2012年9月24日 IISD Report
国際化学物質管理会議第3回会合(ICCM3)
概要:保健分野戦略


情報源:IISD, 24 September 2012
SUMMARY OF THE THIRD SESSION OF THE INTERNATIONAL CONFERENCE
ON CHEMICALS MANAGEMENT
17-21 SEPTEMBER 2012
Health Sector Strategy
http://www.iisd.ca/vol15/enb15196e.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年10月2日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/iccm3/IISD/IISD_ICCM3_Summary_PFCs.html


保健分野戦略

 水曜日(19日)総会で事務局は、SAICM実施への保健分野の関与を強化するための戦略提案を紹介した(SAICM/ICCM.3/20)。アフリカ・グループ、EU、中東欧(CEE)グループ、及びその他は提案された保健戦略の採択を支持し、カナダとアメリカはこの戦略を歓迎すると述べた。タイは、世界公衆衛生学会(WPHA)、ブータン及びエクアドルに支持されて、特に保健分野のための国家コンタクトポイントを指名することと、WHOが保健戦略のためにSAICMフォーカルポイントを設立することを提案した。ヘルスケア・ウイズアオウト・ハーム(HCWH)は、リスクに加えて化学物質の本質的なハザードを強調し、保健分野がライフサイクルを通じて医療分野で使用される化学物質の有毒性を削減することに関与することを求めた。

 GRULAC(ラテンアメリカ・カリブ海グループ)は、WHOが2012年10月にSAICM事務局から撤退するという決定を再考するよう促しつつ、クイックスタートプログラム(QSP)とSAICMの長期資金戦略の中の保健関連プロジェクトを優先することを求めた。中国は、ブラジルに支持されて、保健分野の責任に関する戦略は規制的になり過ぎるべきではないと述べ、”その他の保健関連政府機関”への参照を含めることを求めた。彼らはまた、その戦略を実施するために、現行の基金への共同アクセスはもちろんのこと、”新規及び追加的”基金の規定を参照することを促した。アメリカは、戦略テキスト中のこの点を明確にすることを求めつつ、その戦略はSAICMの包括的方針戦略(環境省仮訳)を置き換えるべきではないと述べた。EUは、ICC4において戦略実施に関する報告をするために、WHOに事務局との協力を要請することを提案した。WHOは戦略を実施することについての約束を強調し、資金的な課題に対応することを期待すると述べた。

 金曜日(21日)の総会で会議(ICCM)は、保健戦略に関するドラフト決議案を検討した(SAICM/ICCM.3/CRP.9)。中国は、保健分野の様々な特性を認める前文に”様々な諸国で”を挿入することを提案した。EUは、戦略の実施に関してICCM4に報告するために、”WHOと協力して事務局は(the Secretariat, in collaboration with the WHO)”より”事務局と協力してWHOは(WHO, in collaboration with the Secretariat)”とするようICCMが要求することを提案した。ブラジルは、戦略を実施するために”新たな及び追加のリソース”の必要性に言及する新たな前文を提案した。会議(ICCM)は、中国とEUにより修正された決議提案に合意し、ブラジルの発言(intervention)をICCM3報告書に含めることに合意した。

最終決議
 ”SAICMの実施において保健分野の関与を強化するための戦略”に関する決議(SAICM/ICCM.3/CRP.9)の前文に、ICCMは特に; 保健分野の重要性と適切な化学物質管理を達成することに役立つための役割と責任を心にとどめ;様々な諸国で保健分野の多様な特性を認めることに留意する−を挿入する。決議の本体部分に、ICCMは;SAICMの実施に医療分野の関与を強化する戦略を採択することに同意し;1CCM4でその戦略を実施することに関し、事務局と協力してWHOは報告することをWHOに要請する−という内容である。



化学物質問題市民研究会
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