
ナノテクは健康・安全リスクを
労働者に及ぼす可能性があり
規制が必要である


情報源:Australian Council of Trade Unions (ACTU), 14 April 2009
Nanotech poses possible health and safety risk to workers and needs regulation
http://www.actu.asn.au/Media/Mediareleases/
Nanotechposespossiblehealthandsafetyrisktoworkersandneedsregulation.aspx


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2008年6月29日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ETUC/080626_ETUC_REACH_NANO.html


 オーストラリアにおけるナノテクノロジー関連市場の急速な成長により、労働者と消費者の健康と安全を保護するための規制が緊急に求められる−と労働組合は述べている。

 ナノテクノロジーは、新たな製品やディバイスの創造に底知れぬ潜在的能力を持っているので称賛され、日焼け止め、化粧品、ベッドシーツ、建材、塗料など、現在800種以上の製品が毎日使用されている。

 労働組合は、いくつかのナノ物質は潜在的に有害であることを示す証拠が増大しているのに、この産業は適切に労働者を保護することなく成長している。ナノテクノロジー産業は今後10年間で320億ドル(約3兆2,000億円)から2兆6,000億ドル(約260兆円)に成長すると予測されている。

 現在、オーストラリアでナノ物質を輸入し、製造し、供給し、又は販売している人に登録義務はなく、製品への表示義務もない。しかし、国際的には規制を導入する動きが起きている(ファクトシート参照)。

 ナノテクノロジーは、労働安全衛生当局に課題を課しているナノスケール(10億分の1 メートル)での物質使用をともなう。研究によればあるナノ物質はアスベストと同様に作用するかもしれない。

オーストラリア労働組合連合(ACTU)事務局次長ジェフ・フェアリは:次のように述べた。

 ”あるナノ物質はアスベスト繊維と同様な特性を持つことを示す動物テストがあり、政府と産業界は過去の痛みの教訓を繰り返してはならず、新たな悲劇が再び起きることを許してはならない”。

 ”既存の法と規制はナノスケール物質の独特な特性に対して設計されていないことを思い起こすべきである。最近のニューサウスウェールズ州(NSW)議会からの報告は、このことに対応すべきことを勧告しており、それはまた、国としてもなされるべきであると信じる”。

 ”我々はナノ物質についてもっと多くを知るまで、それは人の健康に危険を及ぼすものとして規制すべきである。それが唯一の安全な選択肢である”。  ”製造、販売、健康、研究、衣料、屋外の作業に従事する労働者は潜在的にナノ物質に暴露し、そのリストは産業が成長するとともに拡大する”。  フェアリー氏は、2009年末までに規制を導入することは、もし産業発展がこのペースなら十分なタイムフレームであり、1年足らずで制定が予定されているオーストラリアの新たな国家的に調和した健康・安全法と一致することになると述べた。

更なる情報:ファクトシート

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