nanoforum.org 2009年5月12日
英・労働医学研究所(IOM) 工業的ナノ粒子リスク評価(ENPRA )プロジェクトを立ち上げ 工業的ナノ粒子のリスク評価への新たな統合アプローチ 情報源:nanoforum.org 12 May 2009 IOM launches ENPRA - a novel integrated approach to assessing engineered nanoparticle risk http://www.nanoforum.org/nf06~modul~showmore~folder~99999~scc~news~scid~3879~.html 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2009年5月20日 【IOM 5月11日】 英・労働医学研究所(Institute of Occupational Medicine (IOM) )は、工業的ナノ粒子(ENP)のリスク評価への新たな統合アプローチを開発し実施するために、第7次枠組計画(EU FP7)の新たなプロジェクト、工業的ナノ粒子リスク評価(ENPRA / Engineered NanoParticle Risk Assessment)を立ち上げた。 ナノテクノロジーは、2010年までに産業、消費者、及び医療用の製品に対して2,920億ドル(約30兆円)の経済的効果を持ち、すでにヨーロッパ及び世界で主要な産業の一つとなっている。長期的な成長と持続可能性の鍵は開発されるこのテクノロジーが安全であるという最終消費者の信頼を確立することである。ENPRA (工業的ナノ粒子リスク評価)プロジェクトは、工業的ナノ粒子への暴露による潜在的な健康リスクの評価と管理のための効果的なアプローチを開発するために、リスク評価の古典的な暴露−用量−反応パラダイムを拡張することにより、ナノテクノロジーの長期的な成長と持続可能性を支えることを目指している。 3年半にわたりIOMが主導する370万ユーロ(約4億円)のプロジェクトは、欧州からの15団体と、米連邦政府機関の米環境保護庁(EPA)、米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)、米国立健康研究所/米国立環境健康科学研究所(NIH-NIEHS)を含む米国から6団体の知識と能力を結集する。IOM のコンピュータ利用毒性学のディレクター、ラン・トラン博士の下に、ENPRA は、その目的を実現するために、ナノテクノロジー環境・健康・安全(EHS)研究への試験管内テスト(in vitro)、体内テスト(in vivo)、及びコンピュータ利用テスト(in silico)のアプローチの範囲内で最新の先端技術を利用する。 ”ENPRAはまた、3つの英国研究組織である労働医学研究所(IOM)、エジンバラ・ネイピア大学、エジンバラ大学の参加を得て、強力な布陣となった”とトラン博士は述べた。”さらに、ENPRA 内で開発されるべき in vitro と in silico アプローチはまた、ナノテクノロジーにおける動物実験の必要性を減らすことに役に立つであろう”と彼は付け加えた。 毒性学における最新の進歩をナノテクノロジーの環境健康安全(EH&S)問題に利用しつつ、ENPRAの基本的な新たな理論根拠は工業的ナノ粒子(ENP)の伝統的な毒性評価を越え、次の事柄を求める。
ENPRA (工業的ナノ粒子リスク評価)プロジェクトは、第7次枠組計画(EU FP7)の9つのプロジェクトの中で最新のプロジェクトである。その立ち上げ会議は今週、パリ第7大学 (ドゥニ・ディドロ) で開催され、公式の晩さん会は5月14日パリの英国大使館で行われる。 更なる情報:http://www.iom-world.org 訳注1:IOM Institute of Occupational Mediciene (英・労働医学研究所) 訳注2:European Framework 7 |