EurActiv 2009年5月18日
国際化学物質管理会議 化学物質への取り組みを誓う 情報源:EurActiv 18 May 2009 UN forum pledges action on chemicals http://www.euractiv.com/en/environment/un-forum-pledges-action-chemicals/article-182403 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2009年5月22日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/news/euractiv_090518_SAICM.html 安全で持続可能な化学物質管理に関する国連の世界化学物質会議は先週、化学物質分野における4つの新たな政策課題、ナノテク、電子廃棄物、日用品中の化学物質物質、及び塗料中の鉛に対応することに合意した。 第2回国際化学物質管理会議(ICCM2)は、新規の課題に焦点をあてたが、そのどれも今まで一般的には 認識されていなかった、又は十分に対応されてこなかった。しかし、それらは、人及び/又は環境に著しい有害影響を及ぼしているかもしれない。 同会議は、REACH規則の実施を開始したこのときに開催されたが、REACH規則は化学物質の安全を促進するための世界標準として見られている。 同会議は、電子機器やその附属品、コンピュータ、布製品、おもちゃ、家具、装身具、車、衣類などに含まれる化学物質に関する情報へのアクセス可能性と利用可能性を改善する必要性を強調した。この課題に対応するために、情報システムまたはシステムの枠組みが提案され、提案の実現性に向けて作業部会がすぐに立ち上げられることになった。 その目的は、人の健康と環境への化学物質の影響、及び、固有の特性、潜在的な用途、保護措置、及び規制に関する情報を提供することである。 急速に出現しているナノテクノロジーによって及ぼされる新たな健康と安全の課題、及び工業的ナノ物質の安全性評価の課題に対応するために広範な共同行動が提案された。 提案された行動は、意識の向上と予防原則の重視から、労働者の暴露を最小化し、ナノ物質の代替を促進することまで広範にわたった。 電子廃棄物に関しては、同会議は電子廃棄物と有害化学物質に対するアフリカの環境に適切な管理の能力の欠如を強調した。 同会議はまた、重金属や臭素化難燃剤のような有害物質の国境を越える移動の結果生じる電子廃棄物の違法投棄の問題に光をあてた。 電子廃棄物に取り組むために、SAICM は製品中で使用される有害物質の廃止を含んで、電子・電気製品に対するクリーン・テクノロジー及び環境的に適切な設計を主張した。また電子・電気製品のライフサイクル管理における改善された製品スチュワードシップと拡大生産者責任を強調した。 同会議はまた、塗料中の鉛への子どもと職業的暴露を防止する必要性を強調した。提案された行動は、卸業者及び小売業者が鉛を含む塗料の販売をやめるよう働きかけること及び、鉛を使用しない塗料の使用を支援し、これらの塗料の製造と販売を廃止するための経済的動機付けの利用を含んでいる。 新規課題に関する作業とは別に、ICCM2 はまた、過フッ素化合物の管理を改善することを誓った。これらは、防汚、焦げ付き防止、耐熱などの材料を製造するために用いられるが、POPs(残留性有機汚染物質)として知られる化学物質のように、それらは有毒で、生体蓄積性があり、長距離を容易に移動する。 同会議はまた、途上国のSAICM実施を支援するためにもっと多くの基金が必要であると述べた。 訳注:関連情報 ■当研究会ウェブ/SAICM関連情報 第2回国際化学物質管理会議(ICCM2)(2009 年5 月11−15 日ジュネーブ) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm.html#ICCM2 |