掲示65(2005年12月24日)
2005年11月1日/11月30日
止めよう!ダイオキシン汚染・関西ネットワーク
止めよう!ダイオキシン汚染・関東ネットワーク
ダイオキシン処分場問題愛知ネットワーク
廃プラ燃やすな!市民協議会


塩ビ製品のエコマーク適用対象を拡大したことに関する
日本環境協会への質問状及び日本環境協会からの回答


各地でダイオキシン問題に取組む4つの市民団体が2005年11月1日付で日本環境協会に質問状を出し、2005年11月30日付で日本環境協会から回答を得た。

塩ビ製品のエコマーク適用対象を拡大したことに関する質問状(2005年11月1日)

財団法人日本環境協会エコマーク事務局から上記4市民団体への回答(2005年11月30日)


※ 詳しくは「止めよう!ダイオキシン汚染関西ネットワーク」のホームページをご覧ください。
http://kyoto.cool.ne.jp/daiokansai/shokai.html



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掲示64(2005年11月7日)
2005年11月7日
化学物質汚染のない地球をめざす東京宣言推進実行委員会
代表:中地重晴
〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階
本件の問い合わせ先: 安間 武
ac7t-ysm@asahi-net.or.jp

プレスリリース
化学物質汚染のない地球をめざす東京宣言
    市民の賛同署名2万人 市民団体が国に要望書を提出

詳細は東京宣言推進実行委員会のウェブページをご覧ください。
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tokyo/index.html

東京宣言の要望書提出

 化学物質汚染のない地球をめざす東京宣言推進実行委員会(*参加団体は末尾に掲載)は、11月7日(土)午前、「化学物質汚染のない地球をめざす東京宣言」(別添)に賛同して署名した2万人を超える市民らの署名簿とともに、東京宣言に述べられた理念を日本の環境政策の中で実現するよう小泉総理大臣宛に求める要望書を内閣府に提出した。

 東京宣言は、2004年11月23日に東京で開催された2004年REACH国際市民セミナー「化学物質汚染のない世界をめざして」において参加者有志により採択されたもので、下記を国に求めている。

  1. 予防原則を中心にすえ、より安全な物質等への代替を促進させる
  2. 安全性の不確かな化学物質を使い続けることをやめる
  3. 安全性の立証責任を行政から事業者へと転換し、汚染者負担の原則など製造者責任を強化する
  4. 製品中の化学物質情報の開示など、市民の知る権利を保障する
  5. 規制等の政策決定への市民参加を制度化する
 実行委員会は2005年2月から10月15日まで広く市民に東京宣言への賛同の署名を呼びかけるキャンペーンを展開し、個人署名20,802筆、団体署名131団体の賛同を得た。

 東京宣言は現在、欧州連合で制定に向けて審議されている新しい化学物質規制案REACHの理念を高く評価し、人の健康と環境を高いレベルで保護するという当初の目標が後退することなくREACHが成立することを強く願うとともに、日本政府に対しても人の健康と環境を守るために日本の環境政策に上記の項目を実現するよう求めるものである。

 日本には、1973年発効の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」があるが、化審法制定以前の既存化学物質については十分な安全情報がなく、国はこれらの情報収集のために、2005年6月に「官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム(Japan チャレンジ・プログラム)」を立ち上げたが、これは1,000トン以上の高生産量物質だけを対象としたものであり、また事業者への情報提出を義務付けておらず、全く不十分である。
 したがって、同プログラムを速やかに見直すとともに、環境省が現在策定を進めている第三次環境基本計画の中の「化学物質の環境リスクの低減」に係る戦略的プログラムに、東京宣言の要望を反映させるよう、強く要望する。

東京宣言推進実行委員会参加団体
有害化学物質削減ネットワーク、化学物質問題市民研究会、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、WWFジャパン、全国労働安全衛生センター連絡会議


補足説明

REACHとは

 REACHとは有害な化学物質から人間の健康と環境を守るために、欧州委員会が2001年に出した「将来の化学物質政策のための戦略に関する白書」に基づき、欧州委員会が2003年10月に発表したEUの新しい化学物質規制案で、化学物質の登録、評価、認可のことである。 (REACH - Registration, Evaluation and Authorization of Chemicals)
 同案は2003年5月から7月の約2ヶ月間、国際的なインターネット・コンサルテーションにかけられた後、同年10月29日に欧州委員会から最終案として発表され、現在、制定に向けて欧州連合(EU)の議会及び理事会で審議されており、2006年後半又は2007年前半に立法化されると言われている。

REACHの主な内容

 提案された主な内容は、市場に出る化学物質の安全性を確認することを目的として、@ヨーロッパ域内の製造者/輸入者は新設予定の欧州化学品機構に、年間製造・輸入量が1トン以上の化学物質について安全性等の情報を登録する。登録義務の対象物質は約3 万物質と言われている。AEU当局は登録された内容や試験計画を評価し、必要に応じて追加情報の提供を要求することができる。B発がん性、変異原性、生殖毒性、難分解性、生体蓄積性、有毒性などの有害物質は認可の対象となる。C容認できないリスクを及ぼす物質については、その製造、販売、又は特定の使用に関して、EUレベルで制限することができる─などである。

REACHの基本理念

 REACHの根底には、有害な化学物質から人間の健康と環境を守るために、@既存・新規に関わりなく市場にある化学物質の安全性の確認、A安全性の立証責任の産業側への移行、B人間の健康あるいは環境に危害を与える恐れがある場合には原因と結果の関連が科学的に完全には証明されていなくても予防的措置をとるとする予防原則、C有害な物質やプロセスの代替を探し、より害の少ないものを使用するとする代替原則、D決定のプロセス、化学物質データを市民に公開するとする情報公開、E2020年までに有害化学物質の影響を最小にするとする一世代目標−などの基本理念がある。

アメリカ政府及び産業界の反応

 ブッシュ政権やアメリカ化学協議会( (ACC) )はREACH がアメリカの化学物質政策や産業界へ影響を与えることを恐れて、欧州委員会によるREACH策定時に、欧州化学工業連盟(CEFIC)などと連携して、REACH は広範な失業を引き起こし、アメリカ経済に打撃を与え、ヨーロッパは製造業を発展途上国に奪われて産業の空白化を招くと大々的なロビーイング・キャンペーンを展開した。
 2002年3月21日、国務長官コリン・パウエルは、EU加盟国とその他35カ国に駐在するアメリカ大使に対し、反REACH"行動要請"の電文を発信した。いわゆる"ノンペーパー"の配布である。

日本政府及び日本産業界の反応

 日本政府は2003年のインターネット・コンサルテーションにおいて、企業によるイノベーションや経済活動を阻害し、国際貿易・投資の障害にならぬよう全体の適切なバランスに配慮すべきという、産業界保護の観点からのみなるコメントを経済産業省が提出した。また、アジア太平洋経済協力機構(APEC)の一員としても同様なコメントを出した。さらに2004年6月にはWTO 宛に同様のコメントを出した。
 REACHは人間の健康と環境を守る規制案であるにもかかわらず、環境省及び厚生労働省からの公式発言はない。

 日本の産業界も日本化学工業協会を含む10以上の団体を動員して、産業に及ぼす影響についての懸念を表す同様なコメントをそれぞれ提出した。しかし、本年7月の(社)日本化学物質安全・情報センター主催の、同じく本年9月のWWFジャパン等主催の、「企業向けREACH」セミナーには多くの日本企業の担当者が参加しており、日本企業もREACHへの対応準備に動き出しているように見える。

最近のアメリカの動き

 2005年6月13日に米会計検査院(GAO)が、有害物質規制法(TSCA)の下で、EPAは既存化学物質の安全情報の入手が困難であること、新規化学物質に関し産業側の上市前テストがTSCAで求められていないことなどを指摘し、有害物質規制法(TSCA)を改正するよう議会に勧告した。

 このGAO報告書に基づき、2005年7月13日にジム・ジェフォーズや民主党のジョン・ケリー、ヒラリー・クリントン、エドワード・ケネディら有力議員5人が有害物質規制法(TSCA)の修正案(通称:子ども安全化学物質法)を議会に提出した。
 この法案は、安全性の立証を企業側に求める、安全性基準をもうける、既存化学物質の安全性の決定を優先リストに従い段階的に実施し、全ての化学物質の安全性決定を2020年までに行い、安全基準を満たさない化学物質の使用を2010年までに禁止又は制限する−など、EUのREACHの理念に匹敵する高い理念を導入した人間の健康と環境を守るための画期的な法案である。

日本の現状

化審法
 1973年、PCBによる環境汚染問題を契機に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」が制定され、新規化学物質の製造又は輸入に際して事前に審査する制度を設けるとともに化学物質の有する性状等に応じ、製造、輸入、使用等について必要な規制を行うとしているが、化審法施行以前から市場に出ている既存化学物質は30年以上経過した現在でも、ほとんどの化学物質について安全情報がなく、したがって市場に出ているそれらの安全性が確認されていない。

Japan・チャレンジ・プログラム
 国はREACHなどの動きにあわてたのか、既存化学物質について30年間以上放置しておきながら、今年になって急遽、厚生労働省、経済産業省、環境省の3省が合同で推進会議を2回開き、5月中旬にわずか2週間のパブリックコメントにかけただけで、6月1日付けで「官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム(別名Japan・チャレンジ・プログラム)」を立ち上げた。このプログラムは、アメリカ会計検査院(GAO)の6月13日の報告書で効果が疑わしいと指摘されているアメリカの高生産量化学物質(HPV)に関する自主的収集プログラムと同様なものであり、下記のような問題がある。

  1. 30年間放置していたことを、本年3月24日の第1回推進会議開催から、6月1日の立ち上げまで、わずか2ヶ月8日で決定し、国民に対する十分な説明や国民の意見をまじめに聞こうとする姿勢が全く見られない。
  2. 国の化学物質政策に関する基本理念と枠組み、すなわち、情報収集、安全性評価、法的措置、適用範囲、実施方法、スケジュールが示されていない。
  3. 優先して安全性情報を収集すべき化学物質の選定として「国内年間製造・輸入量が1,000トン以上」としているが、1,000トンの妥当性の説明、及び1,000トン未満の物質の取り扱いについての説明がない。対象となる1,000トン以上の物質はわずか665物質であり、残りの1,000トン未満の物質は数万種に及ぶ。
  4. 事業者は、自主的に本プログラムに参画することとし、優先情報収集対象物質のうち情報収集予定のない物質について民間よりスポンサーを募集して実施するとして、情報収集を事業者に義務づけていない。REACH案においても、米有害物質規制法(TSCA)改正提案においても、人の健康と環境を守るために、当局が有害性を証明するまで潜在的に有害な化学物質が市場に出ているという現状を改め、安全性の立証を事業者に義務付けている。
第三次環境基本計画
 本年2月より環境省は環境基本計画の見直しを行っており、7月19日(火)から8月31日(水)まで新しい環境基本計画のあり方についてのパブリックコメントの募集があった。その後重点分野ごとの検討が検討チームによって行われ、化学物質については「化学物質の環境リスクの低減」に係る戦略プログラムの検討会が8月24日、9月14日、10月27日に計3回行われたが、検討会の開催案内及び検討内容結果については環境省のウェブにも掲載されず、一部の関係者に示されただけである。
 この検討チームでの検討結果に基づき、第三次環境基本計画(案)が作成され、来年パブリックコメントにかけられるとのことなので、東京宣言の要望内容が第三次環境基本計画に反映されるよう強く要望する。

2004年REACH国際市民セミナー
 2004年11月23日にナディア・ハヤマさん(グリーンピース・ヨーロッパ・ユニット 政策担当シニア・オフィサー[ベルギー])とローラン・ボーゲルさん (ヨーロッパ労連 労働安全衛生部研究員[ ベルギー])を講師とする最初の国際市民セミナー 「化学物質汚染のない世界をめざして/EUの新しい化学物質規制−REACH」 を開催した。
 このセミナーにおいて、別添の 「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」 を採択した。

2005年REACH国際市民セミナー
 2005年9月17日、欧州議会でREACH策定に関与したインガー・シェーリングさん(前欧州議会議員、[スウェーデン])と、国際的に化学物質問題に取り組んでいるパール・ロザンダーさん(ChemSec代表[スウェーデン])を講師とする2回目の国際市民セミナー「どうなるEUの新化学物質政策−REACHをめぐる議論と展望」を開催した。
 また、「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」の賛同署名活動の報告も同実行委員会によって行われた。

化学物質汚染のない地球を求める東京宣言
 2004年国際市民セミナーで有志により採択された「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」は、2005年2月から10月15日まで賛同署名を呼びかけるキャンペーンにより、個人署名20,802筆、団体署名131団体の賛同を得た。
 署名簿とともに、東京宣言に述べられた理念を日本の環境政策の中で実現するよう小泉総理大臣に求める要望書を2005年11月7日、内閣府に提出した。


化学物質汚染のない地球を求める東京宣言推進実行委員会事務局
〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階 有害化学物質削減ネットワーク気付け
TEL&FAX 03-5836-4359
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tokyo/index.html

東京宣言推進実行委員会参加団体
有害化学物質削減ネットワーク化学物質問題市民研究会
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議WWFジャパン全国労働安全衛生センター連絡会議


(資料)
化学物質汚染のない地球を求める東京宣言

<背景>これまで人間が創り出した多くの化学物質は私たちに豊かで快適な生活をもたらしてくれました。しかしその半面、私たちの体内だけでなく地球全体がこれまで存在しなかった人工化学物質で汚染されています。この事実と近年のガン、心臓血管系疾患、呼吸器系疾患、喘息、アレルギー、生殖器系疾患、脳神経系の発達障害などの増加及び野生生物に見られる異常との関連が強く疑われています。安全性が確かめられていない多数の化学物質を大量に使用続けることを許し、有害性がわかっても迅速に対応できないこれまでの化学物質管理のあり方を早急に見直す時がきています。

<国際的動向>この問題はすでに1992年の地球サミットで合意された「アジェンダ21」の第19章でも取りあげられており、各国政府は化学物質管理において予防的アプローチ、製造者責任の原則などの採用を検討することが勧告されていました。欧州連合(EU)においては世界に先駆け1998年に欧州理事会がEUの化学物質規制の見直しを指示し、2003年10月に予防原則を取り入れた新しい化学品規制案REACHがまとめられ、現在内容の検討が行われています。

<日本の対応>EU、米国に次ぐ化学物質生産国である日本は過去に水俣病、カネミ油症などの悲惨な経験を持ち、今日においても前述するような化学物質との関連が疑われる疾患や異常等は増加の一途をたどっています。然るに日本政府においては見直しに向けた同様の動きがまったく見られないばかりか、米国と歩調をあわせREACHを弱体化させようとしています。

<汚染のない地球への道>化学物質は国境を自由に行き来するものであり、化学物質汚染のない地球を実現するためには、一部の地域だけでなく世界全体が足並みをそろえ化学物質管理の改革に取り組むことが不可欠です。ことに世界の化学物質生産の70%を占める欧州、米国、日本が率先することが重要です。

よって私たち日本の市民は、EU及び日本政府に対し以下のことを要望します。
1.欧州連合
 EUのREACHに対する取り組みを化学物質汚染のない地球への大きな第一歩として高く評価するとともに、人の健康と環境の安全を高いレベルで確保するという当初の目標が後退することなく成立されることを強く願う。

2.日本政府
 REACHに反対する日本政府および一部の産業界は、短期的な利害のために人の健康や生態系の安全を犠牲にするような干渉を即刻中止すべきである。また、わが国においても次のような観点を考慮に入れ、市民参加のもとで化学物質制度の包括的な見直しに早急に取り組むことを求める。

 @予防原則を中心にすえ、より安全な物質等への代替を促進させる
 A安全性の不確かな化学物質を使い続けることをやめる
 B安全性の立証責任を行政から事業者へと転換し、汚染者負担の原則など製造者責任を強化する
 C製品中の化学物質情報の開示など、市民の知る権利を保障する
 D規制等の政策決定への市民参加を制度化する

2004年11月23日

有害化学物質削減ネットワーク、化学物質問題市民研究会、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、WWFジャパン、グリーンピース・ジャパン、全国労働安全衛生センター連絡会議
国際市民セミナー「化学物質汚染のない世界をめざして」参加者有志



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掲示63(2005年10月11日)
2005年9月30日
松崎早苗

環境基本計画のあり方に関する意見

中央環境審議会総合政策部会 様

 環境基本計画のあり方に関する意見を下記の通り提出します。

  1. 商業的に利用されているすべての化学物質は、最終的に環境に出てくることを確認すること。したがって、現在幾つかの法律で別々に管理されている化学物質を、その製造段階から管理を一元化する必要がある。化学物質は、医薬品、獣医薬品、農薬(殺虫剤、除草剤、殺鼠剤、殺菌剤)、抗生物質、ホルモン剤、サプリメント類、工業化学品、化粧品、洗剤、食品添加物(保存剤、改質剤、着色・発色剤)、高分子材料(プラスチック、繊維、接着剤、展着剤、粘着剤)など多岐にわたる。たとえば、同じ化学物質が食物の生育段階で用いられれば農薬あるいは獣医薬品(サプリメントもある)とよばれ、食品加工段階で用いられれば食品添加物と呼ばれるが、直接あるいは環境経由で間接的に曝露される消責者にとっては、その区別は意味がない。まず、環境省の下に管理の一元化を図り、その下に用途による効能のメリットと曝露によるデメリットの議論を行うスキームが望ましい。この各スキームに従来の体制を生かせばよい。

  2. 一元化管理を可能にする第一段階として、商品名を主成分名に近づけることが必要。管理は一人行政がすることではなく、製造・加工業者と消費者の行動とともに進んでいくものであるから、商品名が化学物質を表していなければ流通の下方に行くほど、管理への参加が困難になる。国民が自衛のための消費行動をしようとしても、最も主要な情報である商品名に主成分をイメージさせる名前がついていなければ、まず行動を起こすことができない。虫眼鏡が要るような細かな字の成分表示よりも、まず商品名の改善が求められる。

  3. 一元化管理であろうとなかろうと、化学物質を管理していると宣言できる状態とは何かを、定義する必要がある。現在の状態は到底管理しているとは言い難い。事が起こった後で、その物質に関する毒性の研究やモニタリングやリスク評価を行っているだけである。事が起こっていない物質は放置されているが、本当に事が起こっていないのかどうか、誰も知らない。万という種類の化学物質を利用しながら、その特性を把握しているのはせいぜい数百種類であろう。詳細リスクに至っては世界でも数十種類と言われている。このような状態を「管理している」と言えるのかどうか、議論するよう求める。

  4. 「管理している」と言えるためには、マンパワーや資金に対応して総数を制限する必要があると思う。医薬品に例をとれば、一つの効能に数十種の商品があり、数を制限するというコンセプトが無いために、事実上無数の商品が生まれる素地を作っている。しかし、それらを医師が使いこなすことすら出来そうにもないほど多くの医薬品が存在する必要があるのだろうか。国民の立場からすれば、これは非常に憂慮すべき状態である。そこで、国としては、一つの効能に対して許可する薬品の数を制限することが適当であろう。 よりよい薬品が生まれたならば審議会にかけて従前のものとの比較を行い、トータルにみて本当により良いと判断されれば、従前のものと入れ替えればよい。このようなことは、医薬品以外の分野でも可能である。このようにしなければ「管理している」とはとても言えない。市場の原理を働かせればすべてうまく行くという主張があるが、市場は市場、国の管理は管理で、立場が異なる。国民の安全、健康に責任をもつべき国は管理原則を一体どこに置くのか、国民的議論を起こすよう求める。

以上


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掲示62(2005年8月22日)

プレスリリース
2005年8月22日
化学物質汚染のない地球をめざす東京宣言推進実行委員会
代表:中地重晴
〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階
問い合わせ先: 安間 武 (化学物質問題市民研究会)
ac7t-ysm@asahi-net.or.jp

2005年国際市民セミナー 9月17日(土)開催
どうなるEUの新化学物質政策−REACHをめぐる議論と展望−

2005年国際市民セミナー開催

 化学物質汚染のない地球をめざす東京宣言推進実行委員会(*参加団体は末尾に掲載)は、9月17日(土)、13時〜17時、全水道会館(東京・水道橋)で、2005年国際市民セミナー「どうなるEUの新化学物質政策−REACHをめぐる議論と展望−」を開催する。
 同セミナーは、昨年11月に開催したREACH国際市民セミナーに引き続くものであり、欧州議会でREACH策定に関与したインガー・シェーリングさん(前欧州議会議員/スウェーデン)と、国際的に化学物質問題に取り組んでいるパール・ロザンダーさん(ChemSec代表/スウェーデン)に、REACHとは何か、現在何が議論されているのか、そしてその展望は−などについて最新の情報を提供していただく。
 また、昨年11月の国際市民セミナーの場において採択された「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」の賛同署名活動の報告も同実行委員会によって行われる。

セミナー参加申込: メール(comeon@toxwatch.net)又は FAX(03-5836-4359) (先着150名)
東京宣言推進実行委員会のウェブサイトからのオンライン申込も可。資料代:1000円は会場で。
詳細は実行委員会ウェブサイト: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tokyo/

REACHとは

 REACHとは、有害な化学物質から人間の健康と環境を守るために、欧州委員会が2001年に出した「将来の化学物質政策のための戦略に関する白書」に基づいて、欧州委員会が2003年10月に発表したEUの新しい化学物質規制案で、化学物質の登録、評価、認可−REACH(Registration, Evaluation and Authorization of Chemicals)のことである。
 同案は2003年5月から7月の約2ヶ月間、国際的なインターネット・コンサルテーションにかけられた後、同年10月29日に欧州委員会から最終案として発表され、現在、制定に向けて欧州連合(EU)の議会及び理事会で審議されており、2006年後半又は2007年前半に立法化されると言われている。

REACHの主な内容

 提案された主な内容は、市場に出る化学物質の安全性を確認することを目的として、@ヨーロッパ域内の製造者/輸入者は新設予定の欧州化学品機構に、年間製造・輸入量が1トン以上の化学物質について安全性等の情報を登録する。登録義務の対象物質は約3 万物質と言われている。AEU当局は登録された内容や試験計画を評価し、必要に応じて追加情報の提供を要求することができる。B発がん性、変異原性、生殖毒性、難分解性、生体蓄積性、有毒性などの有害物質は認可の対象となる。C容認できないリスクを及ぼす物質については、その製造、販売、又は特定の使用に関して、EUレベルで制限することができる─などである。

REACHの基本理念

 REACHの根底には、有害な化学物質から人間の健康と環境を守るために、@既存・新規に関わりなく市場にある化学物質の安全性の確認、A安全性の立証責任の産業側への移行、B人間の健康あるいは環境に危害を与える恐れがある場合には原因と結果の関連が科学的に完全には証明されていなくても予防的措置をとるとする予防原則、C有害な物質やプロセスの代替を探し、より害の少ないものを使用するとする代替原則、D決定のプロセス、化学物質データを市民に公開するとする情報公開、E2020年までに化学物質の全ての有害な影響を最小にするとする一世代目標−などの基本理念がある。

化学物質による健康影響や環境汚染の低減が期待される

 REACHは化学物質に関するEUの既存の多くの指令を統合した総合的な化学物質規制として導入されるので、EU全体で効果的に機能し、化学物質による健康影響や環境汚染の低減が期待される。
 またREACHは、EUに輸入される化学物質に対しても適用されるので、EUに化学物質製品を輸出する全世界の製造者がREACHにより求められる安全情報を提出することになり、これによりEUのみならず全世界の市場に安全性が確認された製品が出ることが期待される。

REACHは世界の化学物質政策に影響を与える

 REACHの高い基本理念が各国の化学物質政策に影響を与えることが期待される。REACH に強く反対しているブッシュ政権のアメリカでも、最近、米会計検査院(GAO)からEPAの化学物質のリスク評価と規制能力を改善するための勧告が出され、これに基づき7月に、民主党のジョン・ケリーやヒラリー・クリントン、エドワード・ケネディら有力議員らによりREACHに見られる理念を織り込んだ有害物質規制法(TSCA)の改正提案(別名:子ども安全化学物質法)がなされた。日本ではこのような動きは見られない。

アメリカ政府及び産業界の反応

 ブッシュ政権やアメリカ化学協議会( (ACC) )はREACH がアメリカの化学物質政策や産業界へ影響を与えることを恐れている。そこで欧州委員会によるREACH策定時に、欧州化学工業連盟(CEFIC)などと連携して、REACH は広範な失業を引き起こし、アメリカ経済に打撃を与え、ヨーロッパは製造業を発展途上国に奪われて産業の空白化を招くと大々的なロビーイング・キャンペーンを展開した。

日本政府及び日本産業界の反応

 日本政府は2003年のインターネット・コンサルテーションにおいて、企業によるイノベーションや経済活動を阻害し、国際貿易・投資の障害にならぬよう全体の適切なバランスに配慮すべきという、産業界保護の観点からのみなるコメントを経済産業省が提出した。また、アジア太平洋経済協力機構(APEC)の一員としても同様なコメントを出した。さらに2004年6月にはWTO 宛に同様のコメントを出した。
 REACHは人間の健康と環境を守る規制案であるにもかかわらず、環境省からの公式発言はない。
 日本の産業界も日本化学工業協会を含む10以上の団体を動員して、産業に及ぼす影響についての懸念を表す同様なコメントをそれぞれ提出した。しかし、本年7月に開催された、(社)日本化学物質安全・情報センター(JETOC)主催の「REACH」セミナーには多くの日本企業の担当者が参加しており、日本企業もREACHへの対応準備に動き出しているように見える。

現在、EUで何が議論されているのか

(1) 産業界との議論
 EU の産業界は、REACHはコストがかかりEU化学産業の競争力と革新を阻害すると主張している。
 しかし、REACHのビジネスへの影響については欧州委員会が2003年のREACH最終提案時に予想コストと利益に関する影響評価を発表した。予想コストは既存化学物質の登録期間である11年間で28〜52億ユーロ(約3,700〜6,800億円)であり、EU の域内総生産(GDP)への総合的影響は限定されたものであるとし、一方、環境と人間の健康に対する予想利益の概算は30年間で500億ユーロ(約6兆5千億円)としている。
 また、新規物質の登録手続きが容易となり、既存/新規物質は同等に扱われることで、より安全な代替物質を開発する動機付けとなり、EU化学産業に革新をもたらすとしている。
 これに対し、欧州産業界は、国際的なコンサルティング会社KPMGに影響調査委託し、その結果が2005年4月に欧州委員会のワーキング・グループで検討されたが、中小企業が若干の影響を受けるが、それ以外は欧州産業が影響を受けるという証拠はほとんどないとしている。
 EU の産業界はまた、REACHは手続きが複雑で実行可能性に問題があるとしているが、産業界、加盟国、及び欧州委員会からなるSPORT((Strategic Partnership on REACH Testing)プロジェクトが2005年7月に、REACH規制案の実行可能性を検証した報告書を提出した。それによれば、現状のREACHの条文は調整と明確化が必要であるが、REACHは実行可能であることを示した。また、同報告書はREACH実施のためのガイダンスとツールが必要であると強調したが、ガイダンス及びITツールの開発作業は欧州委員会のREACH 実施プロジェクト(RIPs)が行っている。

(2) 欧州議会での議論
 欧州議会では10の異なる委員会が修正項目を検討中である。環境委員会からだけでも1,000以上の修正項目が出されており、主要なものとして@1物質1登録(OSOR)、A低生産量物質(約20,000種)の登録方法、B免除の範囲、C優先順位の設定、D欧州化学品機構の役割強化−などがあるが、REACHの内容を大幅に変更するものではないと言われている。

REACHの早期立法化が期待される

 2001年にEUの白書が出されて以来、様々な議論が提起され、また産業側からの強い圧力を受けてREACHの立法化は遅れているが、本年7月19日のEU環境委員スタブロス・ディマスのスピーチによれば、現在、欧州議会内の各委員会でREACH修正案が討議されており、本年中の議会及び理事会での承認を目指しているとのことなので、2006年後半又は2007年前半に立法化されることが期待される。
 欧州委員会は、REACHは「人の健康と環境の保護」及び「EU産業の持続可能な発展」とを両立させるものであるとしている。しかし、有害な化学物質から人間の健康と環境を守るためのREACHが、EU化学産業の競争力を守るという名目の下にこれ以上後退し遅れることなく、早急に立法化されることをEUだけでなく世界の多くの市民、消費者、労働者、環境団体、消費者団体、そして労働組合は願っている。

化学物質汚染のない地球を求める東京宣言

 同実行委員会の参加団体を含む7つのNGOは、昨年11月23日にナディア・ハヤマさん(グリーンピース・ヨーロッパ・ユニット 政策担当シニア・オフィサー[ベルギー])とローラン・ボーゲルさん (ヨーロッパ労連 労働安全衛生部研究員[ ベルギー])を講師とする最初の国際市民セミナー 「化学物質汚染のない世界をめざして/EUの新しい化学物質規制−REACH」 を開催するとともに、別添の 「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」 を採択した。
 同宣言の賛同署名キャンペーンが同実行委員会によって行われており、7月31日現在、個人15,000人以上、団体110以上の賛同署名が寄せられている。8月31日に集約し、賛同署名簿とともに、東京宣言の要望を日本政府に伝える予定である。

東京宣言推進実行委員会参加団体

有害化学物質削減ネットワーク、化学物質問題市民研究会、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、WWFジャパン、全国労働安全衛生センター連絡会議


(資料)
化学物質汚染のない地球を求める東京宣言

<背景>これまで人間が創り出した多くの化学物質は私たちに豊かで快適な生活をもたらしてくれました。しかしその半面、私たちの体内だけでなく地球全体がこれまで存在しなかった人工化学物質で汚染されています。この事実と近年のガン、心臓血管系疾患、呼吸器系疾患、喘息、アレルギー、生殖器系疾患、脳神経系の発達障害などの増加及び野生生物に見られる異常との関連が強く疑われています。安全性が確かめられていない多数の化学物質を大量に使用続けることを許し、有害性がわかっても迅速に対応できないこれまでの化学物質管理のあり方を早急に見直す時がきています。

<国際的動向>この問題はすでに1992年の地球サミットで合意された「アジェンダ21」の第19章でも取りあげられており、各国政府は化学物質管理において予防的アプローチ、製造者責任の原則などの採用を検討することが勧告されていました。欧州連合(EU)においては世界に先駆け1998年に欧州理事会がEUの化学物質規制の見直しを指示し、2003年10月に予防原則を取り入れた新しい化学品規制案REACHがまとめられ、現在内容の検討が行われています。

<日本の対応>EU、米国に次ぐ化学物質生産国である日本は過去に水俣病、カネミ油症などの悲惨な経験を持ち、今日においても前述するような化学物質との関連が疑われる疾患や異常等は増加の一途をたどっています。然るに日本政府においては見直しに向けた同様の動きがまったく見られないばかりか、米国と歩調をあわせREACHを弱体化させようとしています。

<汚染のない地球への道>化学物質は国境を自由に行き来するものであり、化学物質汚染のない地球を実現するためには、一部の地域だけでなく世界全体が足並みをそろえ化学物質管理の改革に取り組むことが不可欠です。ことに世界の化学物質生産の70%を占める欧州、米国、日本が率先することが重要です。

よって私たち日本の市民は、EU及び日本政府に対し以下のことを要望します。
1.欧州連合
 EUのREACHに対する取り組みを化学物質汚染のない地球への大きな第一歩として高く評価するとともに、人の健康と環境の安全を高いレベルで確保するという当初の目標が後退することなく成立されることを強く願う。

2.日本政府
 REACHに反対する日本政府および一部の産業界は、短期的な利害のために人の健康や生態系の安全を犠牲にするような干渉を即刻中止すべきである。また、わが国においても次のような観点を考慮に入れ、市民参加のもとで化学物質制度の包括的な見直しに早急に取り組むことを求める。

 @予防原則を中心にすえ、より安全な物質等への代替を促進させる
 A安全性の不確かな化学物質を使い続けることをやめる
 B安全性の立証責任を行政から事業者へと転換し、汚染者負担の原則など製造者責任を強化する
 C製品中の化学物質情報の開示など、市民の知る権利を保障する
 D規制等の政策決定への市民参加を制度化する

2004年11月23日

有害化学物質削減ネットワーク、化学物質問題市民研究会、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、WWFジャパン、グリーンピース・ジャパン、全国労働安全衛生センター連絡会議
国際市民セミナー「化学物質汚染のない世界をめざして」参加者有志

プレスリリースPDF版


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掲示61(2005年7月28日)
2005年7月26日
石綿対策全国連絡会議
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階
PHONE(03)3636-3882 FAX(03)3636-3881
Email: banjan@au.wakwak.com
URL: http://park3.wakwak.com/.banjan/
(連絡担当: 事務局長 古谷杉郎)>


アスベスト問題に係る総合的対策に関する提言


※ 下記PDFファイルをダウンロードして、ご覧ください。
(内閣総理大臣宛)
アスベスト問題に係る総合的対策に関する提言
(約60kb)



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掲示60(2005年5月20日/5月23日)
説明追加 2005年5月23日
2005年5月20日
化学物質問題市民研究会
〒136-0071
東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階

パブリックコメントへの意見
官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム
既存化学物質の総点検をすべき

 厚生労働省、経済産業省、環境省の3省が表記のパブリックコメントの意見募集を2005年4月25日から5月20日まで行いましたので、当研究会が提出した意見を紹介します。
 化学物質を規制する「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法1973年)では、新たに製造又は輸入される工業用化学物質(新規化学物質)については事前審査を受けることが義務づけられました。しかし、現に製造又は輸入が行われていた化学物質(既存化学物質)は事前審査制度の対象とせず、化審法制定時の国会の附帯決議において、「その安全性確認のため、早急に総点検を実施し、その結果、特定化学物質として指定された化学物質については、環境汚染の進行を防止するため、すみやかに回収命令の発動、勧告等必要な措置を講ずること」とされました。
 しかし、この決議がなされてからすでに30年以上も経過しているのに、既存化学物質の総点検はいまだに実現していません。

 欧州連合(EU)では、人の健康と環境を守るという理念の下に、新たな化学物質規制案REACHが提案されており、EUの現行法では規制の対象外となっている1981年以前に市場に出された既存化学物質も、新規化学物質と同等に規制の対象とすることとしています。そして安全性を立証する責任は当局ではなく事業者にあるとしています。

 同プログラムでは、国内年間製造・輸入量が1,000トン以上の既存化学物質は、国と産業界が連携して、経済協力開発機構(OECD)の高生産量化学物質(HPVC)安全性情報収集プログラムと協調しながら、2008年度までに安全性情報を収集・発信するとしています。しかし、1,000トン未満の物質の取扱いについては今後の検討課題であるとして具体的なスケジュールを示さず、問題解決を先送りにしています。
 同プログラムの問題点を要約すれば:
  1. 国の化学物質政策に関する基本理念と、その枠組み、すなわち、情報収集、安全性評価、法的措置、実施範囲、実施方法、スケジュールが示されていない。
  2. 優先して安全性情報を収集すべき化学物質の選定として「国内年間製造・輸入量が1,000トン以上」としているが、1,000トンの妥当性の説明、及び1,000トン未満の物質の取り扱いについての提案がない。
    (対象となる1,000トン以上の物質はわずかか665物質であり、残りの1,000トン未満の物質は数万種に及ぶ)。
  3. 事業者は、自主的に本プログラムに参画することとし、優先情報収集対象物質のうち情報収集予定のない物質について民間よりスポンサーを募集して実施するとあるが、情報収集は"自主的"ではなく、事業者に"義務付ける"べきである。
  4. 製造・輸入量が多い物質だけではなく、環境残留性又は生体蓄積性の高い化学物質は優先情報収集対象物質とすべきである。
  5. 最終的な情報収集の範囲とスケジュール(完了期限)が示されていない。
 提出した意見を以下に紹介します。


2005年5月20日
化学物質問題市民研究会
〒136-0071
東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階
環境省環境保健部化学物質審査室 御中

(意見)
1. 「官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム」は、国の化学物質政策に関する基本理念と、その枠組み、すなわち、情報収集、安全性評価、法的措置、実施範囲、実施方法、スケジュール、等が明確にされた上で、議論されるべきである。
 ところが、国の既存化学物質に関する政策の理念と枠組み及びスケジュールは明確には示されていない。どのような理念に基づいて、いつまでに、どの範囲を、どのような方法で、既存化学物質の情報収集、安全性評価、法的措置を実施するのか、すなわち、国は、ある製造量/輸入量以上の既存化学物質について、いつまでに、有害なもの及び安全性の確認されないものを市場からなくそうとしているのかを明確に提案し、その範囲(製造量/輸入量)、スケジュール、評価方法、実施方法等の妥当性について、まずパブリックコメントにかけるべきである。
 既存化学物質の情報収集だけではなく、早急な"安全性の総点検"と"法的措置の実施"が要求されていることを認識すべきである。

(理由)
1-1. 国民の懸念は、既存化学物質の安全性情報がないことだけではなく、安全性が確認されていない非常に多くの化学物質が市場に出ているということにある。
1-2. 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案に対する附帯決議(参議院商工委員会、昭和48年6月22日)において、「既存化学物質についても、その安全性確認のため、早急に総点検を実施し、その結果、特定化学物質として指定された化学物質、…については、環境汚染の進行を防止するため、すみやかに回収命令の発動、勧告等必要な措置を講ずること」−としており、この決議がなされてからすでに30年以上経過しているが、いまだに実現していない。

(意見)
2. 優先して安全性情報を収集すべき化学物質の選定として 「国内年間製造・輸入量が1,000トン以上」 という基準は高すぎる。また、「1,000トン未満である物質の取扱いについては今後の検討課題である」として具体的な提案をせず、問題解決を先送りしている。人の健康と環境を守るという観点から、「1,000トン以上」が妥当であるとする根拠を見出すことはできない。

(理由)
2-1. 参考4 に示される 「優先情報収集対象物質の考え方」 によれば、1,000トン以上の化学物質の検出割合は50%となっている。この検出割合の定義が示されておらず、この数値をもって「1,000トン以上」が妥当であるとすることはできない。むしろ、この検出割合50%という数値を見ると、1,000トン以下の化学物質の安全性が確認されないことについて、さらに不安が増す。

2-2. OECDの高生産量化学物質点検プログラムを実現すれば、人の健康と環境を守る上で十分というわけでは決してない。製造者又は輸入者当たり年間 1 トン以上製造又は輸入される化学物質を登録対象とする(初期評価は10トン以上)REACHの理念と比べると、あまりにも隔たりがありすぎる。

(意見)
3. 事業者は、自主的に本プログラムに参画することとし, 優先情報収集対象物質のうち情報収集予定のない物質について民間よりスポンサーを募集して実施するとあるが、情報収集は"自主的"ではなく、事業者に"義務付ける"べきである。

(理由)
3.1. 事業者である化学物質の製造者または輸入者が化学物質のライフサイクル(製造、使用、及び処分)における安全性の立証を行うべきことは、事業者の責任として当然なことである。事業者が安全性の確認されていない化学物質を市場に出すということは、人の健康と環境を守るという観点から許されない。また、そのことを法的に許してきた国にも責任がある。国は"自主的"ということで事業者の責任をあいまいにしてはならない。

3.2. 化学物質の情報を最も持っているのはその物質の製造者であり、その製造者が情報提供をするということが最も理にかなっている。

3.3. 民間よりスポンサーを募集するとしているが、必ずスポンサーがつくという保証がない。これはこのプログラムの実行可能性及び確実性に関わることである。

(意見)
4.優先して安全性情報を収集すべき化学物質の選定対象として、現時点では必ずしもその有害性が科学的に十分には証明されていなくても、環境残留性又は生体蓄積性の高い化学物質−たとえば過フッ素化合物類(パーフルオロ化合物類 PFCs)など−は含めるべきである。

(理由)
4.1. 環境残留性又は生体蓄積性は一般的には非可逆的であり、将来、その有害性が確認されてから措置をとっても手遅れになる。予防原則に基づき、事前に対処すべきである。

(意見)
5. 「官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム」には、情報収集のスケジュール(完了期限)が示されていない。実施する範囲と完了期限を明確に示し、国民に対してその実施をコミットすべきである。明確な展望とスケジュールを示さず、成り行き任せで実施するということでは、あまりにもお粗末である。

(理由)
5.1 国が実施するプログラムとして、範囲とスケジュールを明確に示し、その実施をコミットすべきことはあまりにも当然である。どの範囲をいつまでに実施するのかを示すスケジュールなくして進捗管理を行うことはできない。

5.2 (意見)1で述べたとおり、国の化学物質政策の基本理念と枠組み、及びスケジュールが明確にされていないから、このようなことになる。

以上



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掲示59(2005年4月25日)
2005年4月
廃プラ燃やすな!市民協議会
代表 植田靖子
事務局 日本消費者連盟気付
〒162-0042東京都新宿区早稲田75

3Rイニシアティブ閣僚会合に向けた
持続可能社会を目指す市民提言

3Rイニシアティブ閣僚会合議長
環境大臣 小池百合子様

 私たちは持続可能な生産、消費、そしてゼロ・ウェイストを目指す市民団体です。
 4月28日から東京で開催されるG8 3Rイニシアティブ閣僚会合の議題に関し、我々は、この閣僚会合 で形成されようとしている枠組みに関して次のような懸念をもっております。

 先に公表された、同会合に向けたイシューペーパーでは、G8各国内における廃棄物の発生の削減(Reduction)よりも、リサイクル(Recycle)についてより重点が置かれ、具体的に踏み込んだ議論がなされて、G8各国が国内の廃棄物発生を最小化してゆくという政治的意思が明確に示されていません。
 削減が担保されていない現状において、リサイクル目的で廃棄物の貿易障壁を低減することは、G8諸国をはじめとする先進国で発生する廃棄物が、アジアを中心とした途上国へ、リサイクル目的で大量に流れる道を開く恐れがあります。このことは同時に、現在必ずしも排出削減に成功しているとはいえないG8各国の廃棄物に、途上国という「出口」を与え、G8各国内の排出削減が更に大きく後退するであろうことが強く懸念されます。
 更に、有害廃棄物に関しては、G8諸国のうち、アメリカはバーゼル条約を批准しておらず、また日本、カナダ、ロシアはリサイクル目的の有害廃棄物の輸出を禁じた改定条項を批准していません。この状態を追認したまま、廃棄物の貿易障壁を低減することは、改定条項の発効やすでに批准した諸国における順守を阻害する恐れさえあります。

 よって我々はG83Rイニシアティブ閣僚会合に対して、以下を求めます。

1)G8各国内での削減を世界に対して公約すること:
 「国内での3Rを優先」を担保するため、明確な目標をもったG8各国国内の廃棄物削減政策が不可欠です。
 廃棄物の発生量が多く、把握できていない分が多いほど、残りの二つのRは困難かつ不適切なものになることは過去の経緯から明白です。
 最初のステップとして、目標年を決めてゴミを発生させない社会への移行をする「ゼロ・ウィエスト」の公約をまずG8諸国が打ち出すべきです。

2)有害廃棄物を途上国に送らないことをその手段とともに確約すること:
 廃棄物の国内処理を前提とすると謳うのであれば、それを担保する手段のひとつとして、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の、リサイクル目的も含めて有害廃棄物の先進国から途上国への移動を禁ずる修正条項をG8諸国が批准することが不可欠の前提です。(尚、バーゼル条約にさえ批准していないアメリカは、条約と修正条項の両方批准が必要です)

3)途上国を始めとする関係国と市民団体の参加の確保された場で議論を行うこと:
 途上国の環境と社会に重大な影響を及ぼす議論は、必ず、途上国や、問題に取り組んで来た市民団体の意見が反映できる仕組みの下での議論を行うことが必要です。

4)クリーンプロダクションを推進すること:
 技術協力開発に関しては、有害物質を使わない、有害廃棄物を発生さない、廃棄物自体の発生をなくしてゆくことを目指した設計や流通、再生産のためのクリーンプロダクションを優先することを基本として、途上国を支援すべきです。これは途上国のみならず、G8等の工業先進諸国においてクリーンプロダクションの実施に取り組む企業の成長につながります。
 また、廃プラスチック焼却熱の回収をリサイクルと見なしての技術移転がなされることはきわめて危険です。日本を始めとするG8諸国の経験からも、焼却が環境汚染の重大な原因であり、最も循環利用が困難な廃棄物とは焼却灰であることを改めて認識し、焼却を脱却するとともに、焼却炉の輸出や技術移転は自粛すべきです。

5)EPR(拡大生産者責任)を徹底すること:
 G8諸国間でまず、すでに実施されている各国のEPRを評価し、21世紀の循環型社会を持続させていく上で最良のEPRのあり方を見いだし、共通認識を確立することが必要です。
 その認識を踏まえ、G8各国は最良のEPRを徹底して遂行することを約束し、生産者、行政、消費者が応分の負担を引き受けることの必要性と重要性を世界に向けて宣言するべきです。

 *)日本政府は、循環型社会形成推進基本法及び各種リサイクル法(容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、自動車リサイクル法など)のなかにEPRの考え方を導入していると説明をしていますが、例えば日本の容器包装リサイクル法や家電リサイクル法をEUのドイツやフランスなどの同種の法律と比べても、本来生産者が負担すべき外部不経済コストや製品廃棄物の生産者による回収・再使用、有害物質管理などの方策の義務づけが不十分であり、抜本的な見直しが不可欠です。

6) 予防原則・代替原則を推進すること:
 POPs条約の附則第5章では、ダイオキシン類対策として原則焼却処理の抑制とダイオキシン類の発生抑制のための製品代替方策の導入を打ち出しています。また、環境保護の基本原則の一つである予防原則には、より安全なあるいは害のない代替がある場合にはそれに代替するという「代替の原則」という柱があります。G8諸国はこれらの原則に沿った行動をとることを明言するべきです。

 *)日本の廃棄物・資源化政策のなかにはこの製品[物質]代替原則がないといってもよい状態です。廃棄物処理法をはじめとする各種関連法令のなかにこの代替原則を導入する必要があります。

以上
【賛同団体】

NPO法人ごみ問題5市連絡会、日本消費者連盟、市民ネットワークちば花見川、市民ネットワークちば、栄工場のゴミを考える会、 ダイオキシン問題を考える市民の会、さくら・市民ネットワーク、止めよう!ダイオキシン汚染・関東ネットワーク、練馬区循環型社会をめざす会、藤沢エコネット、せたがやごみをへらす会、化学物質問題市民研究会


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掲示58(2005年3月17日)
2005年3月16日
原告代理人 弁護士 中下裕子
〒105-0004東京都港区新橋4−25−6
ヤスヰビル2・6階
コスモス法律事務所

プレス・リリース
本件名誉毀損裁判について

1.本件訴訟の概要
(1)当事者
   原告:松井三郎・京都大学地球環境学大学院教授、文部科学省特定領域研究班(平成13〜15年度)「内分泌攪乱化学物質の環境リスク」代表
   被告:中西準子・独立行政法人産業技術総合研究所化学物質リスク管理研究センター所長、前横浜国立大学教授

(2)請求内容
   @ 慰謝料および弁護士費用として金330万円の支払い
   A 「中西準子のホームページ」への謝罪文の掲載
   B 日本内分泌攪乱化学物質学会発行のニュースレター「Endocrine Disrupter NEWS LETTER」に謝罪広告の掲載

(3)名誉毀損行為の内容
(@)環境省主催の「第7回内分泌攪乱化学物質問題に関する国際シンポジウム」(平成16年12月15日〜17日、名古屋市で開催)の第6セッション「リスクコミュニケーション」に、中西氏は座長として、松井氏はパネリストの1人として参加した。
(A)その後、中西氏は、自らのHPに「雑感286−2004.12.24『環境省のシンポジウムを終わって―リスクコミュニケーションにおける研究者の役割と責任』」と題する記事を掲載し、その中で、松井氏が、
   @ 「環境ホルモン問題は終わった、次はナノ粒子問題だ」というような発言をした
   A 新聞記事のスライドを見せたが、原論文も読まずに記事をそのまま紹介した
旨の記述をした。
 しかしながら、松井氏は、自身の環境ホルモン研究結果から、ナノ粒子の有害性に言及し、新聞記事のスライドを紹介したのであって、中西氏の上記の記述は事実に反するとともに、松井氏の名誉を著しく毀損するものである。
(B)松井氏が抗議したため、中西氏は2005年1月20日にこの記事を削除した。しかし、松井氏に対する名誉回復措置は何ら講じられていない。よって、前記(2)の内容を求めて、本件提訴に及んだ次第である。

2.提訴に至った理由
 本件は、決して、松井氏が個人的な名誉回復だけを求めて提訴したものではない。松井氏が提訴に踏み切ったのは、次のような理由からである。
(1)批判そのものが悪いというのではない。むしろ、科学の発展は、建設的批判抜きにはあり得ないといっても過言ではない。しかし、いやしくも「科学者」である以上、他者を批判するときは、少なくとも他者の意見をよく聞き、事実に基づいて、合理的根拠を示して行うべきは当然である。本件のように、碌に他者の発言も聞かず、事実も確認せず、一方的に他者の名誉を毀損するような決めつけを行うことは、「科学者」の名に値しない行為である。ましてや、中西氏は単なる一科学者ではない。科学者を指導育成し、国の科学技術のあり方を決定するという重責を担っている。前記シンポジウムでも、「リスクコミュニケーション」問題の座長を務めていたのである。本件行為は、そのような立場にある者の言動として、看過できないものである。

(2)さらに、中西氏は、「環境ホルモン問題は終わった」と考えておられるようであるが、これは大変な間違いである。松井氏らの研究成果からも、環境ホルモン問題は、複雑ではあるが、人の健康や生態系にとって、決して看過できない重大な問題であることが明らかになっている。したがって、今後も、ますます精力的に研究を進め、有効な対策を講じることが求められている。中西氏のように、国の科学技術のあり方を決定する立場の人が、そのような誤った認識を持ち、その結果、国が政策決定を誤ることになれば、国民の健康や生態系に取り返しのつかない事態も招来しかねない。特に、次世代の子どもたちの発達や健康への悪影響が懸念される。近年、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害やアトピー、喘息などのアレルギー児が増加しているが、その原因のひとつに環境中の化学物質の影響が懸念されているのである。松井氏は、研究者として、国民の一人として、中西氏のこのような誤りを断じて見過ごすことはできないものと考え、貴重な研究時間を割いて、敢えて本件提訴に踏み切ったのである。



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掲示57(2005年2月1日)
2005年1月30日
化学物質問題市民研究会
代表 藤原 寿和
〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル4F
TEL/FAX 03-5836-4358
syasuma@tc4.so-net.ne.jp
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/

内分泌かく乱化学物質に関するパブリック・コメント”に関する要望書

環境大臣 小池百合子 殿

〈要望事項〉

 貴省が実施された、「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方 針について(案)」に対する意見の募集についての募集期間を1ヶ月延期されたい。

〈理由〉

 2004年12月28日、貴省は、「『化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後 の対応方針について(案)』に対する意見の募集について」として、見直し案を示 し、これに対するパブリックコメント募集を始め、その締切は2005年1月28日となっ ています。 ところが、2005年1月25日になって、貴省は、「内分泌撹乱化学物質影響調査研究報 告書」をホームページにアップされました。この報告書の内容は、今回の意見の募集 事項に関連するものであり、見直し案に触れられていない報告も含まれています。 意見を述べるにあたっては、これらの資料を精査する必要があります。しかしなが ら、これらは1000ページにも及ぶ大部のものであり、到底1月28日までに精査するこ とは不可能でした。
 また、本報告書は今回の意見募集とは関係が無い旨の「お知らせ」がホームページ に掲載されましたが、今回の意見を出すに当って欠くことのできない資料であって、 甚だ不適切な対応だと言わざるをえません。
 したがって、上記のとおり、募集期間を1ヶ月延期されたく、お願い申し上げます。
 なお、当会では、一昨日、仮の意見を提出しましたが、これらの資料を精読した 後、改めて意見を提出いたします。

以上


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掲示56(2005年2月1日)
2005年1月28日
化学物質問題市民研究会

内分泌かく乱化学物質に関するパブリック・コメントへの意見

環境省環境保健部環境安全課 御中

件名パブリックコメントを送付しますのでご査収ください。

意見:

2.SPEED’98 における具体的な取組み(2) 生態系への影響評価のための魚類を用いた試験
(意見及び理由)
  • 「26 物質で試験を実施した結果、環境中の濃度を考慮した濃度で4-ノニルフェノール(分岐型)と4-t-オクチルフェノールでメダカに対し内分泌かく乱作用を有することが強く推察され、またビスフェノールAでもメダカに対し内分泌かく乱作用を有することが推察された。残りの21 物質については、明らかな内分泌かく乱作用は認められないと判断した」とあるが:

    ■「明らかな内分泌かく乱作用は認められない」ということをどう判断するのか。明らかではないが、内分泌かく乱作用が示唆されたのか? 正確な表現をすべきである。
    ■フタル酸ジ-2-エチルヘキシルなど8物質については「精巣卵の出現が確認されたが、受精率に悪影響を与えるとは考えられず」とあり、資料を見ると「雄の肝臓中ビテロジェニン濃度の僅かな高値、あるいは低頻度の精巣卵の出現などあり」とあるが、受精率に悪影響を与えるとは考えられない根拠を示されたい。

  • 「平成10 年度(1998 年)から、水質、底質、土壌、大気の4媒体及び野生生物におけるSPEED’98 においてリストアップされた化学物質の濃度を測定した。また、室内空気中の濃度、水生生物中の濃度、野生生物中の濃度、食事試料中の濃度についても、調査手法を開発し一部調査を実施した。(表1)」とあるが:

    ■その結果自体の評価をしていないのはなぜか。
    ■「平成10〜15 年度環境実態調査結果の概要(水生生物・野生生物)」を見ると、オクタクロロスチレン、4-t-オクチルフェノール、クロルデン、ダイオキシン類、ディルドリン、トキサフェン、trans-ノナクロル、ノニルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ジ-n-ブチル、ヘキサクロロシクロヘキサン等々が高頻度で検出されていることを評価すべきではないか。
    ■また、ヒトについての体内濃度実態調査を実施すべきではないか。

(3) ヒト健康への影響評価のためのほ乳類を用いた試験と疫学的調査
@ ほ乳類を用いた試験
(意見及び理由)
  • 結果の多くが「ヒト推定曝露量を考慮した用量で有意な反応が認められたが、その反応は生理的変動の範囲内であると考えられ、(またはその反応の意義については今後の検討課題とし)、明らかな内分泌攪乱作用は認められなかった。なお、既報告で何らかの影響が認められた用量では、一般毒性と考えられる影響が認められた」とされているにもかかわらず、概要では単に「ヒト推定暴露量を考慮した用量での明らかな内分泌かく乱作用は認められなかった」とされているのはおかしいのではないか。

  • 今回の試験方法は新たに開発されたものであり、試験方法自体にも限界があった旨指摘されているのだから、「明らかな内分泌かく乱作用は認められなかった」と一言で結論づけているのは納得できない。
    ■ヒト健康への影響結果については、国民がもっとも関心を持つ部分であるから、「これらの物質はヒトの健康に内分泌かく乱作用がないのだと結論づけられた」と誤解されないよう、正確に記載すべきである。
    ■また、ヒト推定暴露量は正しく設定されているのか。
    ■個体差と、化学物質への暴露量が大きく感受性の高い胎児や子どもについて考慮されているのか。
    ■そもそも低用量での試験は技術的に非常に難しいとされているが、これらの結果についての再現性は検証されているのか。

U今後の取り組み
2.具体的な方針
(4)影響評価
(意見及び理由)
  • リストを廃止することに反対する。
     リストを廃止する理由として「試験対象とすべき物質は新たな科学的知見の集積により絶えず更新し続ける必要があること、取り組むべき物質の範疇自体も変容する可能性があること」をあげているが、これは今までも同様でリストからはずされた物質もあり、常に更新すれば済むことである。むしろ本当の理由は、その後の「リストアップすることにより、あたかも内分泌かく乱作用が認められた物質であるかのような誤解を与える懸念があるとの指摘もある」ではないかと推測する。
     なぜなら、検討会において事あるごとに複数の産業界委員から「リストが一人歩きする恐れがあるから、なくすべきべきだ」との主張がなされてきたのを目にしてきたからである。
     リストは、国民の関心を高めることに大いに貢献してきた。化学物質の問題に一般国民が関心を持つことは難しい現状にあって、これだけ広まったのはリストがあったからこそである。リストが「内分泌かく乱作用が認められた物質であるかのような誤解を与える懸念がある」というなら、これから力を入れようとしているリスクコミュニケーションの場で十分に正しい理解が得られるようにすればいいことである。
     替わりに出された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する試験対象物質選定と評価の流れ」はいかにも分かりづらく、一般国民の関心を遠ざけるためではないかとの疑いを持たざるをえない。
     リストは、これまで、疑いのある物質を使わないようにしようという予防原則に立った自治体等の対応(リスト掲載農薬の使用自粛)を生んできたが、リストの廃止の方針が出たとたん、復活を認める自治体が出てきている。農薬に関しては評価はこれからのはずなのにも関わらずである。つまり、「リストの廃止」は「リストに上げられていた65物質は、実は内分泌かく乱作用の根拠がなかった」と誤解されているわけで、誤解を解くべきである。さらに、これらの予防的対策が損なわれないようにすべきである。
     また、リストがはずされるという情報が伝わっただけで、日本シロアリ対策協会は「内分泌かく乱物質による人間の健康被害が実はすべて杞憂・事実無根であることがあきらかにされた」という文言を会員用テキストに盛り込むということが起きている。今後、このような動きが加速される恐れは大きく、今回のリスト廃止の責任は大きい。

(7) 情報提供とリスクコミュニケーション等の推進
(意見及び理由)
  • 「仮説先行的な漠たる不安を招かないためにも」とあるが、あたかも一般国民が理由のない不安を抱いているかのような表現は不適切である。国民が不安を抱いているのは、内分泌かく乱作用が、ヒトの健康や環境、わけても次世代や将来に取り返しがつかない影響を与える恐れがあることを認識しているからである。国民の不安を解消するためには、まだほとんどが解明されていないという現状に立って、すべての情報を提供し、予防原則に立った対策を講じることこそが必要であり、そのことを明記すべきである。

  • リスクコミュニケーションとは「完全にはゼロにできないリスク、化学物質の利便性、代替の導入のための新たなリスクや地球資源への負荷の増大、植物エストロジェン等の天然ホルモン様物質の存在等に関する情報」に理解を深めることとは、すべて内分泌かく乱化学物質の重要性を薄めるための情報で、とうてい受け入れ難い。
    まるで、”無知蒙昧な大衆を正しく導く”かのような表現は改めるべきである。

  • 「ほ乳類への明確な影響は観察されていない」とあるが、「現時点での限られた観察では」と断るべきである。
    子宮内膜症、神経行動障害、免疫機能かく乱、受胎能・生殖能への影響などについては未だ何も分かっていないし、複合影響、極微量濃度についても同様である。

全体
(意見及び理由)
  • 全体として、内分泌かく乱化学物質への取り組みが後退するとの印象が強い。リストの廃止、評価、リスクコミュニケーションの重視などから、そのような危機感を抱く。
     これまで環境省はこの問題に熱心に取り組み、我々環境NGOも応援してきた。研究は未だ始まったばかりであり、ほとんど分かっていないというのが正確な現状評価ではないだろうか。今後は、子宮内膜症、神経行動障害、免疫機能かく乱、受胎能・生殖能への影響、複合汚染などの問題、また、新たな物質についても、これまで以上に精力的に取り組んでいってもらいたいと切望している。

  • 原案のどこにも「予防原則」または「予防的措置」という言葉が使われていない。内分泌かく乱作用は、未だこれから解明される問題であるが、人類や環境に将来にわたって重要な影響を及ぼす問題であり、それ故にグレーゾーンと判定された物質に対しては予防原則に立った対策が必要である。

  • 影響評価、リスク評価、リスクマネジメントなどのすべてのプロセスにおいて、市民(NGO)の参画を保障すべきである。

  • 検討会は議事要旨ではなく、議事録を公開すべきである。短い議事要旨では、討議の過程が分からない。また、文献評価作業グループなどのサブワーキンググループの名簿と議事録も公開すべきである。

以上


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掲示55(2005年1月30日)
2005年1月30日
化学物質汚染のない地球を求める東京宣言推進実行委員会

「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」 署名のお願い

 これまで私たちが環境中に排出してきた大量の人工化学物質によって、私たちの健康だけでなく、地球にすむ全ての生き物の健康が脅かされています。わが国の既存の化学物質を規制する法規制等の多くは、今日のような大量かつ多種類の人工化学物質による地球規模の汚染を想定し得なかった、30年以上も前に作られたもので、現在進行中の危機に対応できるものではなく、国際的な動きにも遅れをとっています。将来の世代の健康を守るためにも、早急にこれまでの化学物質管理制度の根本的な見直しを求めていかなくてはなりません。
「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」は、そのような問題意識を持つ7つの市民団体が共催した国際市民セミナー「化学物質汚染のない世界をめざして」(2004年11月23日)の場において参加者有志により採択されたものです。私たち「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言推進実行委員会」は、本宣言に対するより多くの市民の賛同を集め、日本政府に提出するとともにEUをはじめ国際社会にも広く伝えていきたいと考えています。

主催:
化学物質汚染のない地球を求める東京宣言推進実行委員会
呼びかけ団体:
有害化学物質削減ネットワーク、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、 化学物質問題市民研究会、WWFジャパン、全国労働安全衛生センター連絡会議

※ 詳しくは実行委員会のウェブサイトをご覧ください。
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tokyo/

■上記ウェブサイトから団体用署名用紙、個人用署名用紙をダウンロードできます。
■上記ウェブサイトかオンライン署名送信もできます。

署名の送り先:
〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階
有害化学物質削減ネットワーク
TEL&FAX 03-5836-4359
第一次集約日:2005年3月31日
第二次集約日:2005年6月30日
※団体用署名用紙、個人用署名用紙があります。ご入用のかたは、ご連絡ください。



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掲示54(2005年1月26日)
2005年1月24日
出版流通対策協議会会長・高須次郎
東京都千代田区飯田橋3-2-5現代ビル内
TEL. 03-3221-1094 FAX. 03-3221-1193


緊急声明:政治家によるメディアへの圧力を許さない

 1月12日、朝日新聞は、4年前のNHK「ETV2001 戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」に対して、安倍晋三(当時内閣官房副長官)・中川昭一両自民党国会議員から圧力があったことを報じた。
 この日の報道以降、安倍氏側は次のように主張している。

(1)NHKを呼びつけてはいない。
(2)NHKの予算審議を控えていた時期にNHK側が説明に来たのでこの番組が「ひどい内容になっていると側聞していたので公平公正にちゃんとやってくれ」と言った、圧力はかけていない。

 これを政治的圧力と言わずに、なんと言うのだろうか。「公共放送」を標榜するNHKというメディアに、政府与党の政治家が権力を背景にして「ひどい内容」「公平公正に」と発言したこと自体が、番組への介入である。このあとNHKは放映前日に異例の局長試写をし、番組を再編集させているではないか。

 またNHKが強大な権力を握っている政府与党の政治家に、未放映の番組内容についての釈明をすること自体、報道機関としての自殺行為だとの誹りはまぬがれないだろう。財源を視聴料に頼る公共放送ならば、視聴者にこそ顔を向けるべきである。にもかかわらず、一部政治家と癒着し、報道への政治の介入を招くことはメディアとしての腐敗であり、まさに自殺行為である。

 今回の事態は、NHKの長井暁チーフプロデューサーの勇気ある内部告発によって明るみに出た。内部告発者である長井氏は決して不利益を被ってはならない。氏の立場は、報道の自由の名において守られるべきである。

 私たち出版流通対策協議会は、NHKのような巨大メディアではない。しかし出版という同じメディアの世界に携わる者として、NHKのこうした対応を看過できない。政治権力に対して自立した立場を持ち、誤った行為に対しては批判的な主張を掲げる姿勢を堅持するのが、メディアに携わる者の最低限の責務ではないか。そうすることなしに、出版の自由・報道の自由・表現の自由は十全に機能するものではない。

 私たちは、NHKのこの間の対応に大きな怒りと危機感を持つ。私たちは政治権力のメディアへのいかなる介入も許してはならない。


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化学物質問題市民研究会
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