ウィルソン・センターの
ナノ技術消費者製品目録


情報源:Washington Post, Friday, March 10, 2006
For Now, Consumer Nanotech Concentrates on the Little Things
By Rick Weiss / Washington Post Staff Writer
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/03/09/AR2006030902115.html

解説:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年3月11日


 2006年3月10日付けワシントン・ポストによれば、ウッドロー・ウィルソン・インターナショナル・センターの”新規出現ナノ技術に関するプロジェクト”が、現在市場に出回っているナノ製品のうち英文ウェブサイトに広告のあるものから200種類以上をリストにした”ナノ技術消費者製品目録 (Nanotechnology Consumer Products Inventory)”を発表した。

 スミソニアン研究所の一部であり、ピュー慈善財団(Pew Charitable Trust)から資金を得ているこの研究政策グループは、英文のウェブサイトを調べ、製造者がナノ・ベースであると宣言している消費者製品だけを検索した。ナノという表現が製品の成分としてではなく、営業用口上として用いられているように見えるものは排除した。

 様々な種類のナノ粒子が産業用及び消費者用製品に導入されている。例えば、銀はナノ形状ではバクテリアに対して特に致命的であり、そのことが、現在、抗菌性や消臭性が求められる冷蔵庫、掃除機、靴底の詰め物、その他の製品に使われている理由である。
 酸化チタンのナノ粒子を含むローションは紫外線を遮蔽するが、な透明性を残しており、日焼け止めとして人気がある。

 ナノ・ベースのコンピュータ・チップとハード・ドライブはより小さいスペースにより大きな処理能力とデータを詰め込むことができるので、コンピュータは家庭で使われているナノ製品の中で最も分かりやすい製品である。

 既に利益を上げている化粧品分野は市場で魅力があるので、多くの製造者らは化粧品に目を向けている。食品医薬品局(FDA)はそのような製品が健康リスクを及ぼさないかどうか調べるための研究を支援している。

 少なくとも目録中の8製品は食べたり飲んだりすることを意図した製品である。コレストロールの吸収を低減するという”ナノサイズの自己組織化液”を含むイスラエル製のキャノラ・オイル、ナノ関連の様々な優位性を主張をする12種の栄養補給剤(サプリメント)、特性は明らかにされていない”ナノスケールの結晶”を含む”チョコラ”印のチョコレート・チューインガム。

 これらの製品のナノ成分の正確な特性は、そのラベルからは不明確で分からない。
 この目録には、医療診断及び化学物質製造プロセスに使用されている数百の用途を含む、非消費者用途の製品は含まれていない。



化学物質問題市民研究会
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