IISD ICCM-4 Highlights 2015年9月29日
適切な化学物質管理のための2020年目標の達成に向けての実施:
EPPPs / HHPs の新規政策課題 / 懸念ある課題への提案、
及び2020年以降の化学物質/廃棄物(部分訳)


情報源 IISD Reporting Services ICCM-4 Highlights, 29 September 2015
Implementation towards The Achievement of The 2020 Goal of Sound Chemicals Management
Emerging Policy Issues and Other Issues of Concern : EPPPs, HHPs and Chemicals/Waste beyond 2020 http://www.iisd.ca/vol15/enb15233e.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年10月6日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/iccm4/IISD/IISD_ICCM4_Highlights_29_September_2015.html


新規政策課題(EPIs) 及びその他の懸念ある課題

 新たな新規政策課題としての環境残留医薬汚染物質(EPPPs)に関する提案

 事務局は関連文書 (SAICM/ICCM.4/7)を紹介した。ウルガイは提案(SAICM/ICCM.4/INF/15)を発表した。環境のための医師の国際協会(ISDE)は、EPPPs との戦いは地球規模の課題であると強調した。

 ラテンアメリカ・カリブ海地域(GRULAC)、国連環境計画(UNEP)、スイス、ヘルスケア・ウイズアオウト・ハーム、アメリカ、内分泌学会、マレーシア及びマーシャル群島はこの提案を支持した。

 EUは、医薬品産業の支持を求めつつ、ICCM4 はその提案を採択すべきであると述べた。国際製薬団体連合会(INTERNATIONAL FEDERATION OF PHARMACEUTICAL MANUFACTURERS AND ASSOCIATIONS)は、その環境リスク管理プログラムについて論じ、環境的に適切な製品を提供するという同産業会の約束を述べた。フィリピンはこの提案を支持したが、途上国向けの専門家ガイダンスの必要性を強調した。中国はこの提案を評価し、EPPPs のリスクに関する研究のための多国籍医薬品産業から途上国への支援を求めた。WHO は、世界的な戦略と絞り込んだ活動の必要性を認めたが、その進捗は加盟国の積極的な参加に依存するであろうことを指摘した。ペルーは、使い残しの医薬品(残薬)も含めるべきであると提案した。

 インドは、クリアリングハウスを通じての情報交換を鼓舞するという言い回しに反対し、この問題をコンタクト・グループで協議することに同意した。

 参加者らは、カナダとラトビアを共同議長とする新規政策課題(EPIs)およびその他の懸念ある課題に関するコンタクト・グループを立ち上げることに同意した。

 EU とスイスはそれぞれ、全ての新規政策課題(EPIs)とその他の懸念ある課題に関する決議案集を発表した(SAICM/ICCM.4/CRP.8 and CRP.9)。議長はこの提案を新規政策課題(EPIs)コンタクト・グループに付託した。

 懸念ある課題としての毒性の高い農薬(HHPs)に関する提案

 国連食糧農業機関(FAO)は、 HHPs に関する次の段階のための UNEP, WHO 及び FAO による提案を発表した(SAICM/ICCM.4/8)。ケニア、ノルウェー及び EU はこの提案を支持したが、タイはいくつかの点を明瞭にすることを求めた。クロップライフ・ インターナショナルは原則としてこの提案を支持したが、リスク評価に基づく行動の重要性を強調した。イエメンは、HHPs 廃止世界連合(Global Alliance to Phase Out HHPs)の形成に賛同し、 SAICM/ICCM.4/CRP.4 を表明した。

 議長は この提案を新規政策課題(EPIs)コンタクト・グループに付託した。


 2020年以降の化学物質と廃棄物の適切な管理

 事務局は、関連文書 (SAICM/ICCM.4/13, INF/22, INF/30-31)を紹介した。中国は2020年以降の戦略的アプローチに関する決議案を紹介した(SAICM/ICCM.4/CRP.2)。中国は、自主的で多様な利害関係者及び多様な分野のプラットフォームとして2020年以降の戦略的アプローチの継続を勧告し; SAICM の独立した評価を求め; 将来の戦略的アプローチのためのオプションを準備し、OEWG3 に報告するための国際的な会期間作業グループ を設立することを提案するものである。

 カナダとアメリカは独立の評価を支持した。日本と EU は、UNEA Resolution 1/5) (訳注:2014年6月27日第1回国連環境総会 決議 1/5 リンク)により導かれる戦略的アプローチの継続及び決議案のさらなる討議を行うためにコンタクト・グループを立ち上げることを支持した。バングラデシュは、財政支援、能力構築、及び少数グループの権利の前進の必要性を強調した。フィリピンとラテンアメリカ・カリブ海地域(GRULAC)は、会期間プロセスを支持した。

 国際化学工業協会協議会(ICCA)はラテンアメリカ・カリブ海地域(GRULAC)とともに、2020年以降の SAICM の継続を支持した。IPENは、ICCM4 が国連環境総会と背中合わせで二つの会期間会議を開催するよう提案した。適切な化学物質管理のための組織間プログラム(IOMC)は、コスト効率がよく、目標が絞り込まれた、現実的な必要性の評価に基づく決定を伴う会期間プロセスを求めた。インドは、100万人以上の都市における大規模及び中規模プロジェクトに資金供与するために、少なくとも20億ドル(約2,500億円)の資金を調達する明確な行動計画; 制度的メカニズムの強化; 大規模な能力構築; 及び技術移転−を求めた。UNEPは、適切な化学物質と廃棄物の管理指標に取り組んでいることに言及し、持続可能な化学の目標を確立することを提案した。モロッコは、修正付きで決議案を支持した。メキシコはSAICM/ICCM.4/13に含まれる提案を支持した。

 中国は、会期間プロセスの立ち上げに関して懸念を表明した。国際労働組合総連合(ITUC)は、”2020年以降”は進捗が不十分であった領域に向けられるなくてはならないことを強調した。ベナンは途上国における大学研究所での化学物質の交換と使用に目を向けることを提案した。ザンビアとフィンランドを共同議長とするコンタクト・グループが立ち上げられた。



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