ChemSec 2006年2月7日
SAICM ドバイでのハイレベル会議:2日間の交渉後の行方 どうなるか?

情報源:International Chemical Secretariat(ChemSec)
ChemSec News & Events, 4-6 February 2006
SAICM High-level Conference in Dubai: Uncertainty remains after two days of negotiations


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2006年2月9日


 2月4日(金)以来、政府、政府間組織、及びNGOsは、アラブ首長国連邦の首都ドバイで、SAICM、国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチの採択について交渉を続けている。国際化学物質事務局(ChemSec)は、同事務局代表パール・ロザンダーに率いられて、この会議に参加している。

 ハイレベル会議の目的は、3つの文書、ハイレベル宣言、包括的方針戦略、及び世界行動計画を採択することである。

 しかし、2日間の討議の後、SAICMの船足は止まった。討議がはかどらない主要な障害は、かなりの部分がアメリカが主張した立場によるものである。2005年、オーストリアのウィーンで開催された先のSAICM会議で、アメリカ代表団は会議に提出された提案のほとんどの部分に異議を唱えた。

 同意が得られない主要な点は、予防原則、資金調達の問題、そして、”留保条項(saving clause)”、すなわち他の協定・条約に対する無効(derogation)、の表現に関するものであった。アメリカは、SAICMが他の化学物質政策を支援し強化することに、それらの条項が用いられることを防ごうとして圧力をかけている。

 協議の初日に、アメリカ代表団は策を弄して採択が投票で行われることができないようにしたが、そのことは全ての決議は満場一致によることを意味する。したがって、もし欧州連合が、アメリカの主張する立場を受け入れることができないなら、唯一の選択肢はSAICMをあきらめることである。それは数年にわたる協議の努力が水泡に帰することを意味する。

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