Nanowerk 2010年10月16日
オーストラリア
新規工業用ナノ物質の
届出と評価プロセスを導入


情報源 Nanowerk, Oct 16th, 2010
Australia introduces notification and assessment process for new industrial nanomaterials
http://www.nanowerk.com/news/newsid=18528.php

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2010年10月21日


 オーストラリア工業用化学物質届出評価計画(NICNAS)は、工業用化学物質届出評価法1989のパート3(工業用化学物質届出評価)の下に、新規化学物質とみなされる工業用ナノ物質届出と評価のための新たな管理プロセスを導入しようとしている。

 これらの新たな管理計画(pdf)は、2011年1月1日から発効する。それらは、工業用ナノ物質のうち下記の作業用定義に当てはまるどのような新たな化学物質にも適用する。

 ・・・ナノスケール、典型的には1nmと100nmの範囲のサイズで、ナノ・オブジェジェクト(1、2、又は3次元がナノスケール)又はナノ構造体(内部構造又は表面構造がナノスケール)において、独自な特性( unique properties)又は特定の構成(specific composition)を持たせるために、意図的に生産され、製造され、又は加工された工業用ナノ物質・・・。

作業定義への注釈
  • 意図的に生産され、製造され、又は加工された工業用ナノ物質は、非意図的に製造された物質と区別される。
  • 独自な特性とは、ナノスケールではない同一物質と比較してナノスケールの特徴として化学的及び/又は物理的特性が異なり、その結果、新たな応用を可能にする独自の現象(例えば、強度の増大、化学的反応性又は導電性)をさす。
  • アグリゲート(aggregate)アグロメレート(agglomerate)はナノ構造体とみなされる。
    (訳注):
     アグリゲート(aggregate):一次粒子が強い力で結合した凝集塊
     アグロメレート(agglomerate):アグリゲートが集まった凝集体
  • サイズ分布の10%又はそれ以上の物質(粒子数に基づく)がナノスケールの場合には、NICNAS はこの物質をリスク評価の目的としてナノ物質とみなす。
 免除カテゴリーの下に今回、導入される工業用ナノ物質の作業定義に合致するどのような物質も、2011年1月1日以降も導入が続くなら、NICNAS の認可又は認証が必要である。導入者は、彼らのナノ物質にとって最も適切な届出カテゴリーを決定するために、この日時前に NICNASと連絡を取るべきである。

情報源: Australian Government - Department of Health and Ageing (NICNAS)
http://nicnas.gov.au/Publications/Chemical_Gazette/pdf/2010oct_whole.pdf#page=14



化学物質問題市民研究会
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