UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/3 2012年10月11日
水銀に関する法的拘束力のある国際的文書への
議長のドラフト・テキスト

水銀に関する法的拘束力のある協定書に関する政府間交渉委員会第5回会合(INC5)
2013年1月13日(日)〜1月18日(金) ジュネーブ(スイス)

情報源:UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/3, 11 October 2012
Draft text for a global legally binding instrument on mercury
Chair's draft text
Intergovernmental negotiating committee to prepare a global legally binding instrument
on mercury Fifth session
Geneva, 13. 18 January 2013
http://new.unep.org/hazardoussubstances/Portals/9/Mercury/
Documents/INC5/5_3_text_Advance.pdf


訳:安間武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載:2012年11月11日
更新:2012年11月19日

このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC5/INC5_Chair's_draft_text_advanced.html

事務局による覚書 (12/11/11)
付属書T
議長の水銀に関する法的拘束力のある国際的文書への注釈 (12/11/11)
付属書U
A 序文 (12/11/11)
B はじめに (12/11/13)
1. 目的 (12/11/13)
 [1 bis. 他の国際協定との関係] (12/11/13)
 2. 定義 (12/11/13)
C 供給と貿易 (12/11/13)
 3. 水銀供給源と貿易 (12/11/13)
E 製品とプロセス (12/11/13)
 6. 水銀添加製品 (12/11/13)
 7. 水銀が使用される製造プロセス (12/11/13)
 8.要求に基づく締約国に利用可能な免除 (12/11/13)
 [8 bis.途上国の特別の事情] (12/11/13)
F 人力小規模金採鉱 (12/11/13)
 9. 人力小規模金採鉱 (12/11/13)
G 排出と放出 (12/11/14)
 10. 排出 (12/11/14)
 11. 放出 (12/11/14)
H 保管、廃棄物、汚染サイト (12/11/14)
 12. 廃棄水銀以外の水銀の環境的に適切な暫定的保管 (12/11/14)
 13. 水銀廃棄物 (12/11/14)
 14. 汚染サイト (12/11/14)
I 財源と技術的及び実施援助 (12/11/18)
 15. 財源とメカニズム (12/11/18)
 16. 技術的援助[と能力構築]
 16 bis. 技術移転 (12/11/18)
 17. [実施]・[遵守]・[実施及び遵守]委員会 (12/11/18)
J 意識向上、研究と監視、情報伝達 (12/11/19)
 18. 情報伝達 (12/11/19)
 19. 広報、意識向上、教育 (12/11/19)
 20. 研究、開発、監視 (12/11/19)
 20 bis. 健康面 (12/11/19)
 21. 実施計画 (12/11/19)
 22. 報告 (12/11/19)
 23. 効果の評価 (12/11/19)
K. 事務的取り決め
 24. 締約国会議
 25. 事務局
 25 bis. 専門家組織
L 紛争解決
 26. 紛争解決
M 条約の更なる展開
 27. 条約の改正
 28. 付属書の採択と改正
N 最終的条項
 29. 投票の権利
 30. 署名
 31. 批准、受諾、承認又は同意
 32. 発効
 33. 留保
 34. 脱退
 35. 寄託
 36. 正文
付属書 C 水銀添加製品 (12/11/14)
付属書 D 水銀又は水銀化合物が使用されている製造プロセス (12/11/14)
付属書 E 人力小規模金採鉱 (12/11/14)
付属書 F 水銀及び水銀化合物の大気排出源のリスト (12/11/14)
付属書 G 水及び陸地への水銀放出源 (12/11/14)
付属書 J. 仲裁と調停


事務局による覚書

  1. 2012年6月27日〜7月2日に、プンタデルエステ、ウルグアイで開催された第4回会合において、水銀に関する法的拘束力のある国際的文書を準備するための政府間交渉委員会は、委員会議長に対して、委員会による第5回会合での検討用に、決議25/5の中で国連環境計画管理理事会により要求されている水銀に関する法的拘束力のある国際的文書のための議長のドラフトを準備するよう求めた。ドラフトの中で議長は、第4回会合の間に参加国により支持された意見のいくつかの間にある相違を埋める努力をして妥協のテキストを提案するであろう。彼はまた、形式と用語を調和させドラフト協定書中で編集上の一貫性を追求するであろう。

  2. 事務局は、本覚書の付属書Uに議長により準備されるドラフト・テキストを入れる光栄を浴するものである。ドラフトの前書きとして、議長は本覚書の付属書Tに注釈を述べた。

付属書T

議長の水銀に関する法的拘束力のある国際的文書への注釈
背景

1. 政府間交渉委員会により第4回会合で水銀に関する法的拘束力のある国際的文書を準備するよう求められたので、私は、委員会第5回会合での検討用の議長ドラフト・テキストを準備するために、会合の報告書(UNEP(DTIE)/Hg/INC.4/8, annex I) (以降、”第4回会合ドラフト・テキスト”と呼ぶ)に添付されたドラフト条約テキストと報告書そのものをレビューし、また委員会の前回の会合における議論はもちろん、コンタクト・グループ共同議長及び他の利害関係者との協議を参考にした。私のドラフト・テキストは本協定書の付属書Uで述べられている。

2. 本付属書Tで私は注釈を述べるが、その目的は第4回会合ドラフト・テキストに私が行なった変更及びそれらの変更の理由を説明することである。私はまた、2013年1月13日から18日までジュネーブで開催される第5回会合で最終テキストを首尾よく策定する上で重要となるであろうと私が信じる論点に光をあてた。

3. さらに私のドラフト・テキストを読む皆さんに役立てるために、私はこの注釈の付属書に私が行なったそれぞれの条項及び付属書をリストする表を含めた。

テキストの一般的説明

4. テキスト中で、私は前回会合で使用した条項及び付属書の番号(付属書の場合には文字)を保持した。このことは、第4回会合テキストにあった条項及び付属書を私が省略した場合には番号に抜けがあるということを意味する。しかし、各条項及び付属書の中の節(項目)番号は連続している。私は参照を容易にするために、内容を示す表をつけた。

変更がなかった条項

5. 私は、序文、第8条bis(途上国の特別の事情)、第14条(汚染サイト)、第16条bis. (技術移転)、第20条bis(健康面)、第21条(実施計画)、第26条(紛争解決)、第28条(付属書の採択と改正)、第29条(投票の権利)、第30条(署名)、第31条(批准、受諾、承認又は同意)、第35条(寄託)、第36条(正文)、付属書 J (仲裁と調停)についてはどのような変更もしなかった。

6. これらの変更しなかった条項のいくつかは第4回会合で提案されたが、詳細には検討されなかった。そのような条項のひとつは第20条bisであり、文書 UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/5 で議論されているように、事務局がWHOと協議して行なう会合間作業の対象となった。もうひとつのそのような条項は第16条bisであり、我々は第16条(技術的援助[と能力構築])と一緒に検討したが、広範には議論しなかった。

7. いくつかの条項は、解決されなかった政策問題(policy issues)を提起している。それらは第8条bis(途上国の特別の事情)、第14条(汚染サイト)、第21条(実施計画)、第31条(批准、受諾、承認又は同意)である。

8. これまでの我々の討議の中で、我々は序文を検討する機会がなかった。私は、全ての参加国が序文に関して公式のインプットを提供しているわけではないこと、そして多くの国がそのようにしたいと望んでいることを示したと認識している。このことを考慮して、私は新たなテキストを提案せず、その代わり第4回会合終了時点のテキストをそのまま含めた。この部分は第5回会合の間に最初から討議する必要があるであろう。そのような討議は、現在示されているテキストを採用することができるかどうかを含むであろうし、もちろん、ドラフト協定書の他の部分で提起されている問題を反映するための追加的文書を統合するかもしれない。

9. この協定書の他の部分に関連する問題の決まり方次第で参照を含む条項がいくつかある。これらの条項は総会で議論される必要はないかもしれないが、それらの問題の決まり方次第でそれらに重大な変更があることを留意する必要がある。例えば、第30条(署名)は全権大使会議の日時と場所が決定されるときに最終決定でき、第28条(付属書の採択と改正)は第27条(条約の改正)及び第31条(批准、受諾、承認又は同意)に関して合意に達した時に最終決定することができる。

10. 最後に、ドラフト協定書の中で、カッコが付いておらず、リーガル・グループによりレビューされている条項がある。これらには、第26条(紛争解決)、第29条(投票の権利)、第35条(寄託)、第36条(正文)、付属書 J (仲裁と調停)がある。私はこれらの条項に変更を加えなかった。

主要な編集上の変更

11. 私は、ドラフト・テキストを通じて多くの条項に小さな編集上の変更を行なった。”小さな編集上の変更”とは、形式、用語、又は体裁の不統一の修正を意味する。例えば、Party(締約国)、 Parties(締約国(複数)) 、Depositary(保管所)、 Convention(条約)、 Secretariat(事務局)などが使用されている場合には、それらは大文字で始め、条約の特定の条項がテキスト中で参照されている場合には、採用された形式は “article” を大文字で始める(例えば Article 6)こととした。他の場合には、私は用語使用の一貫性を保ち、文法又は構成を修正し、あるいは、“paragraph X(第X項)” 又は “Article Y(第Y条)”のように条約の部分を参照するときに使用される形式を調整した。

12. 私は、これらの変更がテキストの意味又はその意図を変えることを意図しておらず、私がそのようにしたかどうかにかかわらず、どのような問題も会合間の期間に私の注意を引くことができることを確信している。

何らかの説明が必要な変更

13. 下記は、変更に何らかの説明が必要な条項又は付属書である。

第1条:目的

14. 条約の中心的目標を規定する水銀協定書の目的について短い記述を作成した。私は、協定書を支える主要な原則は序文に述べられるべきこと、及び、協定書の下にどのように作業が実行されるべきかはその実質的な条項の中に含まれるべきこととする考えに基づいて、目的のテキストをこの短い記述に制限した。私のテキスト中に示されたこの短い記述は、この協定書の我々の意図を最も十分によく表現していると、私は信じている。

第1条bis:他の国際協定との関係

15. 私は第1項及び2項に小さな変更を加えた。私はまた、前回は第6条(水銀添加製品)で提案されていた項目をこの条項の第3項に移動したが、それは一般的な応用であり製品に限定されるものではないからである。

第2条:定義

16. 以前にそれが作られた時にこの提案に反対があったために取り消し線が示されていたテキストを私は削除した。最良の技術及び最良の環境的慣行の定義に関してリーガルグループによって提起された疑問に対応した結果、カッコが外れた文書になった提案を含めた。私はまた、”水銀化合物”及び”許容される用途(uses allowed)”のため単純化した定義を提案した。

第3条:供給と貿易

17. 我々の第4回会合でコンタクト・グループにより生成されたテキストは同グループの討議の間に示された全ての政策的見解を反映しているが、同グループが文書を推敲することは不可能であった。したがって、そこに示されている主要な政策的見解を把握することを追求し、私の文書ではもっと焦点を絞り込んだ文書とした。この条項は、些細な数を除外し、条項の目的のための水銀と水銀化合物の定義に関する項目を含む。同条項は次に、一次水銀採鉱、一次採鉱からの水銀の管理、他の供給源からの水銀、輸出、輸入、及び報告と続く。同じような見解が参加国により提案された多くの代案項目の中に示されている場合には、私はそれらを統合した。私はまた、いくつかの詳細、特に輸入と輸出に関連するものを削除したが、残っているテキストは、政策原則を保持しており、締約国会議が経験に基づいてもし望むなら、いくつかの面に関してさらに推敲することを可能とし、第8項中で影響を及ぼす特定の条項を通じてこれを考慮に入れてきたと信じる。私はまた、いくつかの概念を以前の在庫に関する第4条から第3条に導入した。したがって私は条約の見出しを、現在の”水銀供給源と貿易”と変更した。

第4条:在庫

18. 第4条は我々の第4回会合で提案されたが、議論されなかった。第3条と一緒に第4条をレビューして、私は備蓄に関連する重要な概念は、供給と貿易に関連する第3条の条項でとらえることができると結論付けた。したがって私は、第4条を第3条に統合し、第4条は私のテキストから外した。

第6条:水銀添加製品

19. 私がフォローした第6条及び7条のための原則は、両方ともそのような製品とプロセスを特定しリストするための措置とともに、廃止と制限の対象とされるべき製品とプロセスを特定することである。そのような製品の製造又はプロセス中での水銀使用からの環境的汚染に関連する問題は第10条及び11条で扱われており、廃棄物の関連する問題は第13条で扱われている。

20. 我々の第4回会合の結果を利用して、私は製品の廃止に絞り込むことを目的に第6条に取り組んだ。私は、いくつかの条項を意味を明確にするために編集し、他には受動的な義務を能動的な義務に変更し、明瞭なテキストにするために我々の第4回会合の報告書に添付されているドラフト協定書中の脚注に対応した。この条項中には多くの相互参照(クロス・リファレンス)があり、それらには、免除に関する第8条、報告書に関する第22条、及び付属書の改正に関する第28条へのものを含む。そのような相互参照はこれらの条項によりカバーされるプロセスを記述する広範なテキストの必要性を制限する。この付属書の中で見直しとリストのためのプロセスに関する私の提案するテキストは、締約国又は締約国会議によって主催される見直しに提供され、条約の動的で発展的な概念と矛盾しないであろう。

21. 私は、我々の第4回会合における製品とプロセスに関するコンタクト・グループでの議論のひとつの結果は、第4回会合ドラフト・テキストの付属書C のパートVにリストされている製品は、第6条の第3項の下に確立されるべき登録に反映されるであろうということに留意する。私は、将来のガイダンスを提供できるようにするために、この理解が我々の第5回会合の報告書に反映されるべきであると信じる。

22. 私が認識しているいくつかの議論を生成したひとつの問題は歯科アマルガムである。私はドラフト・テキストの中で新しいアプローチを提案しているが、その提案は、第6条の新しい第2項の下に締約国が制限することを義務付けられるであろう製品をリストしている。これは、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の下でのDDTへのアプローチに似ており、歯科アマルガムの継続的な使用は認めるが、それを削減し管理する措置を含めることを意味する。歯科アマルガムをこの付属書の中だけで明示的に参照することにより、それはこの領域での進捗を考慮に入れるために条約を修正する必要性を回避している。私は、歯科アマルガムに関する議論を継続することに対応する最善のアプローチであると信じる。私はまた、除外のために提案されている個々のカテゴリーをもっと密接に特定の製品と連携させることができるようにするために、付属書の中で扱われることを提案する。

23. 第6条中で示されている概念と付属書Cに含まれるリストされたものとの間の密接な関連性に基き、私は利害関係者が私のテキストのこれら二つのの部分を一緒にして読むよう助言する。

付属書C:水銀添加製品

24. 付属書Cへの変更は、第6条の第2項の規定に従い制限されるべき製品のための付属書のパートUの導入を含んで、第6条への変更により必要とさせられたもの含む。私は、第4回会合の報告書に反映されているように第4回会合での議論に基きパートTのリストにつけた廃止の日付とともに、このリストは締め切られたもの又は決定的なものとみされるべきではないという注釈を入れた。私は、締約国と産業のためにもっと確実なことを提供するために廃止期日を設定するよう提案している。

第7条:水銀が使用される製造プロセス

25. この条項中の多くはテキストを単純化する編集上の変更であり、その他はこの条項を適切なら第6条に合わせるものである。私はまた、いくつかの政策的提案を反映するテキストを含めた。これらは、第7条の新たな第3項の下に締約国が制限することを義務付けられるであろうプロセスをリストしている付属書Dの中の新たなパートTを含む。このアプローチは第6条と付属書Cについて上述されたものに似ており、条項の中ではなく付属書で明示的に述べられている塩ビモノマー(VCM)製造がその結果である。このアプローチで私が狙うことはVCMは何らかの経済上の役割を認めて分離して扱われるべきとする考えを保持することである。

26. 私はまた、水銀を使用する施設からの排出と放出の削減に関する言い回しを単純にし、排出と放出に関する条項と水銀を使用するプロセスを採用する施設の特定の明確な関連付けを確立するテキストを挿入した。私は第4回会合ドラフト・テキストから新たな施設のために二つのオプションを保持した。付属書Dの修正に関する項目のために、第6条のためのものと類似しており、発効後この付属書の最初のレビューのための時間枠を確立することはもちろん、修正のための締約国提案のオプションを明示的に許すテキストを私は含めた。

付属書D:水銀又は水銀化合物が使用されている製造プロセス

27. 付属書Dの変更は、第7条の第3項の規定にしたがい、削減されるべきプロセスのための付属書のパートUの導入を含んで、第7条の変更により必要となったものを含む。私は、会合の報告書(UNEP(DTIE)/Hg/INC.4/8, annex I) に反映されているように、我々の第4回会合における議論を参照するリストを含む。私はまた、廃止期日の設定の使用を提案した。

第8条:免除

28. 第4回ドラフト・テキストは、水銀協定書の初期のドラフトからそのまま引き継がれた免除に関する二つのオプションを含む。これらのうちの二番目のものは、文書 UNEP(DTIE)/Hg/INC.4/3に示されるドラフト協定書の第6条(水銀添加製品)のオプション4によって十分に検討される製品とプロセスのための管理措置に関連して規定される。我々の第4回会合で創設された製品とプロセスに関するコンタクト・グループは、第6条及び第7条のために生成されたドラフト・テキストからオプション4を外すことを選んだ。したがって第6条のオプション4はもはや検討の対象ではないので、私は第8条の二番目のオプションを私のテキストに入れることはしなかった。さらに、第8条の残りのオプション中のある要素は第6条と7条のために”ネガティブリスト”アプローチを反映していた。しかし、ネガティブリストアプローチは、我々の第4回会合において製品とプロセスに関するコンタクト・グループにより作成された会議室メモ(conference room paper)の中で規定されたドラフト・テキストには入っていないので(UNEP(DTIE)/Hg.INC.4/8, annex II)、私はこれらの要素もまた除外した。

29. 第6条及び第7条の方向性を反映するために、第8条の焦点は廃止期日の免除に当てられる。免除の見直しと期限の延長に関しては、第4回会合ドラフト・テキスト中のオプション1からの政治的要素を含めることを意図しているもっと簡潔な言い回しを私は提案した。私はどこの国も免除のために登録がなされないときに何が起きるのかに関連する項目、又はその条項の新たな記述の中でこれらの条項は求められていないので、許容できる用途を定義する項目を含めた。私は条項の見出しを”要求次第、締約国に利用可能な免除”と変更した。

第9条:人力小規模金採鉱

30. ”処理(processing)”という用語の定義及び締約国が事務局に報告するタイミングに関連して、多くの疑問がリーガル・グループにより提起された。第1項は、テキストが処理に関連して同グループの意図を反映していることに私は満足している。第3項で、私は締約国が事務局に報告すべき場合を明確にするよう言い回しを修正した。

31. 第4回会合のドラフト・テキストの第5項は、人力小規模金採鉱のための水銀の輸入に関する多くのオプションを含んでいた。私は、これらのオプションの主要な意図と要素をとらえたと私が信じる単一の項目を提示した。私は、それが進捗のために適切なベースを与えることを希望する。その項目は、とりわけ、水銀協定の下で許容される用途のためにのみ、輸入又は輸出してもよいことを明示的に規定している第3条(水銀供給源と貿易)と関連して読まれるべきである。第9条は、人力小規模金採鉱を行なっている締約国がその国家行動計画の実施における進捗状況を報告するという要求を含む使用の条件を規定している。私は、第3条に人力小規模金採鉱への追加的参照を行なう必要はないと信じる。

32. 第6項は、財源と技術的及び実施援助の必要性を参照している。私はこの項目を変更せずに、そのまま残した。しかし私は、この協定書の全てを通じて、これ及び他のトピックスに関連する財源と技術的及び実施援助に関連する項目は、第15条及び16条に関する協議が終了したら、改めてもう一度、目が向けられるかもしれない。

第10条:大気排出、第11条:陸と水への放出

33. 私は、第10条及び11条のための私の提案するテキストを、我々の第4回会合で設立された排出と放出に関するコンタクト・グループの共同議長によって準備された同グループの作業に関する報告書(UNEP(DTIE)/Hg.INC.4/8, annex II)に示される資料に基いて作成した。両方の条項について、そのアプローチは広範な発生源カテゴリーからの排出と放出を一般的に扱うことである。

34. 簡単に説明するために、私は、私のドラフト・テキストの中に、大気への潜在的な排出源(すなわち、付属書Fにリストされる排出源)と陸及び水への潜在的な放出源(すなわち付属書Gにリストされる放出源)に関連する規定を含む二つの分離した条項を示した。

35. 私は、排出と放出の両方をカバーする単一の条項の提案があることに触れたい。現段階においてこの政策決定は交渉委員会によりなされていないので、私のテキストでは、私は排出と放出に関する規定を分離した条項に示すことを選択した。このことは、この問題のどちらかひとつを目立たせることを意図するものではないし、もちろん交渉委員会がそのように選択して、二つの条項を統合することを排除するものでもない。

36. 全ての潜在的な排出及び放出源に等しく適用するために、初期評価、監視、及び報告に関連する規定案が準備されている。

37. 排出と放出のための本質的な管理措置に関連する規定は全く同一である。交渉委員会は全く同一の又は異なる規定を採択するかどうか検討したいと望むかもしれない。管理措置への可能性あるアプローチに関し、これは我々の第5回会合において政策的選択がなされるべきものとして残っている領域のひとつである。私は、二つの条項の双方について第4回会合で発表されたオプションの主要な要素を私のテキストの中で提示した。私は前回の見出しを簡略化して、”排出”と”放出”と変更した。

付属書F:排出

38. 私は、付属書Fにおける記載項目を、我々の第4回会合で検討されたもの、特に非鉄金属を、以前に提案されていたものよりもっと細かく分離して修正した。私は、コンタクト・グループによって付けられていたマンガン、鉄と鋼、ガス製造/処理施設のカッコはそのまま残した。第6条(水銀添加製品)の修正及び製造プロセスからの排出のための全ての管理措置を削除する結果となった第7条(水銀が使用される製造プロセス)の修正に従い、そして付属書Gの記載項目と調和して、私は付属書Fに二つの追加的な排出源を含めた。これらは水銀添加製品の製造プロセスと付属書Dにリストされている水銀を使用している製造プロセスである。私は、この付属書の見出しを”水銀及び水銀化合物の大気排出源のリスト”と変更した。

付属書G:放出

39. 私は、付属書Gにおける記載項目を少し修正した。これらは、第13条(水銀廃棄物)でなされた進展を反映している。付属書Gにおける以前の記載項目のうち二つが現在、廃棄処理の概念でカバーされており、したがって第13条の対象であり、それは、リサイクル、回収と安定化を含む水銀廃棄物の環境的に適切な管理を求めるであろう。私は、見出しを”水及び陸地への水銀放出源”と変更した。

第12条:保管

40. 私は、第4回会合の最後まで残っており、第4回会合ドラフト・テキストに反映されているアプローチのひとつの相違は、締約国会議が環境的に適切な保管に関する要求を追加的な付属書の形で採択すべきか、又はガイダンスの形で採択すべきかであるかということに関連することに留意する。両方のオプションは、考慮されるべき”有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約”の下に適切なガイドラインを求めている。

41. 私は、第12条(保管)と第13条(水銀廃棄物)の両方に同じようなアプローチ、すなわち、締約国は、適切なガイダンスを考慮する措置をとり、締約国会議が追加的な付属書の中に採択するかもしれないどのような要求にも従うということを提案している。私は、これが全ての立場を保持するひとつのアプローチであると信じる。私は、見出しを”廃棄水銀以外の水銀の環境的に適切な暫定的保管”と変更した。

第13条:水銀廃棄物

42. 第13条は、今までの政府間会合で広範に検討され、またリーガルグープにも検討された条項である。私はリーガルグループにより提起された疑問に対応して、明確にするためにいくつかの修正を行なった。

43. 第1項の意図は、水銀に特有の廃棄物問題についてバーゼル条約の下における定義の使用を確立することである。第2項は、水銀協定の下に水銀廃棄物に関連する特有の定義を確立する。これらはバーゼル条約の下における有害廃棄物としての水銀の一般的定義への補足として含まれる。私は第3項を読みやすすくするために編集し、また環境的に適切な廃棄物管理を確実にするという意図をとらえるためのテキストを提案する。

44. 私は、バーゼル条約の非締約国間の貿易に関連する問題を解決し、したがってカッコつきのテキストを置き換えるためのテキスト提案を作成しなかった。私は見出しを”水銀廃棄物”と変更した。

第15条:財源とメカニズム

45. 我々の第4回会合における豊富な討議は、表明された広範な見解を反映した財源に関する条項に結果をもたらした。テキストを準備するにあたり私は、我々の第5回会合における交渉のベースとなるもっと明確でもっと簡潔なテキストを提示しつつ、討議の間に明確に表現された全ての主要な政策要求を含めるために様々な提案を統合し編集しようと試みた。

46. 第15条は、条約の実施を成功させるために能力向上と資金的及び技術的援助が重要であるという国連環境計画管理理事会決議 25/5 から引用されたひとつの認識から始まる。次に全ての締約国は、国家レベルでとられる活動により水銀協定実施の成功に寄与するであろうことを認める。この条項は、資金メカニズムを確立し、次に基金は締約国会議によって合意された活動に提供される。次に、基金とそのメカニズムを運営する実体又は実体(複数)を含めることに関する選択を示す。これは、我々の第5回会合で決定されるべきものとして残されている政策選択の中のひとつなので、私は我々の第4回会合で示されたオプションの全ての主要な要素を保持した。しかし議論を促進するために、私はもっと簡潔にするよう提案を編集した。その後で、この条項は、締約国会議による基金のレベルと資金メカニズムの有効性のレビューのためのプロセスを確立し、最後に資金メカニズムへの貢献のベースを示している。

47. 私は、計画されている日本での外交官会議における水銀協定の署名とその発効との間の暫定期間のための資金提供は、条約のテキスト中ではカバーすることはできず、外交官会議で採択されるべき決議によってカバーされる必要があるかもしれない。私は、第4回会合の最後に我々の要求に基いて事務局により準備された決議案に皆さんの注意を向けたい。それらは文書 UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/6 に示されている。私は第15条の見出しを”財源とメカニズム”と変更した。

第16条:技術的援助と能力構築

48. 我々の第4回会合の最後までに作成されたこの条項のテキストの中に、二つの序文的な項目があった。これらの項目の実体は第15条中のひとつの項目に反映されており、また参加国がどのような序文に同意するかによってその序文中にも反映されるかもしれないので、これらの項目を私のテキストの中に入れなかった。

49. 第1項で、私は第15条への関連を提案する。私は、第4回会合ドラフト・テキストの技術援助と技術移転の規定に関連するオプションを保持した。第2項で、私はいかににそのような援助が提供されるのかを示すテキストを提案したが、第3項に私は、これについて締約国会議により提供されるさらなるガイダンスのためのオプションんを含めた。私は、”能力構築”にカッコを当面つけることを提案した。

訳注:以降、議長注釈の第50項(第23条:効果の評価)から第56項(最終項/第34条脱退)は省略。

付属書U

A 序文


 この条約の締約国は、

 [環境と開発に関するリオ宣言、特に原則 6(訳注:環境の影響を最も受け易い国の特別な状況及び必要性への特別の優先度)、 7(訳注:共通のしかし差異のある責任)、15 (訳注:予防的方策)及び 16 (訳注:汚染者負担の原則)(訳注1訳注2)を再確認しつつ、

訳注1:リオ原則10:情報へのアクセス;リオ原則13:汚染の被害者とその他の環境ダメージのための補償 を含めること−が明示されていない。

第 10 原則
環境問題は、それぞれのレベルで、関心のある全ての市民が参加することにより最も適切に扱われる。国内レベルでは、各個人が、有害物質や地域社会における活動の情報を含め、公共機関が有している環境関連情報を適切に入手し、そして、意志決定過程に参加する機会を有しなくてはならない。各国は、情報を広く行き渡らせることにより、国民の啓発と参加を促進しかつ奨励しなくてはならない。賠償、救済を含む司法及び行政手続きへの効果的なアクセスが与えられなければならない。

第 13 原則
各国は、汚染及びその他の環境悪化の被害者への責任及び賠償に関する国内法を策定しなくてはならない。更に、各国は、迅速かつより確固とした方法で、自国の管轄あるいは支配下における活動により、管轄外の地域に及ぼされた環境悪化の影響に対する責任及び賠償に関する国際法を、更に発展させるべく協力しなくてはならない。


 水銀の不適切な取扱いに関連する環境及び人の健康問題に目を向ける共通だが差異ある責任の重要性を認めつつ、

 また、水銀の不適切な取扱いは環境及び人の健康に有害影響を及ぼしていること、及び、十分で予測可能で適切な財源の確保と開発途上国及び移行経済国への技術移転による国際協力が彼等がこの条約における彼等の義務を確実に果たすために極めて重要であることを認めつつ、

 追加的財源の提供を含んで、開発途上国及び移行経済国の必要を満たすための特別の措置を採用すべき緊急の必要を再確認しつつ、

 開発途上国及び移行経済国の必要と優先事項に対応するために時宜を得た十分な技術協力と技術移転の提供が、この条約の効果的な実施のために必要であるということを再確認しつつ、

 全ての締約国によるこの条約の規定の実施のための十分な基金の確保を規定することが重要であることを再確認しつつ、

 この条約の条項を順守することに関連して、技術移転によることを含んで開発途上国の能力構築と要求を支援するために、先進国からの寄付により財政的メカニズムが資金調達されなくてはならないことに同意しつつ、]

 水銀により引き起こされるダメージから人の健康と環境を守るための締約国の義務を考慮しつつ、そして水銀管理に関して締約国と協力し、保健分野での水銀の使用を徐々に削減することを促進する世界保健機関の活動を認めつつ、

 水銀の適切な取扱いに関する有害影響に関連して人の健康の保護に関する世界保健機関の活動と、水銀廃棄物の国境を越える移動及びそれらの最終的処分に関連して有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の役割、及びその両方の寄与がこの条約の条項の目的を達成し、その条項を適用するために考慮されなくてはならないことを認めつつ、

 また、人力小規模金採鉱における水銀使用の削減に関連してこの条約で意図されている措置と、ミレニアム開発目標及びリオ原則 5と6 (訳注2)に従い、国家及び世界レベルでの極端な貧困と飢餓の撲滅に向けた政策と行動の相乗効果が根底にあることを認めつつ、]

次のように合意した。

訳注2

第 5 原則
 すべての国及びすべての国民は、生活水準の格差を減少し、世界の大部分の人々の必要性をより良く充たすため、持続可能な開発に必要不可欠なものとして、貧困の撲滅という重要な課題において協力しなければならない。

第 6 原則
 開発途上国、特に最貧国及び環境の影響を最も受け易い国の特別な状況及び必要性に対して、特別の優先度が与えられなければならない。環境と開発における国際的行動は、全ての国の利益と必要性にも取り組むべきである。

第 7 原則
 各国は、地球の生態系の健全性及び完全性を、保全、保護及び修復するグローバル・パートナーシップの精神に則り、協力しなければならない。地球環境の悪化への異なった寄与という観点から、各国は共通のしかし差異のある責任を有する。先進諸国は、彼等の社会が地球環境へかけている圧力及び彼等の支配している技術及び財源の観点から、持続可能な開発の国際的な追及において有している義務を認識する。

第 15 原則
 環境を保護するため、予防的方策は、各国により、その能力に応じて広く適用されなければならない。深刻な、あるいは不可逆的な被害のおそれがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が、環境悪化を防止するための費用対効果の大きい対策を延期する理由として使われてはならない。

第 16 原則
 国の機関は、汚染者が原則として汚染による費用を負担するとの方策を考慮しつつ、また、公益に適切に配慮し、国際的な貿易及び投資を歪めることなく、環境費用の内部化と経済的手段の使用の促進に努めるべきである。



B はじめに
第1条 目的

 この条約の目的は、人の活動に由来する水銀及び水銀化合物の放出から、人の健康と環境を守ることである。

第1条 bis. 他の国際協定との関係
  1. この条約の条項は、どのような既存の国際的合意に由来するどのような締約国の権利と義務にも影響を与えてはならない。
    訳注:WTOの異議申し立てを助長し、水銀条約の供給と貿易条項に影響を与える恐れがあり、ストックホルム条約においても同様な文言は拒否された。

  2. この条約は、第1条に規定されるその目的と矛盾しない他の関連する国際的協定と相互に支えあうやり方で実施されなくてはならない。

  3. この条項の何ものも、締約国が水銀への曝露から人の健康と環境を守るための取り組みにおける追加的な要求を課すことを妨げてはならない。

第2条 定義

 この条約にとって:

(a) ”人力小規模金採鉱(Artisanal and small-scale gold mining)”は、個人的又は小企業により、限られた資本投資と生産をもって実施される金採鉱を意味する。

(b) ”利用可能な最良の技術(Best available techniques)”は、ある締約国又はその締約国の領土内にある施設について経済的及び技術的考慮を払いつつ、全体として、水銀の大気、水、陸への排出と放出及び、そのような排出と放出の環境への影響を防ぎ(prevent)、それが現実的ではない場合には削減する最も効果的な技術を意味する。この脈絡において:

(@) ”最良(Best)”は、全体として環境保護の高い一般的レベルを達成するために最も効果的であることを意味する。

(A) ”利用可能な技術(Available techniques)”は、ある締約国とその締約国内のある施設に関して、もし締約国により決定される施設の管理者が利用できるなら、その技術が当該締約国の領土内で使用される又は生成されるかどうかにかかわらず、コストと便益を考慮しつつ、経済的に及び技術的に実行可能な状況の下に関連する産業分野で実施できる規模で開発される技術を意味する。

(B) ”技術(Techniques)”は、使用されるテクノロジー、運用方法、及び設置が設計され、構築され、維持され、運転され、解体される方法を意味する。

(c) 環境のための最良の慣行(Best environmental practices)”は、環境規制措置と戦略の最も適切な組み合わせの適用を意味する。

(d) ”水銀(Mercury)”は、元素水銀(Hg(0)、CAS No. 7439-97-6)を意味する。

(e) ”水銀化合物(Mercury compounds)”は、水銀及びひとつ又はそれ以上の他の化学的元素の同一分子からなる物質を意味する。

(f) 水銀添加製品(Mercury-added product)”は、意図的に加えられた水銀又は水銀化合物を含む製品又は製品要素を意味する。

(g) ”締約国(Party)”は、この条約によって拘束されることに同意し、条約が効力を有する国家又は地域経済統合機関を意味する。

(h) ”出席し、かつ投票する締約国(Parties present and voting)”は、締約国会議に出席し、賛成又は反対票を投じる締約国を意味する。

(i) 一次水銀採鉱(Primary mercury mining)は、得ようとする主要な物質が水銀である採鉱を意味する。

(j) ”地域経済統合機関(Regional economic integration organization)”は、この条約によって支配される事柄に関し加盟国が権限を委譲し、内部の手続きに従い、この条約に(を)署名、批准、容認、同意することの権限を正式に与えられた、ある地域の複数の主権国家よって構成されるひとつの組織を意味する。

(k) ”許容される用途(Use allowed)”は、締約国による水銀又は水銀化合物の下記での用途を意味する:

(@) 付属書 C にリストされていない水銀添加製品用途  (訳注:ポジティブリスト)
(A) 付属書 D にリストされていない製造プロセス用途  (訳注:ポジティブリスト)
(B) 第8条にしたがって、締約国が免除(exemption)のために登録されている 付属書 C 又は 付属書 Dにリストされている用途、又は
(C) 実験室規模の研究又は参照標準用途

[(k) alt この条約の下に締約国に許容される用途(Use allowed to the Party under this Convention)”は、一般的に許容され、締約国の特定の必要性と代替の製品及びプロセスの利用可能性を考慮するであろう水銀又は水銀化合物の用途]


C 供給と貿易


第3条 水銀供給源と貿易

1. この条項の目的のために:
(a) ”水銀”への言及は、少なくとも重量で95パーセント以上の水銀濃度の水銀合金を含んで、他の物質との水銀の混合物を含む。
(b) ”水銀化合物”とは、塩化水銀(I) 別名カロメル、酸化水銀(II)、硫酸水銀(II)、硝酸水銀(II)、 辰砂鉱石及び硫化水銀を意味する。

2. この条項の規定は下記に適用してはならない。
(a) 実験室規模の研究又は参照標準のために使用される量の水銀又は水銀化合物
(b) この定義から除外される鉱物製品中に存在する自然に生ずる少量の水銀又は水銀化合物

3. 各締約国は、この条約の発効日に領土内で実施されていなかった一次水銀採鉱を許してはならない。

4. この条約の発効日前に領土内に一次水銀採鉱を持っている各締約国は、この供給源からの水銀又は水銀化合物の輸出、販売、商業流通を下記の場合を除いて許してはならない。
(a) 付属書D、パートUにリストされる用途、又は
(b) 第13条(水銀廃棄物)に従う処分

5. 各締約国は下記をしなくてはならない。
(a) 領土内にある年間[y] トンを超えて産出する水銀供給源の特定とともに、[x] トンを超える水銀及び水銀化合物のそれぞれの在庫を特定する。
(b) 解体された塩素アルカリ製造施設から生じる水銀又は水銀化合物は第13条(水銀廃棄物)にしたがって処分されることを求める。
(c) 第4項(b)で特定される以外の供給源からの全ての水銀又は水銀化合物に下記を求める。
(@) 第13条に従う処分、又は
(A) この条約の下に締約国に許容される用途の目的で使用される。
(B) 第6項にしたがって輸出される。
(C) この条約の下に締約国に許容される用途の目的のために使用される又は輸出されることが意図されている場合、そのような使用又は輸出を行なう前に、第12条(廃棄水銀以外の水銀の環境的に適切な暫定的保管)に示される環境的に適切な方法で保管される

6. 各締約国は下記を除いて水銀又は水銀化合物の輸出を許してはならない。

(a) 輸出締約国に書面による同意書を発行した締約国への輸出であり、かつ下記の目的の場合のみ。
(@) この条約の下に輸入締約国に許容される用途;又は
(A) 第13条に示されるように環境的に適切な処分。
(b) 輸出締約国に書面による下記を示す証明書を含む同意書を発行した非締約国への輸出。
(@) その国は、人の健康と環境の保護を確実にし、第12条と第13条の規定を遵守することを確実にするための措置を適切にとっている。
(A) そのような水銀又は水銀化合物はこの条約の下に全ての締約国に許容されている用途にのみ使用される。

7. 各締約国は、下記を除いて水銀又は水銀化合物の輸入を許してはならない。
(a) 書面による同意書を発行した締約国からの輸入で、下記の用途;
(@) 第13条にしたがう環境的に適切な処分;又は
(A) この条約の下にその締約国に許容される用途
(b) 書面による同意書を発行し、その水銀又は水銀化合物がこの条項の第2項又は第4項(b)で特定された供給源からのものではないことを示す証明書を発行した国からの輸入で、かつ次の目的だけのため;
(@) 第13条にしたがう環境的に適切な処分;又は
(A) この条約の下にその締約国に許容される用途

8. 各締約国は、第22条(報告)に従い提出される報告書に、この条項の要求が満たされていることを示す情報を含めなくてはならない。

9. 締約国会議はこの条項に関するさらなるガイダンス、特に第5項(a)、第6項、及び第7項に関するガイダンスを供給してもよい。

訳注:INC4ドラフトテキスト第3条オプション1、第1項で[(c) この条約の発効日[までに] [後[3]年以内に]そのような採鉱は廃絶する]との記述があったが、、今回、採鉱禁止は、条約発効日に領土内で実施されていなかった採鉱に限定し、既存の一次採鉱禁止は求めていない


E 製品とプロセス


第6条 水銀添加製品

製造、輸入、輸出の制限

1. 各締約国は、第8条に従い免除が登録されている場合を除いて、その製品のために定められた廃止期日後は、付属書Cにリストされた水銀添加製品の製造、輸入又は輸出を許してはならない。

2. 各締約国は、そこに示されている規定に従い、付属書CパートUにリストされている水銀添加製品の使用を制限する措置をとらなくてはならない。

3. 事務局は、締約国により提供される情報に基き、製品添加製品とそれらの代替品に関する情報の登録を確立し、維持しなくてはならず、そのような情報を公的に入手可能としなければならない。他の関連情報もまた、締約国により提出されるかもしれず、事務局により公的に入手可能とされなければならない。

組み立て製品(Assembled products)

4. 各締約国は、この条項の下に、その製造、輸入及び輸出が許されない水銀添加製品の組み立て製品への導入を防止する措置をとらなくてはならない。

新らたな製品

5. 各締約国は、締約国のためのこの条約の発効日前に、水銀添加製品のどのような既知の用途以外の新たな用途のための水銀添加製品の製造をさせないよう働きかけ(discourage)なくてはならない。各締約国は、もし製品のリスクと便益の評価が環境的又は健康的便益を埋め合わせることを示さないかぎり、そのような製品の商業上の流通を許してはならない。

6. 締約国は適切なら、製品の環境的及び健康的影響に関するどのような情報も含んで、そのような製品に関するどのような情報も事務局に提供しなくてはならない。事務局は、この条項の第3項の下に確立される登録を通じてそのような情報を公的に入手可能にしなくてはならない

付属書Cへの製品の掲載

7. どのような締約国も、付属書C中に水銀添加製品をリストするために事務局に提案書を提出してもよい。それは本項に従って登録と情報を考慮しつつ、また公衆への非水銀代替品の利用可能性と技術的経済的実行可能性に関連する情報を含まなくてはならない。

付属書Cのレビュー

8. 条約の発効の後5年以内に締約国会議は付属書Cを見直さなくてはならず、修正してもよい。

9. この条項の第7項又は第8項に従う付属書Cのどのようなレビューも、締約国会議は少なくとも下記を検討しなくてはならない。
(a) 第7項の下に提出される全ての提案
(b) 第3項の下に確立される登録からの情報;及び
(c) 締約国が、経済的及び技術的実行可能性とともに、世界中で入手可能の水銀を使用しない代替を入手する必要性

10. この付属書の修正を統制する規則は第28条(付属書の採択と改正)で規定される手続きの対象としなくてはならない。

訳注:INC4のドラフトテキスト第6条オプション2では、水銀添加製品の製造は許容用途免除が得られていなければ一般的に禁止されるとするネガティブ・リスト・アプローチをとっていたが、本条項では削除されている。

第7条 水銀が使用される製造プロセス

定義の説明

1. この条項と付属書Dの目的のために、”水銀又は水銀化合物が使用される製造プロセス”は水銀添加製品を使用するプロセス、水銀添加製品を製造するプロセス、又は水銀含有廃棄物を処理するプロセスを含めてはならい。

使用の制限

2. 各締約国は、第8条に従い締約国が登録された免除を持っている場合を除いて、プロセス毎に付属書Dに規定されている廃止期日後は、付属書Dに示される製造プロセス中で水銀又は水銀化合物の使用を許してはならない。

3. 各締約国は、ここに示される規定に従い、付属書DのパートUにリストされているプロセス中での水銀又は水銀化合物の使用を削減するための措置をとらなくてはならない。

施設のための措置

4. 付属書Dにリストされている製造プロセス中で水銀又は水銀化合物を使用する施設をひとつ又はそれ以上持つ各締約国は次のことをしなくてはならない。
(a) 第10条及び第11条に従いこれらの施設からの水銀及び水銀化合物の排出又は放出に対応した措置をそれぞれとること。
[(b) この条項に従いとられた措置に関する情報を第22条(報告)に従い提出する報告書に含めること。]
[(c) 付属書D中にリストされているプロセスのために水銀又は水銀化合物を使用する領土内にある施設を特定し、その国にとって条約発効後の少なくとも[X]年以内に事務局にそのような施設の数とタイプ及びこれらの施設での水銀と水銀化合物の見積もられる年間使用量に関する情報を事務局に提出すること。事務局はそのような情報を公的に利用できるようにすること。]

新たな施設

[5. 各締約国は、付属書Dにリストされている製造プロセスを使用する新たな施設において、水銀又は水銀化合物の使用を許してはならない。]

[5.alt 各締約国は、付属書D中にリストされているプロセスを使用する新たな施設を例外なく許してはならないか、又は、水銀又は水銀化合物が意図的に加えられているその他のどのような製造プロセスを使用するどのような新たな施設も、その製造プロセスが重要な社会的便益を提供し、締約国の国家及び経済的状況を考慮して、そのような便益を提供することができる経済的に実行可能な水銀を使用しない代替がないことを締約国が示して、締約国会議を満足させることができる場合を除いて、許してはならない。]

情報交換

6. 締約国は、技術移転、経済的及び技術的に実行可能な水銀を使用しない代替、及び付属書でにリストされている製造プロセス中の水銀及び水銀化合物の使用、及びそれらからの水銀及び水銀化合物の排出と放出を削減し、実行可能なら廃絶するための可能性ある措置に関する情報を交換することを鼓舞されている。

付属書Dへのプロセスの記載

7. どのような締約国も付属書D中にプロセスをリストする提案を事務局に提出してもよい。締約国は水銀を使用しない代替の利用可能性と技術的及び経済的実行可能性に関連する情報をどのような提案にも含めなくてはならない。

付属書Dのレビュー

8. 条約発効後5年以内に締約国会議は付属書Dを見直さなくてはならず、修正してもよい。

9. この条項の第7項又は第8項に従う付属書Dのレビューで、締約国会議は少なくとも下記を考慮しなくてはならない。
(a) 第7項の下に提出される提案
(b) 第6項の下に交換される情報
(c) 関連性のある技術的及び経済的発展
(d) 締約国が、経済的及び技術的に実行可能であるとともに、世界的に利用可能な水銀を使用しない代替を入手する必要性

訳注:INC4ドラフトテキストの第7条第1項オプション2は、許容用途免除を受けるプロセスを除いて、全てのプロセス中で一般的に水銀は禁止するとするネガティブ・リスト・アプローチであったが、今回削除された。

第8条 要求に基づく締約国に利用可能な免除

1. どのような国家も地域経済統合機関も、付属書C又は付属書Dにリストされている廃止期日からのひとつ又はそれ以上の免除(以降、免除という)を、事務局に書面で下記通知によって登録してもよい。
(a) この条約の締約国になること;又は
(b) 付属書Cの修正により加えられる水銀添加製品の場合、又は付属書Dの修正により加えられる水銀が使用される製造プロセスの場合には、少なくともその締約国にとって適用可能な修正の発効日以前(に通知して免除を登録)。
[そのような登録はどれでも、締約国の免除の必要性を説明する記述が伴わなくてはならない。]

2. 免除をひとつ又はそれ以上持つ各締約国は登録の中で特定されなくてはならない。事務局はその登録を維持し公的に利用可能としなくてはならない。

3. 登録は下記を含まなくてはならない。
(a) 免除をひとつ又はそれ以上持つ締約国のリスト
(b) 各締約国のために登録されているひとつ又はそれ以上の免除
(c) 各免除の失効期日

4. 締約国による登録の中でより短い期間が示されていなければ、又は締約国会議で決定されなければ、全ての免除は[5]年後に失効しなくてはならない。

5. 締約国会議は締約国の要求により、最大[5]年間延長することを決定してもよい。この決定において、締約国会議は下記を考慮しなくてはならない。
(a) 免除の延長の必要性を正当化し、実行可能な限り速やかにその延長を廃止するためにとられ、計画されている活動の概要を示す締約国からの報告書
(b) 水銀を使用しない又は免除されているものより水銀消費量が少ない代替製品及び代替プロセスの利用可能性を含んで、利用可能な情報
(c) 発展途上締約国、特に後発発展途上締約国、及び移行経済国の特別な状況
(d) 環境的に適切な水銀の保管及び水銀廃棄物の処分をするために計画されている又は現在とられている活動

6. 締約国は、事務局への書面で通知することにより、いつでも免除を撤回してよい。

[第8条bis. 途上国の特別の事情]

[開発途上国であるどのような締約国も、この条約の第3条〜14条に示される管理措置への遵守を10年遅らせる権利を与えられなくてはならない。]


F 人力小規模金採鉱

第9条 人力小規模金採鉱

1. この条項及び 付属書 E の措置は、鉱石から金を抽出するために水銀アマルガム化が用いられている人力小規模金採鉱及び処理に適用しなくてはならない。

2. 領土内にこの条項の対象となる人力小規模金採鉱及び処理をもつ締約国は、水銀及び水銀化合物のそのような採鉱での使用、及び環境への放出を削減し、実行可能なら廃絶するための措置をとらなくてはならない。

3. 各締約国は、領土内の人力小規模金採鉱及び処理が些細なものではない(more than insignificant)ということを決定したら、いつでも事務局に報告しなくてはならない。そのように決定する締約国は下記を行なわなくてはならない。
(a) 付属書 E にしたがって国家行動計画を策定し実施する。
(b)その国にとっての条約発効後[3年]以内に事務局に国家行動計画を提出する。
(c) その後は、第9条の義務に合致する3年毎の進捗のレビューを行ない、第22条に従って提出する報告書にそれを含める。

4. 締約国は、適切なら、この条項の目的を達成するために、お互いに、そして関連する政府間組織及びその他の組織と協力してもよい。そのような協力は下記を含むかもしれない。
(a) 水銀及び水銀化合物の人力小規模金採鉱及び処理での使用のための転用を防ぐための戦略の開発。
(b) 教育、支援、能力構築の取り組み。
(c) 持続可能な水銀を使用しない代替方法の研究の促進。
(d) 技術的及び財政的援助の提供。
(e) この条項の下における約束の実施を支援するためのパートナーシップ。
(f) 環境的に、技術的に、社会的に、及び経済的に実行可能な知識、環境的に最良の慣行、及び代替技術を促進するための既存の情報交換メカニズムの利用。

5. 本条項の第3項の規定の対象であり、かつ国内の水銀源が利用できないと決定する各締約国は:

(a) 本条項の第3項に従い開発される国家行動計画に基づき、人力小規模金採鉱での使用のための水銀を輸入してもよい。
(b) 第22条に従い提出される報告書に輸入された水銀の量を含めなくてはならない。

6. 本条項と付属書 E の下における実施は、この条約の財源と技術的及び実施援助に関する条項の規定に従わなくてはならない。

訳注:INC4のドラフトテキスト第9条第5項では、[どのような盟約国も、[第8条で規定されているように、この条項の下に締約国が登録されている利用可能な許容用途免除に従う場合を除いて、]人力小規模金採鉱及び処理での使用のために付属書 Bにリストされている水銀及び水銀化合物の輸入又は輸出をしてはならない。 ]と述べているのに、今回は、”人力小規模金採鉱での使用のための水銀を輸入してもよい”と明記された!

”些細ではない(not insignificant)”という閾値アプローチは機能しない。


G 排出と放出

第10条 排出

1. この条項は、付属書Fにリストされているカテゴリーにある排出源から大気への水銀又は水銀化合物の排出を管理するための措置についてのものである。

2. 本条項の目的のために下記定義を適用する。
(a)“排出(Emissions)”は、水銀又は水銀化合物の大気への排出を意味する。
(b)“関連排出源(Relevant source)”は、 付属書Fの排出源カラムのどれかひとつに該当し、対応する閾値カラムの値を超えることを意味する
(c) “新たな排出源(New source)”は、下記期日の少なくとも1年以上後に建設又は相当な改造が始まった関連排出源を意味する。
(@) その締約国にとっての条約発効
(A) 排出源が付属書Fの修正によってのみ条約の規定の対象となるような修正の当該締約国にとっての発効
(d) “既存排出源(Existing source)”は、新たな排出源ではない関連排出源を意味する。
(e) “排出制限値(Emission limit value)” は、排出点源からの水銀又は水銀化合物の濃度制限を意味し、特定の物質の最大許容濃度として通常は表現される。
(f) “目標(Goal)”は、特定の時期までに達成されるべき排出の削減のための定量的な目的を意味する。
(g) “多種汚染管理戦略(Multi-pollutant control strategy)” は、1種類を超える有害物質の排出を削減するための措置を求める締約国の規制体制を意味する。そこでの目的は、ある締約国又は締約国の領土内にある施設について経済的及び技術的な考慮を行ないつつ、戦略の対象となる全ての物質からの排出の総合影響を管理することである。

3. 各締約国は、締約国にとっての条約又は付属書Gの修正の発効後1年以内に、そしてその後は規制に基き、締約国がその領土内に関連排出源を持つかどうかを決定しなくてはならない。

オプション1(第4項〜第8項)

4. 新たな排出源については、各締約国は、排出を管理するために利用可能な最良の技術と環境のための最良の慣行を利用することを求めなくてはならない。

5. 既存の排出源については、各締約国は、少なくとも下記措置のひとつを実施することにより排出を管理することを求めなくてはならない。
(a) 排出を削減するための目標を採用する。
(b) 排出制限値又は同等の技術的措置を確立し遵守することを求める。
(c) 利用可能な最良の技術と環境のための最良の慣行の利用を求める。

6. 締約国は全ての排出源カテゴリーに同じ措置を適用してもよいし、又は異なる排出源カテゴリーに関しては異なる措置を採用してもよい。適用される措置は、利用可能な最良の技術及び利用可能な最良の慣行の適用によって達成可能なものと同等の長期結果を達成すべきである。

7. 締約国が、どのような排出源に関しても多種汚染管理戦略を適切にとる場合には、その戦略のより広い目的を考慮しつつ、環境的便益と資金源の利用を最適にするために、それが排出源からの排出を管理するための利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行を決定してもよいし、又は、目標又は排出制限を適用してもよい。

8. 各締約国は、締約国が第4項〜第7項に従い採用しようとしている情報を、[第21条に従い開発される国家実施計画][締約国にとって条約発効後[X]年以内に締約国会議に提出されるべき行動計画]に含め[なくてはならない][てもよい]。

オプション2(第9項及び10項)

9. [締約国にとっての条約発効後[X]年以内に、水銀と水銀化合物の排出及び期待される目標、目標値、結果を管理するためにとられるべき措置を示す国家計画を作成しなくてはならない。その計画は締約国会議に提出されなくてはならない。][各締約国は、第21条に従い作成される国家実施計画各の中に水銀と水銀化合物の排出及び期待される目標、目標値、結果を管理するためにとられるべき措置を含めなくてはならない。]

10. 計画は少なくとも下記措置のひとつを含まなくてはならない。
(a) 全ての大気排出源カテゴリーからの排出を管理するための国家目標を採用すること。
(b) 全ての排出源カテゴリーからの排出を管理するための水銀の排出制限値又は同等の技術的措置を確立すること。
(c) 新たな排出源からの排出を管理するために、利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行の利用を求める。
(d) 既存の排出源について、経済的及び技術的実行可能性、手ごろな価格(affordability)及び国家の状況に依存しつつ、水銀の大気排出を管理/削減するための措置の採用を促進すること。
(e) 環境的便益と資金源を最適にするために多種汚染管理戦略を採用すること。締約国がどのような排出源に関しても多種汚染管理戦略を適切に持つ場合には、その排出源からの水銀とその化合物の排出と放出を管理するために、それが利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行を決定するかもしれないし、又は目標又は排出便益及び財源の使用を適用するかもしれない。

11. 締約国会議は、最初の会合で利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行の決定に関するガイダンスを採択しなくてはならず、その後、必要に応じてそのガイダンスを修正してもよい。締約国は、この条項の規定を実施するときに、そのようなガイダンスを考慮しなくてはならない。

12. 締約国会議はまた、目標及び排出制限値に関する概算を採択し、その後修正してもよい。

13. 各締約国は、締約国にとっての条約発効後5年以内に、関連排出源からの排出目録を確立し、その後、保守しなくてはならない。締約国会議は、目録を作成するための方法論に関するガイダンスを採択しなくてはならず、締約国はこのガイダンスを考慮しなくてはならない。そのようなガイダンスが採択されるまで、締約国は可能な場合には国際的に認められた方法論を使用するよう努力しなくてはならない。

14. 各締約国は、第22条に従い提出される報告書の中に、この条項の規定を遵守していることを示すのに十分な情報を含めなくてはならない。そのような情報の範囲と様式は締約国会議の最初の会合で決定されなくてはならない。

第11条 放出

1. この条項は、付属書Gにリストされているカテゴリーにある放出源から陸と水への水銀又は水銀化合物の放出を管理するための措置についてのものである。

2. 本条項の目的のために下記定義を適用する。
(a)“放出(Releases)”は、水銀又は水銀化合物の陸及び水への排出を意味する。
(b)“関連放出源(Relevant source)”は、 付属書Gにリストされている放出源のひとつであることを意味する。
(c) “新たな放出源(New source)”は、下記期日の少なくとも1年以上後に建設又は相当な改造が始まった関連放出源を意味する。
(@) その締約国にとっての条約発効
(A) 放出源が付属書Gの修正によってのみ条約の規定の対象となるような修正の当該締約国にとっての発効
d) “既存放出源(Existing source)”は、新たな放出源ではない関連放出源を意味する。
(e) “放出制限値(Emission limit value)” は、放出点源からの水銀又は水銀化合物の濃度制限を意味し、特定の物質の最大許容濃度として通常は表現される。
(f) “目標(Goal)”は、特定の時期までに達成されるべき放出の削減のための定量的な目的を意味する。
(g) “多種汚染管理戦略(Multi-pollutant control strategy)” は、1種類を超える有害物質の放出を削減するための措置を求める締約国の規制体制を意味する。そこでの目的は、ある締約国又は締約国の領土内にある施設について経済的及び技術的な考慮を行ないつつ、戦略の対象となる全ての物質からの放出の総合影響を管理することである。

3. 各締約国は、締約国にとっての条約又は付属書Gの修正の発効後1年以内に、そしてその後は規制に基き、締約国がその領土内に関連放出源を持つかどうかを決定しなくてはならない。

オプション1(第4項〜第8項)

4. 新たな放出源については、各締約国は、放出を管理するために利用可能な最良の技術と環境のための最良の慣行を利用することを求めなくてはならない。

5. 既存の排出源については、各締約国は、少なくとも下記措置のひとつを実施することにより放出を管理することを求めなくてはならない。
(a) 放出を削減するための目標を採用する。
(b) 放出制限値又は同等の技術的措置を確立し遵守することを求める。
(c) 利用可能な最良の技術と環境のための最良の慣行の利用を求める。

6. 締約国は全ての放出源カテゴリーに同じ措置を適用してもよいし、又は異なる放出源カテゴリーに関しては異なる措置を採用してもよい。適用される措置は、利用可能な最良の技術及び利用可能な最良の慣行の適用によって達成可能なものと同等の長期結果を達成すべきである。

7. 締約国が、どのような放出源に関しても多種汚染管理戦略を適切にとる場合には、その戦略のより広い目的を考慮しつつ、環境的便益と資金源の利用を最適にするために、それが排出源からの放出を管理するための利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行を決定するかもしれないし、又は、目標又は排出制限を適用するかもしれない。

8. 各締約国は、締約国が第4項〜第7項に従い採用しようとしている情報を、[第21条に従い開発される国家実施計画][締約国にとって条約発効後[X]年以内に締約国会議に提出されるべき行動計画]に含め[なくてはならない][てもよい]。

9. [締約国にとっての条約発効後[X]年以内に、水銀と水銀化合物の放出及び期待される目標、目標値、結果を管理するためにとられるべき措置を示す国家計画を作成しなくてはならない。その計画は締約国会議に提出されなくてはならない。][各締約国は、第21条に従い作成される国家実施計画各の中に水銀と水銀化合物の排出及び期待される目標、目標値、結果を管理するためにとられるべき措置を含めなくてはならない。]

オプション2(第10項及び11項)

10. 計画は少なくとも下記措置のひとつを含まなくてはならない。
(a) 付属書G中の全ての放出源カテゴリーからの放出を管理するための国家目標を採用すること。
(b) 全ての放出源カテゴリーからの放出を管理するための水銀の放出制限値又は同等の技術的措置を確立すること。
(c) 新たな放出源からの放出を管理するために、利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行の利用を求める。
(d) 既存の放出源について、経済的及び技術的実行可能性、手ごろな価格(affordability)及び国家の状況に依存しつつ、放出を管理/削減するための措置の採用を促進すること。
(e) 環境的便益と資金源を最適にするために多種汚染管理戦略を採用すること。締約国がどのような放出源に関しても多種汚染管理戦略を適切に持つ場合には、その放出源からの水銀とその化合物の排出と放出を管理するために、それが利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行を決定するかもしれないし、又は目標又は排出便益及び財源の使用を適用するかもしれない。

11. 締約国会議は、最初の会合で利用可能な最良の技術及び環境のための最良の慣行の決定に関するガイダンスを採択しなくてはならず、その後、必要に応じてそのガイダンスを修正してもよい。締約国は、この条項の規定を実施するときに、そのようなガイダンスを考慮しなくてはならない。

12. 締約国会議はまた、目標及び排出制限値に関する概算すを採択し、その後修正してもよい。

13. 各締約国は、締約国にとっての条約発効後5年以内に、関連排出源からの排出目録を確立し、その後、保守しなくてはならない。締約国会議は、目録を作成するための方法論に関するガイダンスを採択しなくてはならず、締約国はこのガイダンスを考慮しなくてはならない。そのようなガイダンスが採択されるまで、締約国は可能な場合には国際的に認められた方法論を使用するよう努力しなくてはならない。

14. 各締約国は、第22条に従い提出される報告書の中に、この条項の規定を遵守していることを示すのに十分な情報を含めなくてはならない。そのような情報の範囲と様式は締約国会議の最初の会合で決定されなくてはならない。


H 保管、廃棄物、汚染サイト
第12条 廃棄水銀以外の水銀の環境的に適切な暫定的保管

1. この条項は、第13条に規定される水銀廃棄物の定義の範囲に入らない水銀及び水銀化合物の保管に適用されなくてはならない。

2. 各締約国は、この条約の下に締約国に許容される用途が意図されたそのような水銀と水銀化合物の保管がどのようなガイドラインをも考慮しつつ、また第13条に従い採用されるどのような要求にも従いつつ、環境的に適切な方法で行なわれることを確実にする措置をとらなくてはならない。そのような水銀と水銀化合物の保管は暫定ベースでなくてはならない。

3. 締約国会議は、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約及びその他の適切なガイダンスの下に開発されたどのような関連するガイドラインをも考慮しつつ、そのような水銀の環境的に適切な保管に関するガイドラインを採用しなくてはならない。締約国会議はまた、この条約の追加的な付属書中の保管のための要求を採用してもよい。

第13条 水銀廃棄物

1. 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の関連ある定義は、本条約の下にカバーされる廃棄物に適用されなくてはならない。

2. 本条約の目的のために、水銀廃棄物とは下記の物質又は対象を意味する。

 処分される、又は処分されることが意図されている、又は国内法又は本条約の規定により処分されることが要求される下記のもの:

(a) 水銀又は水銀化合物からなる物質又は対象
(b) 水銀又は水銀化合物を含む物質又は対象、又は
(c) 水銀又は水銀化合物で汚染されている物質又は対象

3. 各締約国は水銀廃棄物が下記のように扱われるよう適切な措置をとらなくてはならない。

(a) 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の下に開発されたガイドラインを考慮しつつ、及び廃棄物施設の場所、設計と操業、及び最終処分前の適切な処理に関連するような追加的な付属書の中で、締約国が採択するかもしれない要求に従い、環境的に適切な方法で管理されること。
(b) 本条約の下に締約国に許容される用途のために、又は第3項(a)に従う環境的に適切な処分のためにだけ、回収され、リサイクルされ、再生利用され、又は直接再使用されること。
(c) この条項にしたがった、そしてもし有害廃棄物の国境を越える移動(Transboundary Movements)及びその処分の規制に関するバーゼル条約の締約国ならその条約にしたがった、環境的に適切な処分の目的以外で、国際的境界(international boundaries)を越えて輸送されないこと。
[バーゼル条約が国際的境界を越える輸送に適用しないという状況においては (訳注:例えば非締約国の場合)、バーゼル条約で規定されているものと同等の、特に事前通報・同意及び引き取り義務に関する管理を適用する場合以外は、締約国はそのような輸送を許容してはならない。]

4. 締約国会議は、第3項(a)で参照されているガイドラインのレビュー及び更新時に、適切なら、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の関連組織と密接な協力を追求しなくてはならない。

5. 締約国は、環境的に適切な方法による水銀廃棄物の管理のための世界的、地域的、及び国家の能力を開発し維持するために、適切なら、お互いに、そして関連する政府間組織及びその他の組織と協力することを鼓舞される。

第14条 汚染サイト

1. 各締約国は、水銀又は水銀化合物で汚染されたサイトを特定し、評価するための適切な戦略を開発するよう努力しなくてはならない

2. そのようなサイトにより引き起こされるリスクを低減するためのどのような行動も、適切場合には、サイトが含む水銀及び水銀化合物からの人の健康と環境へのリスクの評価を反映しつつ、環境的に適切な方法でなされなくてはならない。

3. 締約国会議は、下記の方法とアプローチを含むかもしれない汚染サイト管理のガイダンスを採択しなくてはならない。

(a) 汚染サイトの特定と特性化
(b) 公衆の関与
(c) 人の健康と環境リスク評価
(d) 汚染サイトにより及ぼされるリスク管理のためのオプション
(e) 便益とコストの評価
(f) 結果の確認

4. 締約国は、[能力構築、財政的、及び技術的援助の規定に基づくことを含んで]、汚染サイトを特定し、評価し、優先付け、管理し、適切なら汚染サイトを修復するための戦略を開発し実施することに協力することが奨励される。

訳注:汚染者の責任と被害者の補償義務が一切述べられていない。水銀汚染サイトへの対処に完全に自主的なアプローチである。


I 財源と技術的及び実施援助
第15条 財源とメカニズム

1. 締約国は、開発途上国及び移行経済国により効果的に実施されるために、この条約から生じるある法的義務が能力構築、[技術移転]及び技術的資金的援助が必要となることを認める。

2. 各締約国は、その能力の範囲内で、またその国家政策、優先度、計画及びプログラムに従い、この条約を実施するために意図されたこれらの国家行動に資源を提供することを約束する。そのような資源は、国内、二国間、及び多国間の基金、国家予算中[の主流][への算入]、開発戦略、及び民間分野の参加を含むかもしれない。

3. 能力構築、[技術移転]及び技術的資金的援助の提供のためのあるメカニズムが、この条約における義務を果たす開発途上国及び移行経済国を援助するために、ここに確立される。

4. そのメカニズムは、能力構築と[技術移転]はもちろん、[基金][独立基金][及び]多国間、地域及び二国間の資金的及び技術的援助を提供する実体を[含まなくてはならない][含んでもよい]。

5. その資金は、締約国会議で合意されたように条約の実施のためのこれらのコストに合う[予測可能で、十分で、時宜を得た]資金を提供しなくてはならない。資金の運用は[地球環境ファシリティ(Global Environment Facility:GEF)(訳注)][ひとつ又はそれ以上の主体]に委託されなくてはならない。

訳注:GEFとは開発途上国や経済移行国において、国や地域、あるいは地球規模のプロジェクトが、地球環境問題の解決に貢献しようとした際に新たに必要となる追加費用として、多国間資金を無償で提供する国際的な資金メカニズム。その必要性が審査されて決定されれば、先進国から拠出した資金がGEF運営戦略に基づき原則無償提供される。次の多数国間条約がGEFを資金メカニズムとしている。(ウイキペディア)。
  • 生物の多様性に関する条約(CBD)
  • 気候変動枠組条約(UNFCCC)
  • オゾン層保護基金(モントリオール議定書)
  • 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)
  • 砂漠化対処条約(UNCCD)

6. 締約国会議は、その最初の会合で、[全体の方針と手続き]及び、どの活動が事前に合意されたように完全な又は増加する資金提供に資格があるのかを含んで、そのメカニズムから援助と資金を受けるための活動のカテゴリーを示すリストと特定の活動への資金割り当てのためのタイムテーブルを決定しなくてはならない。締約国会議は、小島嶼開発途上国又は後発開発途上国である締約国が、水銀削減のための活動の可能性はもちろん、そのリストを作成することについて特定の必要性及び特別の状況を十分に考慮しなくてはならない。締約国会議は、この条項の第8項に従い、メカニズムのレビュー時にそのリストのレビューを含めなくてはならない。

7. 締約国会議とそのメカニズムを構成しているひとつ又はそれ以上の主体は、上述の項目を有効にするための手はずに合意しなくてはならない。

8. 締約国会議は、その第3回会合より遅れることなく、その後は定期的に、資金供給のレベル、この条項の下に確立されたメカニズムの有効性、及び途上国と移行経済国の必要性に効果的に対応する能力をレビューしなくてはならない。そのようなレビューに基き、締約国会議は、もし必要なら、メカニズムの有効性を改善するための適切な行動を取らなくてはならない。

9. 先進国はそのメカニズムに資金を提供しなくてはならない。他の国もまた、自主的に、そして能力に応じて、そのメカニズムに貢献してもよい。そのメカニズムは、民間部門を含んで他の財源から補足的に資源の供給をすることを促さなくてはならず、そのメカニズムが援助する活動のためのそのような資源に外部資金を調達することを追求しなくてはならない。

第16条 技術的援助[と能力構築]

1. [発展途上締約国とその他の締約国はその能力の範囲で][締約国は]、相互に同意したように[技術の移転を提供][技術の移転を促進][するために協力]しなくてはならず、この条約の下における彼等の義務実施を援助するために、発展途上締約国、特に後発開発途上締約国又は小島嶼開発途上締約国や移行経済締約国に[時宜を得て適切な]技術援助及び能力構築を提供しなくてはならない。

2. 第1項と第15条に従う技術的援助[、技術移転]及び能力構築は、地域、準地域、及び国家の計画を通じて、他の多国間及び二国間手段を通じて、そして民間部門の参加するパートナーシップを含んでパートナーシップを通じてもたらされるかもしれない。化学物質と廃棄物の分野における他の多国間環境協定との協力と調整は、技術的援助とその引渡しの効果を強化することが求められるべきである。

3. 本条項に関するさらなるガイダンスは締約国会議によって提供されなくてはならない。

第16条 bis 技術移転

[1. 締約国会議はその第1回会合で、この条約を実施する彼等の能力を強化するために、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国]、及び移行経済国への技術移転を目的としてこの条約の下にひとつのメカニズムを生成しなくてはならず、事務局は下記を実施するであろう。

(a) 技術とノウハウの移転に関する既存の活動の貢献を評価し、その目的のために技術とノウハウの国際的移転の品質を改善する手段を評価する。
(b) 技術移転の現状と言及された国の技術移転の必要性をレビューする。
(c) 技術移転の障害やじゃま克服するための措置を開発する。
(d) 環境に適切な技術の移転のための最良の慣行を示す。
(e) 技術移転の加速のための手順を確立する。

2. 先進加盟国は下記を実施しなくてはならない。

(a) 開発途上締約国、特に後発開発途上締約国(LDCs)、及び小島嶼開発途上締約国(SIDs)及び移行経済締約国への、この条約の実施に関連する技術移転の目的のための計画を確立する。
(b) 開発途上締約国、特に後発開発途上締約国(LDCs)、及び小島嶼開発途上締約国(SIDs)及び移行経済締約国に、譲与的又は特恵的ベースで環境的に適切な技術の入手と移転を提供する。
(c) 開発途上締約国、特に後発開発途上締約国(LDCs)、及び小島嶼開発途上締約国(SIDs)及び移行経済締約国に、緊急に水銀の代替、関連、更新技術を提供する。

3. 条約の目的を達成するために、この条項の下に関連する締約国の義務は、遵守メカニズムにより検証されなくてはならない。]

[第16条 bis 代案

締約国会議は、能力を改善し、緊急に関連し更新された技術の代替の開発を促進するための活動を特定し、締約国が相互に合意した[後発開発途上締約国(LDCs)への]技術移転を促進するために協力する選択肢と機会を特定するという考えをもって、その第1回会合で開発途上国[特に後発開発途上締約国(LDCs)、及び小島嶼開発途上締約国(SIDs)]の技術的課題を検討しなくてはならない。]

第17条 [実施][遵守][実施と遵守]委員会

オプション1

1. 条約の全ての規定[の実施]を促進し[遵守]を見直すために、[締約国会議の従属的主体としての委員会を含んで、ひとつのメカニズム]がここに確立される。

2. そのメカニズムは、本質的に容易なものでなくてはならない。[その委員会は条約の全ての規定の実施と遵守をレビューしなくてはならない。]その委員会は、個別の及び系統的な遵守問題の両方を検証し、適切なら締約国会議に勧告してもよい。

3. 締約国会議はその第1回会合でその委員会のための委託事項を採択しなくてはならない。]

オプション2

1. 条約の全ての規定[の実施]を促進し[遵守]を見直すために[締約国会議の従属的主体としての委員会を含んで、、ひとつのメカニズム]がここに確立される。

2. そのメカニズムは、本質的に容易なものでなくてはならない。[その委員会は条約の全ての規定の実施と遵守をレビューしなくてはならない。]その委員会は、個別の及び系統的な遵守問題の両方を検証し、適切なら締約国会議に勧告してもよい。」

[3. 締約国会議で決定されない限り:

(a) 委員会は、締約国により推参され、地理的均等性のある代表であることを十分考慮して締約国会議で選ばれた10人のメンバーから構成されなければならず、最初のメンバーは締約国会議の第1回会合で選ばれなくてはならない。

[(a 代案) 委員会は、締約国により推薦され、国連の5つの地域グループの地理的均等性のある代表に基き締約国会議で選出される水銀分野又は他の関連分野の専門家10人により構成されなくてはならない。]

(b) 委員会は、法的及び技術的専門性の適切なバランスを反映しなくてはならない。

(c) 委員会は下記をベースに問題を検討してもよい。
(@) 締約国からの書面による提出
(A) 国家報告書及び報告要求
(B) 締約国会議からの要求

(d) 締約国は条約への遵守に関連する問題の委員会による検討に参加する権利を与えられるが、そのような問題に関連するどのような勧告にも参加してはならない。

[(d bis)ある締約国には、もし委員会が検討している問題がその締約国に関連している場合には、投票に参加する資格を与えてはならない。]

(e) 委員会は、手続きの規則を推敲してもよいが、それは締約国会議による承認対象としなくてはならない。締約国会議は委員会のために、適切とみなすどのような更なる委託事項をも随時採択してもよい。

(f) 委員会は締約国会議のそれぞれの通常会合で、前回の会合依頼実施された作業に関して報告しなくてはならない。

[(f) bis 委員会は合意の下にその勧告を採択するようあらゆる努力をしなくてはならない。もし全ての努力が失敗し、合意に達することができなければ、そのような勧告は最後の手段として出席し投票するメンバーの4分の3以上の賛成で採択されなくてはならない。]]


J 意識向上、研究と監視、情報伝達
第18条 情報交換

1. 各締約国は下記の情報交換を促進しなくてはならない。

(a) 毒性学的、生態毒性学的、及び安全情報を含んで、水銀及び水銀化合物に関する科学的、技術的、経済的及び法的情報

(b) 水銀及び水銀化合物の製造、使用、[貿易]、排出及び放出の削減又は廃絶に関する情報

(c) 技術的及び経済的に実行可能な下記に対する代替に関する情報
(@) 水銀添加製品
(A) 水銀又は水銀化合物が使用されている製造プロセス
(B) 健康と環境のリスク及び経済的及び社会的コストとそのような代替の便益に関する情報を含んで、水銀又は水銀化合物を排出又は放出する活動及びプロセス

(d) 世界保健機関及び関連する組織と適切なら密接な協力の下に、水銀及び水銀化合物への曝露に関連する健康影響に関する疫学的情報

2. 締約国は、第1項に参照されている情報を、適切なら、事務局を通じて、又は化学物質及び廃棄物の条約事務局を含む他の関連組織を通じて、直接交換してもよい。

3. 事務局は、多国間環境協定及びその他の国際的取り組みの事務局を含んで、この条項で参照されている情報の交換のための協力を促進しなくてはならない。締約国からの情報に加えて、この情報は水銀分野に専門性を持つ政府間組織及び非政府組織からの及びそのような専門性を持つ国家及び国際的研究機関からの情報を含まなくてはならない。

4. 各締約国は、第3条の下における輸入締約国の同意に関することを含んで、この条約における情報交換のための国家連絡窓口を指名しなくてはならない。

5. この条約の目的のために、人と環境の健康と安全に関する情報は、各国の国内法を条件としつつ、秘密であるとみされてはならない。この条約に従い、他の情報を交換する締約国は相互に合意したようにどのような秘密情報も保護しなくてはならない。

第19条 広報、意識向上、教育

1. 各締約国は、その能力の範囲で下記を促進し容易にしなくてはならない。

(a) 下記に関する情報を公衆に利用可能とする。
(@) 水銀及び水銀化合物の健康と環境的影響
(A) 水銀及び水銀化合物の代替
(B) 第18条第1項で特定されるトピックス
(C) 第20条の下における研究、開発、及び監視の結果
(D) この条約の下における義務に合致する活動

(b) 関連する政府間及び非政府組織及び適切なら脆弱な集団と連携しながら、水銀及び水銀化合物への曝露の人と環境への影響に関連する教育、訓練、及び公衆の意識向上

2. 各締約国は、人の活動を通じて排出される又は処分される水銀及び水銀化合物の年間量の見積りに関する情報の収集と普及のために、適切な場合には、汚染物質排出移動登録(PRTR)のような既存のメカニズムを利用する又はメカニズムの開発を考慮しなくてはならない。

第20条 研究、開発、監視

1. 締約国は下記を開発し改善するために協力しなくてはならない。

(a) 水銀及び水銀化合物の使用、消費、及び人間活動に由来する大気への排出及び水と陸地への放出の目録

(b) 関連する適切なサンプルの収集と交換に関する連携はもちろん、魚、海洋哺乳類、ウミガメ、鳥類のような生物媒体を含んで、脆弱な集団及び環境媒体中の水銀及び水銀化合物のレベルのモデル化と地理的な代表の監視

(c) 社会的、経済的及び文化的影響、特に脆弱な集団への影響に加えて、人の健康と環境に及ぼす水銀及び水銀化合物の影響の評価

(d) 小項目(a)、(b)、(c)の下に取られる活動のための調和の取れた方法論

(e) 人的活動に由来するものと自然の水銀放出及び歴史的堆積からの水銀の再移動との区別を適切に考慮しつつ、広範な生態系における水銀及び水銀化合物の環境的循環、移動(長距離移動と堆積を含む)、変換及び運命に関する情報

[(f) 水銀及び水銀化合物及び水銀添加製品の商業及び貿易に関する情報]

(g) 水銀を使用しない製品とプロセスの技術的及び経済的利用可能性及び、水銀及び水銀化合物の放出を削減し、監視するための利用可能な最良の技術及び環境的に適切な最良の慣行に関する情報と研究

2. 締約国は、第1項で特定される行動を実施するときに、適切な場合には、既存の監視ネットワーク及び研究プログラムに構築すべきである。

[第20条 bis 健康面

1. 各締約国は下記を実施しなくてはならない。

(a) 脆弱な集団及び/又は水銀又はその化合物への曝露にるリスクに曝される集団を特定するためのプログラムを確立し実施すること。

(b) 上述の特定された集団をリスクから守るための戦略とプログラムを開発し実施すること。とりわけ、健康及びその他の関連する分野の参加を得て、水銀と水銀化合物への曝露に関連する健康ガイドラインを採択すること、水銀曝露削減の目標を設定すること、及び公衆と労働者を教育することを含むかもしれない。

(c) 適切であり、実行可能な場合には、生物監視を通じて、リスクを監視し、レビューし、リスク防止と緩和措置が意図したとおりの結果をもたらしていることを確認するとともに、リスクについて人々に知らせ、理解しあうために、プログラム、勧告、ガイドラインを、国家レベルで適用すること。

(d) 潜在的な曝露の懸念がある場合には、許容された用途に関連する職業曝露の防止に関するプログラム、勧告、及びガイドラインを実施すること。

(e) 水銀とその化合物への曝露により影響を受けた集団に適切な医療が受けられることを確実にすること。

(f) 科学的、技術的及び分析的能力及び、水銀及びその化合物への曝露の予防、診断、監視、治療についての医療専門家の能力強化を確立すること。

2. 締約国会議は下記を実施しなくてはならない。

(a) 前述の第1項で述べられている活動を実施するための決議、勧告及びガイドラインを採択すること。これらの勧告とガイドラインは、もし必要なら、世界保健機関又は国際労働機関のような国際組織の支援を得て、締約国によって作成されなくてはならない。

(b) 前述の第1項で述べられている活動を支援するために、この条約の下に科学的、技術的、及び資金的な資源の供給を確実にすること。

第21条 実施計画

[0. 締約国会議はその第[1]回会合で、締約国がこの条約の下に実施計画を策定するときに参照するかもしれないメニュー式のひな型を開発しなくてはならない。]

1. [そのようにすべき立場にある]各締約国は、下記を[してもよい。][しなくてはならない。]

(a) [第0項の下に開発されるひな型に基き、及び締約国の特定の状況に従い、]この条約におけるその義務を満たすための計画を策定し実行すること。

(b) この条約の締約国にとっての発効日から[2年後]以内に事務局に通知書を提出することにより、小項目(a)で参照されている計画に関する意図を宣言すること。

(c) [この条約の締約国にとって発効する][事務局に通知書を提出する]日から[1][3]年以内に締約国会議にその実施計画を提出すること。

(d) その実施計画を定期的に、そして締約国会議の決議によって規定される方法で見直し、更新すること。

(e) 第22条に従い提出される報告書に小項目(d)の見直し結果を含めること。

2. 締約国は、適切な場合には、その国家計画の策定、実施、見直し、及び更新を推進するために、その国の利害関係者らと協議しなくてはならず、国際的、地域、及び準地域の組織と直接又はそれらを通じて協力してもよい。

[3. 締約国会議は、第1項(c)に従い、開発途上締約国により提出された実施計画を見直し、評価しなくてはならず、この条約の下に確立された義務を遵守することを目指しているそのような実施計画に示されているこれらの活動に十分に資金を供給するために条約の資金メカニズムを通じて財源の提供を裏づけなくてはならない。そのような実施計画は、付属書D[、E]又は[F][G.alt]の下に求められるどのような国家行動計画を含んでもよい。]

第21条 オプション2

1. この条約の発効後5年以内に、締約国はこの条約の下に彼等の義務を遵守するという観点で実施計画を作成しなくてはならない。

2. 締約国は、特に調査と科学的及び技術的発展の中で得られる発見を考慮して、彼等の実施計画を更新することを検討しなくてはならない。

3. 締約国はその第[X]回会合で、実施計画の起草と更新の基準を決定しなくてはならない。

4. 既述の項目で着想された措置は、締約国の社会的経済的条件を考慮しつつ実施され、遵守は、彼等の必要性と優先度についての彼等自身の評価に従い、十分で、予測可能で、適切な財源、技術移転、及び締約国の能力構築に必要な協力の動員が条件とならなくてはならない。

第22条 報告

1. 各締約国は、条約の規定を実施するために策定した措置に関して、及び条約の目的に合致するそのような措置の効果に関して、[その実施計画の内容を考慮しつつ、]事務局を通じて締約国会議に報告しなくてはならない。

2. 各締約国は、この条約の第[X, Y, Z]条で求められる情報をその報告書に含めなくてはならない。

3. 締約国会議はその第1回会合で、[この規定を実施する開発途上締約国及び移行経済締約国の能力は、能力構築と適切な資金的及び技術的援助の有効性に依存するということを認識しつつ、]関連する他の化学物質及び廃棄物条約と報告を調整することが好ましいということを考慮しつつ、締約国が従うべき報告の時期と様式について決定しなくてはならない。

第23条 効果の評価

1. 締約国会議は、条約発効日後6年以内に、その後は締約国会議で決定された間隔で定期的に、条約の有効性を評価しなくてはならない。

2. 評価に役立たせるために、締約国会議はその第1回会合で、環境中における水銀と水銀化合物の存在と移動に関して、自身で比較可能な監視データを用意する計画の確立にとり組まなくてはならない。

3. 評価は、利用可能な科学的、環境的、技術的、資金的、及び経済的情報に基き、下記を含めて実施しなくてはならない。

(a) 生物媒体及び脆弱な集団中で観察された水銀及び水銀化合物のレベルの傾向を含んで、第2項に従い締約国会議に提供された報告及びその他の監視情報。

(b) 第22条に従い提出された報告書。

(c) 第17条に従い提供された情報と勧告。

(d) 条約の下に実施された資金援助、技術移転、及び能力構築の運用に関する報告書及びその他の関連情報。


以下の条項日本語訳省略

K. 事務的取り決め
 24. 締約国会議
 25. 事務局
 25 bis. 専門家組織

L 紛争解決
 26. 紛争解決
(続く)


付属書 C
水銀添加製品

パートT:第6条第1項の対象となる製品

訳注:第6条第1項:
各締約国は、第8条に従い免除が登録されている場合を除いて、その製品のために定められた廃止期日後は、付属書Cにリストされた水銀添加製品の製造、輸入又は輸出を許してはならない。(約注:ポジティブリストであるということ)


注:この表に含まれる製品のリストはまだ議論されておらず、したがってこのリストは締め切られたもの又は決定的なものとみされるべきではない。このリストは第4回会合のドラフトテキスト UNEP(DTIE)/Hg/INC.4/8, annex I から作成されたものであり、例として示されているだけである。

水銀添加製品 廃止期日
電池[水銀含有が2%wt以下のボタン電池を除く] 20XX
スイッチ及びリレー(保守目的のものを除く) 20XX
コンパクト蛍光ランプ(水銀含有が[3.5]mgを超える30ワット以下のもの) 20XX
直管蛍光ランプ−3波長域帯蛍光灯−T2, T5, T8, T10 and T12 及び25,000時間以上の長寿命、水銀含有[5]mg 以上 20XX
一般用途高圧水銀(蒸気)ランプ水銀含有[5]mg 以上 20XX
石けん及び化粧品 20XX
農薬及び殺生物剤 20XX
血圧計 20XX
医療用温度計 20XX

*下記の製品カテゴリーはパートTから除外されている。
 (a) 本質的な軍需製品
 (b) 科学研究用製品
 (c) 文化的/伝統的用途

パートU:第6条、第2項の対象となる製品

訳注:第6条第2項:
各締約国は、そこに示されている規定に従い、付属書CパートUにリストされている水銀添加製品の使用を制限する措置をとらなくてはならない。(約注:ポジティブリストであるということ)


水銀添加製品 用途の規定1
歯科アマルガム 歯科アマルガムの使用を削減するために締約国によって取られるべき措置は、締約国の国内事情と関連ある国際的ガイダンスを考慮しなくてはならず、下記を含まなくてはならないが、それに限らない。
(@)利用可能で効果的な水銀を使用しない歯科詰め物の代替の使用を促進する。
(A)水銀を使用しない歯科詰め物の代替の使用に関して、消費者を教育し、歯科専門家と学生を訓練する。
(B))水銀を使用しない歯科詰め物の代替よりも歯科アマルガムの使用に有利な保険政策、プログラム及び命令を思いとどませる。
(C)子ども、妊婦、及びその他の過敏な集団での歯科アマルガムの使用を思いとどませる。
(D)歯科アマルガムの使用はカプセル化された形状のものに制限する。
(E)使用されている歯科アマルガムの量に関する基礎データを確認し、製造され、輸入され、又は歯科アマルガムで使用されている量、及びこの項の下に締約国の義務に合致すべくなされた進捗に関して、締約国会議に3年毎に報告する。
パートTにリストされていない他のプロセス及び制限対象  

1: これらの用途の規定は第4回会合で示された会議室メモ(UNEP(DTIE)/Hg/INC.4/CRP.3)に基づく例である。


付属書 D
水銀又は水銀化合物が使用されている製造プロセス

パートT:第7条第2項の対象となるプロセス

訳注:第7条第2項:
各締約国は、第8条に従い締約国が登録された免除を持っている場合を除いて、プロセス毎に付属書Dに規定されている廃止期日後は、付属書Dに示される製造プロセス中で水銀又は水銀化合物の使用を許してはならない。


水銀又は水銀化合物が使用されている製造プロセス 廃止期日
塩素アルカリ製造 [2020][2025]
この付属書のパートUにリストされているもの以外で、[触媒][電極又は触媒]として大量の水銀又は水銀化合物を使用するものであり、非水銀代替技術が広く利用可能であるプロセス。 20XX

パートU:第7条第3項の対象となるプロセス

訳注:第7条第3項:
各締約国は、ここに示される規定に従い、付属書DのパートUにリストされているプロセス中での水銀又は水銀化合物の使用を削減するための措置をとらなくてはならない。


水銀使用プロセス 用途の規定
塩ビモノマー
製造
締約国によって取られるべき措置は下記を含むがそれに限らない。
(@)水銀の使用を削減するための措置を促進する。
(A)一次採鉱からの水銀への依存を削減するための措置を促進する。
(B)第10条及び第11条に従い排出と放出を管理する。
(C)水銀を使用しない触媒とプロセスに関する研究と開発を援助する。
(D)締約国会議が代替品は世界的に利用可能であり社会経済的に及び技術的に実行可能であること確立してから[5]年後、水銀の使用を許さない。

パートTにリストされていない他のプロセス及び制限対象 締約国によって取られるべき措置



付属書 E
人力小規模金採鉱

国家行動計画

1.第9条第3項の規定の対象となる各締約国は、その国家行動計画に下記を含めなくてはならない。

(a) 国家目標と削減目標

(b) 下記を廃絶するための行動
(@) 全鉱石アマルガム化
(A) アマルガム又は加工アマルガムの開放加熱
(B) 住宅地域でのアマルガム加熱
(C) 水銀除去を行なわずに水銀が加えられている堆積物、鉱石、又は尾鉱のシアン化合物による処理

(c) 小規模金採鉱分野の公式化又は規制を促進するための措置

(d) 領土内の小規模金採鉱及び処理で使用される水銀の量の基準見積りと採用される実施方法

(e) 水銀を使用しない手法を含んで、小規模金採鉱及び処理の水銀の排出及び放出、及び曝露の削減促進のための戦略

(f) 小規模金採鉱及び処理での使用のための水銀及び水銀化合物の流用の管理または防止のための戦略

(g) 行動計画の実施と開発継続への利害関係者の関与のための戦略

(h) 小規模金採鉱者及び彼等の地域社会の水銀への曝露に関する公衆衛生戦略。そのような戦略は、特に、健康データの収集、ヘルスケア作業者のための訓練、及び健康施設を通じての意識向上を含むべきである。

(i) 脆弱な集団、とりわけ、子どもと妊娠可能年齢の女性、特に妊婦の小規模金採鉱で使用される水銀への曝露を防止するための戦略

(j) 小規模金採鉱者及び影響を受ける地域社会への情報提供のための戦略

(k) 行動計画の実施のためのスケジュール

2. 各加盟国は、その目的を達成するために、水銀を使用しない金採鉱と市場ベースのメカニズム又は市場ツールの標準の使用又は導入を含んで、国家行動計画に追加的な戦略を含めてもよい。


付属書 F
水銀及び水銀化合物の大気排出源のリスト


訳注:議論のベースとして下記文書がある。
UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/4 Air emission thresholds for facilities and information on releases to land and water

排出源 カテゴリー 閾値
石炭焚き火力発電所 定格熱入力 [X] MW
石炭焚き産業用ボイラー 定格熱入力 [X] MW
鉛生産施設 [X] トン/日
亜鉛生産施設 [X] トン/日
銅生産施設 [X] トン/日
工業的金生産施設 [X] トン/日
[マンガン生産施設] [X] トン/日
廃棄物焼却施設 [X] トン/日
セメント生産施設 [X] トン/日
[鉄及び鉄鋼生産施設] [、二次鉄鋼プラントを含む] [X] トン/日
[オイル及びガス生産及び処理施設] 現時点で提案なし
[水銀添加製品が製造される施設] 現時点で提案なし
[付属書D中にリストされている製造プロセス中で水銀又は水銀化合物を使用する施設] 現時点で提案なし


付属書 G
水及び陸地への水銀放出源


訳注:議論のベースとして下記文書がある。
UNEP(DTIE)/Hg/INC.5/4 Air emission thresholds for facilities and information on releases to land and water

水銀及び水銀化合物の水及び陸地への放出源カテゴリー
放出源カテゴリー
水銀添加製品が製造される施設
付属書D中にリストされている製造プロセス中で水銀又は水銀化合物を使用する施設
非鉄金属採鉱及び精錬の副産物として水銀が生成される施設



化学物質問題市民研究会
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