米化学会 C&EN 2008年6月23日
REACH 全てのカーボンを対象に
ナノ形状のカーボンを扱うために欧州委員会がREACH修正提案

情報源:Chemical & Engineering News, June 23, 2008
REACH For Carbon
To deal with nanoscale forms of carbon, Europeans amend chemical registration law
Britt Erickson
http://pubs.acs.org/cen/news/86/i25/8625notw7.html
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2008年6月24日

 欧州委員会で初めてのREACH修正提案によれば、欧州連合内で販売される全ての形状のカーボン(炭素)の健康と安全に関するデータが要求されることになる。EU各国政府の代表は、ナノスケールのカーボンがテストなしに販売を許されるという法の抜け穴をふさぐためにREACHの下でのカーボンの免除を撤廃することに賛成投票をした。

 環境団体はこの提案に喝采したが、しかし、これはナノ物質の安全を確保するための第一歩に過ぎないと述べている。REACHは1社当たり年間1トン以上製造される化学物質だけに適用されると国際的環境保護団体であるWWFの化学物質政策上席担当ニンジャ・レイネケは述べている。多くのナノ粒子の生産は少量てあり、したがって現状のREACHの下ではテストを免除されることになると彼女は述べた。

 化学産業界に対するこの提案の影響は不明である。ECの担当官はナノカーボンとサイズの大きなカーボンを区別することの可能性について調査していると述べた。当初、EU加盟国は欧州委員会にナノスケールのカーボンだけの登録を求めるよう要求したとレイネケは述ている。しかしREACHは物質の特定の形状にではなく、物質を対象とするので、現行の法の下で区別することは可能ではなかったと彼女は述べている。

 この提案は今後3ヶ月以内に発行することが期待される。

訳注:関連情報
Nanotechnology Law Blog 2008年10月22日 欧州委員会 カーボンなど REACH 免除を抹消 ナノ懸念のため


化学物質問題市民研究会
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