|
IPEN 2025年10月
IPEN クイックビュー:水銀条約 COP-6 情報源:IPEN, October 2025 IPEN Quick Views: Mercury Treaty COP-6 https://ipen.org/sites/default/files/documents/ minamata_cop6_qvs_final_digital.pdf 訳:安間 武 化学物質問題市民研究) https://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2025年10月29日 このページへのリンク: https://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/IPEN/IPEN_ 2025_October_IPEN_Quick_Views_Mercury_Treaty_COP-6.html 参考:水銀に関する水俣条約(和文)/環境省 水銀に関する水俣条約(水銀条約)第6回締約国会議(COP)は、2025年11月3日から7日までジュネーブで開催される。そこでは多くの重要な事項が議論され、IPEN はそれらを本クイックビューの中で取り上げる。 さらに、IPEN は、COP-6の議題には特に含まれていない 2つの重要な問題を提起しようとしている。これらの 2つの項目は、条約文を以下のように改正することである。
これらの改正が必要なのは、以下の理由からである。 1) 世界の水銀取引を終わらせるべき時である 水銀に依存するほとんどの製品と製造工程が段階的に廃止された今、世界的な水銀取引を継続する正当な理由はほとんどない。取引されている水銀のほとんどは、世界の水銀排出の主な発生源である ASGM に流れ込んでいる。ASGM に含まれる水銀は食物網を汚染し、先住民族や、小島嶼開発途上国の人々のように魚を食用タンパク質として頼りにしている人々の人権を侵害している。米国と EU はすでに水銀の輸出を禁止している。改正案は、水銀取引を永久に終わらせることに焦点を当てるべきである。 2) 水銀の許容される用途として、ASGM の段階的廃止日を設定すべき時である 条約は、水銀を使用するほとんどの製品と製造工程の段階的廃止には効果があったように見えるが、ASGM における水銀使用量の削減には、同等の効果は見られていない。ラテンアメリカ、アフリカ、及び東南アジアの一部の ASGM 地域では、依然として水銀が大量に使用されており、過去 5年間の ASGM における年間水銀使用量はほぼ横ばいとなっている。 ASGM の水銀源は、合法的に取引された水銀、密輸された水銀、そして一次鉱山(特にインドネシアとメキシコ)からの辰砂(しんしゃ)精製である。ASGM 分野における水銀の使用は、ASGM 由来の水銀の影響を不均衡に受けている先住民族やその他の人々の人権を侵害している。条約が ASGM を水銀の許容用途として認める限り、(i) 金の採取が人権よりも重要であり、(ii) 水銀アマルガムなしでは金の採取は不可能であるというシグナルを送ることになり、結果として、多くの国で国家レベルで ASGM が容認され続けることになる。条約は、水銀使用の段階的廃止日を 2032年と定めることにより、国際社会は最早 ASGM における水銀使用を容認しないという明確なメッセージを発する必要がある。 (訳注:辰砂(しんしゃ)は、硫化水銀(HgS)からなる鮮やかな赤い鉱物である。古くから水銀の原料、顔料、漢方薬、朱肉などに使われてきた。辰砂を水銀精製するには、辰砂(硫化水銀)を400〜600℃で加熱し、発生した水銀蒸気を冷却・凝縮させる。この方法で得られた粗製水銀は、濾過や洗浄を経て精製される。|AI による概要) さらに、健康に関する側面(第16条)では、より一層の重点が求められており、地域保健サービスや助産師を含む医療従事者に対し、水銀暴露症状の検出、治療、水銀暴露低減に関する助言の提供について、研修を行うための具体的な措置が緊急に求められている。 COP-6の主要課題と決定事項 貿易と供給(元素水銀) 水銀貿易に関する会議文書MC/COP.6/5は、締約国からの声明をまとめたもので、各国が水銀貿易の規制に関して抱えている問題点を詳述している。また、2か国(インドネシアとメキシコ)が、条約に基づく規制要件にもかかわらず、違法な一次水銀採掘が継続していることに重大な問題があると認識していることが強調されている。この問題は、実施・遵守委員会(Implementation and Compliance Committee)で取り上げられる予定であり、この文書では、COPが締約国に対し、第3条のこの側面の実施における経験と課題について報告を求める可能性があることが示唆されている。大量の水銀が組織犯罪の関与により、メキシコからラテンアメリカの ASGM 地域にに密輸されている[脚注1]。その仕向地には、ペルー、ボリビア、コロンビアなどが含まれる。 MC/COP.6/5では、16か国が自国領土からの全ての水銀輸出について、同意を得ておらず、また、同意の一般的通知にも依拠していないと報告し、この文書なしでの輸出を認める理由について説明をしていないことも認められた。9か国は、水銀の違法取引に関して重大な問題を抱えていることを認めており、その中には、歯科医院が鉱山労働者に販売する ASGM 用水銀の違法取引を指摘したフィリピンも含まれている。実施・遵守委員会は、水銀の違法取引、違法貿易、密輸の問題について懸念を表明し、COP-6 後の次回会合でこの問題を再検討する予定である。 決定案は、以下の事項を求めている。
水銀化合物の取引 COP-5において、事務局は、水銀化合物の世界的供給、生産、貿易、使用に関する調査を開始するよう要請された。これは、水銀取引規制を回避することで条約の目的が損なわれていないかどうかを調査するためである。最終的な調査結果は UNEP/MC/COP.6/INF/5 に掲載されている。報告書の調査結果では、辰砂が水銀取引規制を回避するために取引されていたことが指摘されている。もう一つの主要な調査結果は、水銀化合物が美白クリームに引き続き使用されており、これらの化粧品には 4種類の化合物が含まれていることが確認されたことである。スキンクリームに含まれる水銀は、健康被害が十分に立証されており、米国、EU、その他の国々ではこのような化粧品に対する規制が設けられている。 IPENの立場は、辰砂の取引は、第27条に従って採択される追加の附属書に掲載することにより、可能な限り速やかに制限されるべきであり、第3条第6項および第8項の適用対象とすべきであるというものである。これは、これらの水銀化合物の取引に関するより厳格な文書化(事前のインフォームド・コンセントを含む)を義務付け、これらの化合物の使用を条約で認められた用途に制限する効果をもたらす。研究で指摘されたその他の化合物についても評価を行い、必要に応じて取引を全面的に禁止することを目指し、化粧品への使用を制限すべきである。さらに、UNEP/MC/COP.6/5 における関連する決定案は、附属書III(一次水銀からの水銀取引の特定、管理、削減において締約国を支援するための、水銀の輸出入に関する様式の使用に関するガイダンスの改訂版)の採択を求めている。水銀化合物に関する研究において、辰砂が貿易制限を回避するために取引されているとの結論に至ったことを踏まえ、締約国は、辰砂を含む水銀化合物に関する情報(生産量、備蓄量、輸出量を含む)を国別報告に含めるよう締約国に対し求める新たな要素を決定案に追加すべきである。この問題に関するコンタクトグループは、この情報提供要請を、水銀の供給源と供給に関する国別報告に関する最新のガイダンスに追加することを提案すべきである。その目的は、水銀化合物を元素水銀と同様の貿易制限の対象とするという決定につながるデータを作成することである。最終的には、辰砂の取引は禁止されるべきである。 有効性評価(EE) COP の有効性評価については、2つの委員会が会期間を通じて作業を行っている。これらは、有効性評価科学グループ(OESG)と有効性評価グループ(EEG)である。この評価は、条約が水銀汚染の削減に効果的であったかどうか、また効果的であった場合、どの分野において効果的であったかを判断することを目的としている。COP-5において、締約国は COP-7 で EEG 報告書全文を検討することで合意した。COP-6では、EEG 報告書の注釈付き概要が提示され、データ収集中の OESG の作業に関する最新情報が提供される。OESG は、大気モニタリング、その他の非生物的媒体モニタリング、生物相モニタリング、ヒトのバイオモニタリング、排出量と放出量、そして統合分析を含むデータを検討している。ASGM における水銀の貿易、供給、使用に関する予備データによると、ASGM で使用される水銀の量は条約発効以来減少しておらず、むしろ増加している可能性が示唆されている。これは、条約が ASGM における水銀の使用と放出量の削減に効果的ではなかったことを示している。 IPENは、条約が ASGM 分野において有効となるためには、水銀の合法的な取引を禁止し、ASGM における水銀の使用を 2032年までに段階的に廃止するよう、条約を改正する必要があると提案している。 OESGとEEGは、COP7に向けた最終報告書を作成するため、会期中に作業を継続する。決定案は、締約国に対し、OESG と EEGのこれまでの作業を認めるよう求め、2025年12月までに各国の完全な国別報告書(第21条)を提出するよう強く求めている。これらの報告書は、将来の EE(有効性評価)プロセスにとって重要である。EE プロセスのために収集されているデータの大部分は、現在先進国からのものであり、特に ASGM が発生している地域に関して、グローバル・サウスからのより多くのデータとバランスをとる必要があることに留意する必要がある。IPENはこの決定案を支持する。 人力小規模金鉱採掘(ASGM) ASGM に関する会合文書 MC/COP.6/7 で提起された課題には、第7条に基づく報告の進捗状況、国別行動計画(NAP)の完了率、COP-5 以降に実施された様々なプロジェクト、そして NAP 策定における先住民族の参加のための新たな措置などが含まれている。この文書は、ASGM が依然として世界における水銀汚染の主な発生源であることを認め、51の締約国(および4つの非締約国)が事務局に対し、ASGM に関する重要な活動を行っていることを通知していることを指摘している。現在までに、35の締約国と2つの非締約国が事務局にNAPを提出している。これらの締約国のうち、第7条第3項(c)の規定に基づき、NAP の実施状況に関するレビューを実施している国はほとんどない。NAP の策定とレビューに関するガイダンス(UNEP/MC/COP.6/INF/11参照)には、レビュー手続きや先住民族との連携に関するより詳細な内容を含む新たなセクションが追加されている。また、planetGOLDプログラムにより、2024年6月時点で33.8トンの水銀の環境への排出が防止されたことも指摘されている。現在、ASGM における水銀使用量は年間約2,000トンと推定されているが、これは過小評価されている可能性が高い。 (訳注:planetGOLD programme:planetGOLDプログラムは、政府、民間セクター、そしてASGMコミュニティと連携し、人力小規模採掘者の生産慣行と労働環境を大幅に改善することを目指している。資金調達ギャップの解消、正規化の支援、意識向上、そして採掘コミュニティと水銀フリー技術および正規市場との連携を促進することで、鉱山から市場まで、すべての人々に利益をもたらす、よりクリーンで効率的な小規模金採掘への道筋を示すことを目指している。|planetGold programme / UNEP) 第2回報告サイクルでは、報告締約国の 27%が、水銀の不法取引、人力小規模金採掘に使用するための水銀の密輸、および禁止されている水銀添加製品の取引に関する問題を指摘した。ある締約国は、2つの具体的な懸念を報告した。1つは、電子商取引やオンライン取引プラットフォームを通じた水銀取引の促進に関するものであり、もう1つは、歯科医院で販売された水銀が ASGM に違法に転用されているという継続的な問題に関するものである。条約では現在、歯科用アマルガムへのバルク水銀の使用が禁止されているため、このような事態は認められるべきではない。 ASGM に関する推奨決定案には、以下の内容が含まれている。
より強力な対策が必要であり、IPENは、その対策の一つとして、COP7 において条約文を改正し、ASGM における水銀の使用を 2032年までに段階的に廃止することを提案している。現在、条約には ASGM における水銀の使用に関する段階的廃止の期限は定められていない。 先住民族の関与 COP-5において、COPにおける先住民族の関与への支援を強化するという決定を受け、事務局は、条約プロセスへの先住民族の参加を阻む障壁とその対処方法について議論した会議文書(MC/COP.6/17)を作成した。この報告書の結論は、先住民族の代表者との様々な協議に基づいている。事務局はまた、条約ウェブサイト内に先住民族プラットフォームを設置した。以下の事項を求める決定案が作成されている。
ジェンダー 現在の COP-6の議題及び会議文書には、ジェンダーと主流化に関する具体的な項目は含まれていないが、代わりに 2026〜2027年の 2年間における女性と子どもの健康問題への取り組みに関する活動に関する関連会議文書がある。この項目の詳細は、以下の「健康」の見出しの下に記載されている。COP-5では、ジェンダー行動計画[脚注2]が歓迎され、関連する決定により、事務局は 2024〜2025年の 2年間においてジェンダー行動計画を実施するための活動を行うことが指示された。締約国にも、2024〜2025年の 2年間においてジェンダー行動計画を実施するための活動を実施し、関連する経験と優良事例を事務局と共有することが要請された。 これらの活動のレビューは、UNEP/MC/COP.6/INF/25 に掲載されている。 IPENは、水銀汚染の影響に関する女性特有の懸念への対処と、水銀条約審議への女性リーダーの参加促進を目的としたジェンダー行動計画の実施を支持する。締約国が講じることができる具体的な措置としては、国別実施計画(NIP)/国別行動計画(NAP)にジェンダー別および性別に分類したデータ指標を盛り込むことが挙げられる。 条約への関与とその実施における女性の役割強化の重要性は、強調しすぎることはない。女性の参加は、分野横断的な問題への取り組みと、社会的に疎外された人々の声の聞き取りを確実にするために不可欠である。IPENは、水銀条約およびその他の関連する化学物質および廃棄物に関する協定において、女性がより重要な役割を果たすことができるよう、より多くの活動と資金提供を強く支持する。 水銀廃棄物 会議文書 MC/COP.6/8には、締約国に対し、水銀廃棄物管理に関する規制およびプログラムに関する情報提供を求めた結果が示されている。さらに、COP-5で設定された水銀廃棄物の閾値 15mg/kgの使用に関する情報も得られた。IPEN はCOP-5 における廃棄物の閾値結果に失望し、より低く、健康保護的な閾値を求め、最終決定に、本来は世界的に調和されるべき閾値を損なう条項が挿入されたと警告した。この条項は、事実上、締約国は 15mg/kgの閾値、あるいは任意の値を使用できることを示していた。これは明らかに、水銀廃棄物を定義するために世界中で様々な値を生み出す可能性があり、「水銀廃棄物」の分類とそれに関連する輸出入申告を回避する物質の輸出につながる。つまり、締約国は 15mg/kgの閾値に基づいて、それが水銀廃棄物であることを知らずに物質を輸入している可能性があるということだ。国際的な合意では、汚染廃棄物の閾値定義について、単一の調和された値を持つべきである。一部の締約国は、自国の水銀廃棄物管理システムに関する情報を提出しており、実施・遵守委員会は、締約国間で水銀廃棄物の処理・処分施設が不足していることを指摘した。 EUからの重要な貢献により、大規模な発生源(塩素アルカリ産業、天然ガスの精製、非鉄金属の採掘・製錬、辰砂鉱石の採掘)から発生する水銀および水銀化合物は、廃棄物として処理・処分されるべきであることが確認された。さらに、EU は、水銀廃棄物は転換処理され、地上施設で処分される場合には、転換および固化処理されることを義務付けている。IPENはこれらの措置を全面的に支持し、すべての締約国に対し、特に現在 EU域外の市場で販売されている石油・ガス産業由来の水銀について、EUのアプローチを採用することを奨励する。 決定案には、水銀廃棄物の閾値の見直しに向けた準備プロセスを確立するという重要な要素が含まれている。これは、水銀廃棄物の定義において当事者が任意の値を選択できるという問題のある条項を見直す重要な機会である。IPENは、決定案における水銀廃棄物の閾値に関する見直しプロセスを支持する。 化粧品 COP-5において、締約国は事務局に対し、美白クリームなどの水銀含有化粧品の禁止に関する課題について、締約国に対し更なる情報提供を求めるよう要請した。合計 23の締約国と 8つの他の組織が、2025年1月にリーブルヴィル(訳注:アフリカにのガボン共和国の首都)で開催されたアフリカ閣僚級地域会合からの勧告を含む情報を提出した。これらの提出物で特定された主な課題は、以下の通りである。
塩化ビニルモノマー(VCM) 中国の VCM 生産は、塩素アルカリ工場がほぼ全て水銀を使用しない方法に移行した現在、世界的に水銀を最も多く消費する産業の一つである。製造法として[石油由来の]エチレンの代わりに、石炭由来のアセチレンと水銀触媒を用いるアセチレン系 VCM 工場のほとんどは中国にあり、年間最大800トンの水銀を使用していると報告されている(ほぼ全てが中国の一次鉱山から供給されている)。アセチレン系 VCM 工場はインドにも1つある。COPは、締約国に対し、アセチレン系 VCM 生産における水銀消費量を削減するための新たな方法を見出すことを要求した。 (訳注:水銀を使用する製造プロセスとしては、塩素アルカリ(か性ソーダ)製造、塩化ビニルモノマーやアセトアルデヒドの製造などがあるが、、我が国では全て水銀を用いない方法に転換されている。|我が国の水銀関連技術・施設/環境省) COPにおいて既存のプロセスに基づく水銀フリー触媒が技術的かつ経済的に実現可能になったことが確認されてから 5年後、締約国は VCM 製造における水銀使用を許可しない(附属書B第II部)。スイスと米国はともに、水銀触媒の代替品が利用可能であることを示す情報を提出した。スイスは、金および銅触媒を用いた本格的な VCM 操業は既に技術的に実現可能であり、経済的にも競争力があると結論付けた。決定案は提案されていないが、締約国は VCM 報告書(UNEP/MC/COP.6/INF/9)の調査結果を考慮するよう奨励されている。IPENは、締約国に対しさらに踏み込んで、水銀を使用しない VCM 製造の代替方法が実証され、したがってアセチレン系 VCMプラントの段階的廃止日を2030年(すなわち、代替方法の確認から5年後)とすべきであることを確認する決定案を作成することを強く求めている。 生物多様性 COP-5において、水俣条約及び昆明(Kunming)・モントリオール地球生物多様性枠組みの実施から生じる相乗便益を支援するため、可能な行動と指標を含むロードマップ案の作成を事務局に委託することが決定された。特に、事務局は、水俣条約の有効性評価指標 1(人為的な排出及び放出による環境中及びヒトにおける水銀及び水銀化合物のレベルと傾向)及び指標 29(リスクにさらされているヒト集団における水銀レベル)が、昆明・モントリオール地球生物多様性枠組みの目標 7における追加指標として機能し得ることを示唆した。 さらに、ロードマップの 3つの柱が策定された。
(訳注:昆明・モントリオール生物多様性枠組:2022年12月新たな生物多様性に関する世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。|環境省) 健康(女性、子ども、その他の感受性の高い集団) 事務局は、文書MC/COP.6/18において、女性、子ども、その他の感受性の高い集団の水銀関連の健康問題に対処するために、2026年から2027年の2年間に提案される一連の活動を列挙している。提案される活動には、以下のものが含まれる。
歯科用アマルガム(附属書Aの改正) COP-5において、歯科用アマルガムのさらなる規制を目的として、附属書Aの第一部および第二部を改正するアフリカ地域の提案が提出された。第二部の 2つの改正案のうち 1つが採択され、歯科用アマルガムの段階的廃止をまだ実施していない締約国に対し、歯科用アマルガムの段階的削減または廃止に向けて実施済みまたは実施中の進捗状況に関する入手可能な情報に基づく国家行動計画または報告書を事務局に提出することが義務付けられた。歯科用アマルガムを政府の政策及び保険制度から除外することを求める別の提案に関する決定は、COP-6に延期された。 (訳注:附属書A:水銀添加製品|水銀に関する水俣条約 20頁(和文)/環境省) 「歯科用アマルガム」を水銀添加製品の新たな項目として追加し、段階的廃止を2030年とする第一部の改正案に関する決定も、COP-6に延期された。IPENは、歯科用アマルガムに対する政府の支援を廃止し、段階的廃止を 2030年とするアフリカ地域の提案を支持し、COPがこれらの改正を採択することを奨励する。 免除 第6条第6項は、締約国会議は、締約国の要請に基づき、当該締約国がより短い期間を要請しない限り、5年間の免除の延長を決定できると規定している。同項は、免除の延長は、製品及び段階的廃止日ごとに 1回のみとすることができると規定している。 アルゼンチン、バングラデシュ、ボツワナ、カナダ、中国、エスワティニ(訳注:アフリカ大陸南部に位置する絶対君主制国家)、ガーナ、インド、イラン・イスラム共和国、レソト、マダガスカル、ペルー、タイは、附属書A に記載されている一部の水銀添加製品について、既に免除を登録している。附属書A の登録免除はすべて2025年に失効する。 (訳注:附属書A:水銀添加製品|水銀に関する水俣条約 20頁(和文)/環境省) アルゼンチン、ガーナ、インド、イラン、ペルー、米国は、附属書B に記載されている、水銀または水銀化合物が使用される一部製造工程について免除を登録した。附属書B については、アセトアルデヒド製造の免除は 2023年に失効し、塩素アルカリ製造の免除は2030年に失効する。 (訳注:附属書B:水銀又は水銀化合物を使用する製造工程|水銀に関する水俣条約 22頁(和文)/環境省) 2025年7月、タイはCOPに対し、スイッチ及びリレー、コンパクト蛍光灯、直管蛍光灯、冷陰極蛍光灯及び外部電極蛍光灯、高圧水銀蒸気ランプ、並びに非電子計測機器に関する免除の拡大を要請した(UNEP/MC/COP.6/INF/42参照)。IPENは、これらの製品はすべて代替品が市販されているため、免除の延長を認めるべきではないという立場をとっている。 脚注1 ttps://eia.org/report/traffickers-leave-no-stone-unturned/ 脚注2 https://minamataconvention.org/en/documents/gender-action-plan |