SAICM/ICCM.2/10/Add.1 2009年4月7日
第2回国際化学物質管理会議(ICCM2) SAICM 新規の政策課題 Annex III 有害物質と電子廃棄物に関する 決議案と優先領域 情報源: International Conference on Chemicals Management Second session SAICM/ICCM.2/10/Add.1 / 7 April 2009 SAICM: emerging policy issues Annex III Electronic waste Proposed resolution on hazardous substances and electronic waste http://www.saicm.org/documents/iccm/ICCM2/meeting%20documents/ ICCM2%2010%20Add1%20emerging%20issues%20actions%20E.pdf 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2009年5月4日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/iccm/ICCM_e-waste_proposed_resolution.html Annex III 電子廃棄物 (訳注:ファシリテータ:ナイジェリア) 電子廃棄物 説明 1. 電子廃棄物は、リスク削減、知識及び情報、及び違法国際貿易に関連する戦略的アプローチ目標の効果的な分野横断的な実施とともに、そのような実施の取組の様々な国際的及び国の、さらには民間を含めて、廃棄物管理及び製品設計のための法律文書やプログラムとの統合を求める横断的特性をもった重要な世界的課題である。 2. 戦略的アプローチの世界行動計画(訳注1)に含まれるいくつかの活動はこの課題に関連するが[10]、電子廃棄物に関連する特定の作業領域はない。 3. 文書SAICM/ICCM.2/INF/36 (訳注2)に含まれる利害関係者により提案されている様々な行動の中で、本課題のファシリテータは、電子廃棄物の問題に対処するための革新的な取組と組織的な行動を特定し推進するために、会議は作業部会を設立することを考慮すべきであるということを提案する。作業部会は、既存の組織による取組を補完し、小島嶼開発途上国を含んで発展途上国および移行経済国の特別の状況を考慮しつつ、電気・電子機器サプライチェーンの様々な段階を考慮すべきである。ファシリテータはこの課題と製品中の化学物質との間の関連性に注意を向けることを望む。 4. 会議の検討のための下記決議提案の作成にあたり、ファシリテーターは有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の下における活動との重複を避けることに努力した。 有害物質と電子廃棄物に関する提案される決議案 会議は、国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチとその目的及び世界行動計画の関連作業領域の実施は廃棄物管理を含む化学物質の適切な管理に対しライフサイクル・アプローチに基づくことを想起しつつ、 また、政府、国際機関、及び多国間組織の事務局の間の相乗効果を強化し、国家、地域、及び世界レベルでの政府、民間セクター及び市民社会の化学物質の適切な管理に関する協力を強化するための戦略的アプローチの目的を想起しつつ、 特に電気・電子廃棄物の環境的に適切な管理に関するナイロビ宣言[11](訳注3)にしたがい、この課題に関する有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の作業を認めつつ、 また、下記を認めつつ、 (a) 電子廃棄物はその不法な投棄の結果として増大する極めて重大な懸念であり、重金属や臭素化難燃剤のような有害な成分の国境を超える移動をもたらす。 (b) 途上国及び移行経済国では電子廃棄物をリサイクルする能力が欠如しており、人の健康と環境に有害な物質の放出をもたらす。 (c) 電子・電気製品のためのクリーン技術及び環境的に適切な設計について緊急の必要性があり、製造に使用され、部品に含まれる有害物質の段階的廃止を含む。 (d) 機能拡張性及びリサイクル性が低い製品は、生成される廃棄物の量を増やすことになる。 (e) 限られた期間だけしか機能しないほとんど寿命の尽きた中古の電子・電気製品は電子廃棄物の問題をもたらす。 (f) 製品スチュワードシップ及び拡大生産者責任は、電子・電気製品のライフサイクル管理において重要である。 (g) 製造者と貿易業者の責任、及び所定の目標をもった回収リサイクル制度に関連して、入念な実施を伴うしっかりした国の政策と法律を確立する必要がある。 1. 下記の課題に優先的に対処するために[12]、利用可能なリソースにしたがって、電子廃棄物に関する作業部会を設立することに同意する。 (a) 電気・電子機器及び廃電気・電子機器中に含まれる制限された又は有害な物質の使用を削減し、最終的には廃止すること。 (b) 電気・電子機器中の有毒物質の削減のためのインセンティブ及び人の暴露を最小化するための措置を含む効果的な世界戦略を開発すること。 (c) 環境的に適切な製品設計、購買、及び消費を通じて、また製品の陳腐化を最小にすることにより、電気・電子製品中の有害化学物質の代替又は代替化学物質を開発し、最終的には廃止すること。 (d) 有害物質の運命の科学的な研究、特に途上国及び移行経済国における、特に電子廃棄物中の臭化難燃剤の処理に関する研究を実施すること。 (e) 電気・電子製品及び廃棄物中に見出される有害物質に関する情報を交換し広めるための世界的な情報データベースを開発すること (e) 技術的には廃棄物ではなくても、受入国にとって便益よりも輸入による環境的責任の方がはるかに重い、ほとんど寿命の尽きた中古電子製品の有害な貿易を防止するための解決策及び指針を提供するための世界の枠組みまたはメカニズムを確立すること 2. 適切なら他の既存の会議の合間に個人と面談しつつ、主に電子的方法及び電話会議を通じてその作業を実施するために、また公開性と透明性のある方法で作業を行うために、会期中に作業部会を召集すること。 3. また、戦略的アプローチのウェブサイトを通じて、及び第3回国際化学物質管理会議(ICCM3)に対して、その作業の進捗を報告してもらうために作業部会に要請すること。 原注 [10]例えば、作業活動 44, 54, 71-73, 80, 83, 84 119, 186, 190, 194 及び 204 [11]UNEP/CHW.8/16*, Annex IV [12]Appendix 3 は、作業部会によって考慮されるかもしれない追加的な協力行動を含む Appendix 電子廃棄物 提案される作業部会による検討のための優先領域 (a) 電気・電子機器及び廃電気・電子機器中の制限された又は有害な物質の削減と最終的な廃止
(b) ライフサイクルを通じて製品チェーンで電子製品と電子廃棄物中の有害物質について必要な情報
[13]:持続可能な消費と生産に関するマラケシュ・プロセスは、持続可能な消費と生産の実施を支えるための世界のマルチステークホールダー・プロセスであり、持続可能な開発委員会(Commission on Sustainable Development)によって2010−2011年の間に見直しを行われる「持続可能な消費と生産に関する10年枠組みプログラム」である。http://www.unep.fr/scp/marrakech/を参照のこと。 訳注1 SAICM 世界行動計画(環境省仮訳) 訳注2 SAICM/ICCM.2/INF/36 Background information in relation to the emerging policy issue of electronic waste 訳注3
マラケシュ・プロセス:2003 年6 月16〜19 日にモロッコのマラケシュにて開催された持続可能な生産・消費パターンの促進に関する専門家会合で決定した持続可能な生産と消費に関する10 年枠組み マラケシュ・プロセスのホームページ: http://esa.un.org/marrakechprocess/ 訳注5 マルチステークホルダー・プロセス(Multi-stakeholder Process : MSP)について |