2012年9月19日IPEN ICCM3 Press Release
アフリカ・グループは
世界の交渉の場で主導的な役割を果たしている


情報源:IPEN ICCM3 Press Release, September19, 2012
AFRICAN REGION PLAYS LEADING ROLE AT GLOBAL NEGOTIATION
For Safe ChemicalsManagement Plan
http://ipen.org/iccm3/wp-content/uploads/2012/09/
African-Delegation-Leads-on-Toxic-Chemicals-Policy-19-Sept..pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年9月23日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/iccm3/
IPEN/IPEN_PR_120919_ICCM3_African_Region_jp.html

David Kapindula, Head of the Africa Region ICCM3, dkapindula@yahoo.com
Bjorn Beeler, IPEN International Coordinator, bjornbeeler@ipen.org

【ナイロビ、ケニア】アフリカ地域は、化学物質の安全な管理のための世界戦略を開発し、それを支援するために、国際会議において重要なリーダーシップの役割を果たしている。危険な化学物質を管理し取り扱うことについての進捗には先進国と発展途上国の間に不均衡があることを認識しつつ、アフリカの政府指導者らは、アフリカ及びその他の発展途上国の両方に非常に必要であると言われている提案を推進し、支持示を得ている。

 ”アフリカ地域では、化学物質の使用は非常に急速に増大している。この国際的なプロセスは、我々がこの状況と取り組むために、情報、支援、及びリソースを動員するための最良の希望である”とナイジェリア政府のアビオラ・オアラニペクンは述べた。

 ”IPEN は、これらの会合を準備するために2003年以来、アフリカ地域グループと密接に活動してきた。我々は、この代表団がアフリカだけでなく、世界中の国々のために尽くしてきたことを称賛する”と、IPEN共同議長マニー・カロンゾは述べた。

 ケニアのナイロビで開催されている国際化学物質管理会議(ICCM)第3回会合において、アフリカ地域の政府により3つの重要な課題が促進された。それらは、”内分泌かく乱物質”;”塗料中の鉛”;及び””安全な化学物質管理のための長期的な資金調達”である。

1. ”内分泌かく乱物質”として知られている化学物質類の影響についての知識を促進するであろう活動一式の提案

 内分泌かく乱化学物質(EDCs)は、発達、代謝、免疫機能、生殖、知能、及び行動を調整する重要なシステムを制御するためのホルモンの能力を阻害する。科学的証拠が、がん、心臓血管系障害、糖尿病、肥満、奇形、及び様々な生殖障害を含む多くの疾病にEDCsを関連付け続けている。これらの化学物質は、広範な消費者製品中や多くの農薬中に見出される。あるフタル酸エステル類とビスフェノールA(BPA)は、いくつかの政府がいくつかの国で規制しているEDCsのひとつの事例である。小さなそしてまだ生まれていない子どもは、特にEDCsの永久的な影響に脆弱である。

 全ての国において、しかし特に発展途上国において、EDCsに関する取り組みが不十分であるということを認めつつ、アフリカ地域は、これらの化学物質についての理解を深め、意識を向上させるために、EDCsに関する”正当な”活動一式を共同で提案した。アフリカの取り組みは、発展途上国におけるEDCsに関するワークショップ;内分泌かく乱作用及び EDCs に関する情報の入手を容易にすること;発展途上国及び移行経済国の内分泌かく乱作用に関連する問題を評価するための能力構築;全ての国に対し、この分野の重要な展開についての情報をタイムリーに提供する手段;及び農薬調合中、及び選択した分類の消費者製品中で、内分泌かく乱作用を疑われる化学物質の使用に関する事例研究を含む。

2. 加鉛塗料を廃絶するためにアフリカ及びその他の国の政府が規制の枠組みを開発するのを支援する提案

 加鉛塗料は小児期の重大な鉛曝露源であり、知能指数(IQ)スコアーにより測定される知能の低下、学業及び教育成果の停滞、及びその結果として、潜在的な生涯所得の損出が分かっている。加鉛の装飾用塗料はほとんどの先進工業国では販売又は使用はされていないが、多くの発展途上国及び移行経済国ではそれらの販売と使用が広く行なわれている。例えば、ケニアのナイロビにおける家庭用の石油ベースの塗料に関する最近の研究で、31の塗料サンプルのうち27が危険なレベルの鉛を含んでいることが分かった。塗料中で使用される鉛顔料及びその他の鉛成分の優良で入手しやすい代替品がコスト効果があり、数十年間も広く入手可能であることが分かっている。

 アフリカ政府担当官らは、次の行動を支持する公式な提案を提出した。鉛塗料の製造、輸入、輸出、販売、及び使用を取り締まるための国家の規制の枠組み;非毒性又は毒性の低い代替原料を用いて加鉛塗料の調合を自主的に代替する塗料製造者の自主的な取り組み;小規模及び中規模の塗料製造者に加鉛塗料を廃絶するための情報と能力構築を提供する取り組み;加鉛しない塗料製品の第三者による認定とラベル表示;及び家屋、子ども用施設、学校、過去に加鉛塗料が使用されていた建物の中及び周囲での潜在的な曝露をいかに最小にするかに関するガイダンス資料。

3. 化学物質及び廃棄物のための長期的資金調達メカニズムを創設すること

 ICCMは、政府が政策メカニズム、規制の枠組み、安全な化学物質管理とプログラムを実施するための基盤を据える方法を確立するのに役立つであろう活動に資金調達するために、2006年の第1回会合でクイック・スタート・プログラムを確立した。しかし、このクイック・スタート・プログラムはもし延長されなければ、今回の会合で期限が切れる。化学物質と廃棄物の適切な管理のためにもっと堅固で持続可能な資金調達メカニズムが必要である。

 アフリカ政府の代表者等は、発展途上国と移行経済国が有毒化学物質と有害廃棄物による人の健康と環境への危害を防ぐための国家プログラムを確立し実施するために、クイック・スタート・プログラムを8年間延長し、また、もっと堅固な資金調達メカニズム確立するするための公式な提案を行なった。

以上

IPEN は、全ての人々のための有害物質のない将来を使命とし、人の健康と環境を守るために安全な化学物質政策と慣行を確立し実施するために活動する主導的な世界組織である。IPEN は、メンバー組織が活動する能力を構築し、お互いの活動から学び、優先順位を設定し、新たな政策を達成するために国際的なレベルで活動することを支援する。



化学物質問題市民研究会
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