ECHA プレスリリース 2010年12月3日
規制が厳しくなる非常に高い懸念のある16物質

情報源:ECHA/PR/10/24 Helsinki, 3 December 2010
Sixteen Substances of Very High Concern closer to tighter control
http://echa.europa.eu/news/pr/201012/pr_10_24_msc_20101203_en.asp

訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年12月31日
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"http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ECHA/101201_ECHA_Press_16_substances.html.html"


 加盟国委員会(MSC)は、候補リスト(Candidate List)に加えられ、これにより認可対象となるかもしれない8種の高懸念物質(SVHCs)の特定に関して、満場一致で合意した。同委員会はまた、認可リスト(Authorisation List)に加えられるべき8種類の新たな物質についての ECHA 勧告案に関して、賛同する意見を示した。

候補リスト(Candidate List)

 特定された8種類の高懸念物質(SVHCs)は、発がん性、変異原生、又は生殖毒性(CMR)のある下記の物質である。(訳注:日本語名称及びCAS番号は EnviX 2010年12月20日を参照) )
  • Chromium trioxide
  • acids generated from chromium trioxide and their oligomers
  • cobalt(II)sulphate
  • cobalt(II)dinitrate
  • cobalt(II)carbonate
  • cobalt(II)diacetate
  • 2-methoxyethanol
  • 2-ethoxyethanol
 加盟国委員会(MSC)は、現在、トリクロロベンゼンの3種の異性体を REACH 第57条(f)の”難分解性、生体蓄積性、毒性を有する物質らしい(PBT様)”として特定することはできないという結論に満場一致で達した。同委員会は、利用可能な情報によれば、トリクロロベンゼン異性体は、REACH 第57条に規定される高懸念物質(SVHC)基準を満たす物質と同等のレベルの懸念をもたらすヒト健康又は環境におそらく深刻な影響を及ぼすという科学的な証拠がある物質として特定することができるとは結論付けることができないという意見であった。

 この8種の高懸念物質(SVHCs)についての加盟国委員会(MSC)同意書及びその他の関連文書は ECHA ウェブサイトですぐに公表されるであろう。同委員会が高懸念物質(SVHC)であるとは結論付けることができないと同意したトリクロロの3つの異性体に関する文書もまた、公表される。

 この8種の物質は、ECHA による正式手続きの後、候補リスト(Candidate List)に加えられるであろう。

認可リスト(Authorisation List)

 加盟国委員会は、REACH の Annex XIV (Authorisation List)の更新についての欧州委員会に対する ECHA 勧告案に関する意見に同意し採択した。

 同委員会は、下記8種の高懸念物質(SVHCs)は認可対象とすべきとする ECHA 案に同意した。(訳注:日本語名称及びCAS番号は EnviX 2010年12月21日を参照)
  • di-isobutylphthalate (DIBP)
  • iarsenic trioxide
  • diarsenic pentaoxide
  • lead chromate
  • lead sulfochromate yellow (C.I. Pigment Yellow 34)
  • lead chromate molybdate sulphate red (C.I. Pigment Red 104)
  • ris(2-chloroethyl)phosphate (TCEP)
  • 2,4-dinitrotoluene (2,4-DNT)
 同委員会はまた、これらの物質について、認可免除を勧告する根拠はないとする ECHA に同意した。

  ECHA は、欧州委員会に提出されるであろう同委員会の Annex XIV への勧告が完成したときに、その意見を考慮するであろう。

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訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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