IPEN プレスリリース 2011年10月31日
条約会議参加代表者ら
水銀の真のコストへの対応に取り組む

高い金価格と児童労働及び汚染サイト

情報源:For Immediate Release, 31 October 2011
IPEN, Indigenous Environmental Network, California Indian Environmental Alliance, International Indian Treaty Council
UN Delegates Struggle with the True Cost of Mercury
High gold prices vs. child labor and toxic contaminated sites

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma (Citizens Against Chemicals Pollution (CACP))
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年11月15日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/IPEN/INC3/IPEN_Release111031_INC3_jp.html


【2011年10月31日 ナイロビ、ケニア】 120ヶ国以上の政府代表者らは、世界水銀条約を協議するための会合の初日に、金採鉱の真のコストを認識し始めている。

 議論は小規模金採鉱に焦点を合わせたが、それはそれが水銀の最大の意図的用途であるからあである。

 政府代表者らは、小規模金採鉱の水銀管理と経済的利益について討論したが、市民社会組織の代表者らと先住民族の人々がチョコレートの金貨付きポスト・カードをを配付して、”金の真のコストはか?”を問うた。そのカードは、アフリカでは18歳未満の子どもが小規模金採鉱の全体労働力の30%-50%を占めるかもしれないとする国際労働機関(ILO)のデータを引用している。

 ”貧しいコミュニティでの金採鉱は金取引業者には甘いけれども、子どもたちには苦い”とインドネシア・トクシック・フリー・ネットワーク及びIPENのユーユン・イスマワティは述べた。”金の価格は、脳の損傷、汚染されたコミュニティ、そして児童労働の影響のコストと見合わない”。

 ILOは最近、子どもたちにとって危険な職場のひとつであるとみなされてい作業場や採鉱現場で働いている約1億1,100万人の子どもたちを特定した報告書を発表した。働いている子どもたちの半分以上は重大な水銀中毒症であると臨床的に診断されている(脚注1)。

 水銀は、脳と腎臓を永久に損傷し、母親が曝露してから」数ヵ月後でも胎児の発達に影響を与えることが示されている。小規模金採鉱における大量の水銀使用は、女性と子どもたちの深刻な健康懸念に関連している。

 ”条約は、採鉱コミュニティにおける、特に女性と子どもたちへの危害に目を向けた公衆健康戦略を必要とする”と、IPEN共同議長のマニー・カロンゾは述べた。このことは、採鉱が残した有害な残骸を浄化することを含む”。

 小規模金採鉱はまた、達成できる最高の健康基準に対する子どもの権利を奉じ、経済的搾取及び危険とみなされる作業から保護される権利を認める’児童の権利に関する条約’(脚注2)を含んで、人権に関する他の国連条約の侵害についての懸念を提起する。

 ”政府代表者らは、水銀条約が子どもたちを経済的奴隷制度から守ルことを確実にし、健康な未来を似たいする彼等の権利を確実にする熱意を見つけなくてはならない”と世界先住民幹部会(Global Indigenous Peoples' Caucus)のメンバーであり、先住民環境ネットワークのディレクターであるトム BK ゴールドトゥースは述べた。ナイロビ会議における先住民族の人々は、人の活動に由来する水銀汚染の人権の側面を認める強い条約の文言の必要性を掲げている。

 今週の会議は、条約署名のための2013年の外交会議を頂点とするその前の5回の会議のうちの第3回目の政府間交渉会議である。交渉は国連環境計画(UNEP)によって主催されている(脚注3)。さらなる水銀についての情報は、下記のウェブサイトを参照ください。
http://www.ipen.org/ipenweb/documents/book/ipen%20mercury%20booklet_s.pdf


脚注: 1 International Programme on the Elimination of Child Labour (IPEC), ILO. (2011). Children in hazardous work What we know, What we need to do.
2 http://www.unicef.org/crc/
3 http://www.unep.org/hazardoussubstances/Mercury/tabid/434/Default.aspx

  • IPENは、有害物質のない将来のために、109カ国で活動する700以上の健康と環境に関わる団体のネットワークである。
    http://ipen.org/hgfree/home/

  • 先住民環境ネットワーク(Indigenous Environmental Network)は、環境・経済正義のために活動する先住民族の国際的ネットワークである。
    http://www.ienearth.org/
  • カリフォルニア・インディアン環境連合(California Indian Environmental Alliance)は、採鉱汚染と汚染サイトに目を向ける先住民活動グループである。
    http://www.cieaweb.org/
  • 国際インディアン条約協議会(International Indian Treaty Council)は、先住民の権利と認知のために活動する先住民の国際的なネットワークである。
    http://www.treatycouncil.org/
連絡先:
  • Manny Calonzo, IPEN co-chair +63 922 8286343
  • Yuyun Ismawati, Indonesia Toxics Free Network, IPEN lead for ASGM +44 75 83 76 87 07
  • Tom BK Goldtooth, Indigenous Environmental Network, Member of the Global Indigenous Peoples Caucus, +254 0706 045 451


化学物質問題市民研究会
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