REACH パブリック・インターネット・コンサルテーション
イギリス政府のコメント概要

(訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会
情報源:Legislative Proposals for the Registration, Evaluation,
Authorisation and Restrictions of Chemicals (REACH):
UK Government Response

掲載日:2003年10月16日

イギリス政府のコメント概要
この概要はイギリス政府の Legislative Proposals for the Registration, Evaluation, Authorisation
and Restrictions of Chemicals (REACH): UK Government Response の
はじめに (Introduction) に示される第1項から第5項を翻訳したものです。

はじめに
  1. このペーパーは、REACH ドラフト・プロポーサルに対するイギリス政府の最初のレビューの概要を示すものである。これは、ドラフト・プロポーザルに関するイギリスの現在の理解のレベルに基づくものであり、国としての最終的な見解を示すものではない。
     またこのペーパーは、ドラフト・プロポーザルの中でイギリス政府に関心のある全ての局面を取り扱うことを意図しておらず、したがって、コメントをしていないない部分について合意しているということを意味していない。

  2. イギリス政府はこの政策の全体的な目標を支持し続けるし、また立法措置のためのアプローチについて2002年12月の立場表明の中で示した3つの支配的な目的に基づき、情報を開示し続ける。
    • 人間又は環境への影響を勘案して最も有害なものから着手しつつ、当該物質のテスト、審査、評価の迅速かつ効果的で実施可能なプロセスを作り出すこと

    • 動物実験は人間の健康と環境を保護するために必要最小限とすること

    • 化学産業界と川下ユーザーの競争力を維持し、強化すること

  3. イギリス政府は、REACH システムが機能することを確保するためには、ドラフト・プロポーザルは多くの重要な変更が要求されると考える。いくつかの特定な提言を以下に示す。
     全体として、イギリス政府は、プロポーザルの複雑性(幾分は、物質毎の登録ではなく、製造者毎の登録というアプローチの結果)、実施の初期段階おける多くの懸念化学物質に対する効果的な優先度設定の欠如、及び優先度の低い非常に多くの物質を潜在的に含んでいることについて懸念している。
     もし、これらの問題が解決されないのなら、新たな法制度は合理的な期間内に要求される結果をもたらすことができないだけでなく、加盟各国、産業界、及び提案されている新たな欧州化学品機構の限られた資源を有効に活用することができないと考える。
     さらに、後になって異議の出るシステムを開発するために多くの努力を傾けることは無意味なので、新たな法制度が EU の WTO へのコミット(特に不均衡と見られないこと)との整合性を確保することが重要である。
     これらの点は、化学産業界とその川下ユーザーに長期的な影響を与え、その結果、欧州における雇用と生産高を低めることにもなりかねない新体制下で発生する欧州委員会のコスト見積もりと関連付けて考えることが必要である。

  4. イギリス政府はまた、プロポーザルの管理上の複雑さが潜在的な便益を制限することを懸念する。
     当局、産業界、及び利害関係者の間に広範なインターフェースがあり、うまく管理しないと混乱と論争を引き起こすことになる。このような複雑な構造では、十分な管理を可能とする現実的なリスク削減措置(risk reduction measures RRMs)をとるという第一の目標を見失いかねない。

  5. プロポーザルを最初に調査したところでは、現在の職業健康安全(OHS)法との重複がもっと注意深く検討され調整される必要がある。特に川下ユーザーにとっての混乱の危険性のために便益が損なわれる。
     統合された直接的なアプローチでないと、 REACH は余計な要求を積み重ねることになり、このことは優先度設定を難しくし、その結果、 OHS フレームワーク全体の信頼性を失うこととなる。
(訳注:以下6項〜64項までの個別コメントの訳は省略)

(訳: 安間 武 /化学物質問題市民研究会)


化学物質問題市民研究会
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