イギリス環境食糧地域省 2005年12月6日
ナノ技術 リスクを管理する

情報源:Defra, UK Environmental Protection/Nanotechnology/Controlling risks
6 December 2005
http://www.defra.gov.uk/environment/nanotech/risks/index.htm

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年2月26日

 現在の、そして今後出現する広範なナノ技術とナノスケール物質の応用分野が広範であるということは、多くの領域に潜在的なリスクがあるということを意味する。これらの懸念ある領域には、環境、食品安全、労働安全衛生、臨床及び医療安全、消費者保護、及び公衆の健康が含まれる。

 イギリス環境食糧地域省(Defra)のナノ技術に関する主要な関心は、それらが環境と環境を経由して人の健康に及ぼすどのようなリスクをも管理することである。この問題は、英国王立協会・王立技術アカデミー(RS/RAEng)によって報告書 『ナノ科学、ナノ技術:機会と不確実性 (Nanoscience and nanotechnologies: opportunities and uncertainties)』 の中で目を向けられた。この報告書は、政府がナノ技術のための適切な管理の枠組みを確実にするための多くの勧告を述べている。

 この勧告に対する政府の対応は2005年2月に発表されており、その実施は”ナノ技術問題対話グループ(Nanotechnology Issues Dialogue Group (NIDG))”を通じて調整が図られている。

RS/RAEng report - Nanoscience and nanotechnologies: opportunities and uncertainties
Government Response to RS/RAEng report (PDF 336 KB)
Nanotechnology Issues Dialogue Group (NIDG)

 イギリス環境食糧地域省(Defra)は現在、ナノ技術問題対話グループ(NIDG)の中のサブグループであるナノ技術研究調整グループ(NRCG)を通じて、政府内関係省庁と共同で作業を行っている。NRCG は、潜在的なリスクに目を向けた管理に関する情報を提供する研究プログラムを開発している。それには、ナノ技術が及ぼすどのようなリスクが今後数年で出現するかを洞察することを含んでいる。

 研究プログラムと管理を開発の中で利害関係者が参加するひとつのプログラムが進行中である。我々はまた、ナノ技術の製品と応用の周囲の、より広い社会的倫理的懸念と展望に目を向けるために、そしてこれらの懸念と管理の開発の間の関連性を確実にするために、ナノ技術関与グループ(Nanotechnology Engagement Group)を通じて作業を行っている。

Stakeholder meetings
Nanotechnology Engagement Group
Government's outline programme for public engagement on nanotechnologies

 欧州委員会(EU)は 『ナノ技術行動計画』 を発表したが、それには環境と人の健康へのリスクに関する章がある。イギリス環境食糧地域省(Defra)は欧州委員会とともに、その行動計画と欧州連合中で調和の取れた一貫した行動が必要性であることをの周知徹底するために働いている。

 国際的には、イギリス環境食糧地域省(Defra)は、同様な目的に向けてOECDを通じて、特に、優先的研究、及びリスク評価のためのテスト手法の調和に関する協力に目を向けて、作業を行っている。2005年12月のOECDワークショップではこれらの問題に目が向けられる。

 様々なイギリス、欧州連合、及び国際的な利害関係者及び取組がお互いに影響し合い、ナノ技術によってもたらされるリスクを管理するための管理手法の開発に貢献している。

European Commission Action Plan on Nanotechnology

Page published: 6 December 2005



化学物質問題市民研究会
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