ケムセック(ChemSec)2013年3月5日
REACH が SIN List 化学物質に
対応していない会社を明らかにする


情報源:ChemSec News, 5 March, 2013
REACH reveals the companies behind the SIN List chemicals
http://www.chemsec.org/news/news-2013/january-march/
1138-reach-reveals-the-companies-behind-the-sin-list-chemicals


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2013年3月9日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ChemSec/News/
chemsec_130305_REACH_reveals_companies_behind_SIN_List.html


ケムセック(ChemSec)は本日、どの会社が最も有害な化学物質のいくつかをEU市場に出しているかについての新しい情報を発表した。この情報は、ケムセックとクライアントアース(ClientEarth)の訴訟の後に、欧州化学物質庁(ECHA)が最近公開したものである。

 有害性の少ない世界は、化学分野の透明性が大幅に増すことによってのみ、達成することができる。したがって我々は、現在、ヨーロッパの化学物質製造についてのしっかりした最新の情報を持つということは非常に喜ばしいことであると、ケムセックのビジネス・投資家顧問であるソーニャ・ハイダーは述べている。

 EU化学物質規則REEACHは、EUにおける化学物質の生産と使用についての新たな情報を提供する。世界中の広範な分野の会社が、化学物質の彼等の製造又は輸入を欧州化学物質庁(ECHA)に登録している。以前は、ECHAはこの情報を公開することを拒否しており、ECHAがこの情報を2012年の後半から公開し始めたのは、ケムセックとクライアントアースによる欧州司法裁判所(ECJ) への訴訟提起の後のことである。

 ケムセックは本日、SINリスト上の化学物質の製造又は輸入を登録している会社についてまとめた情報を発表した。これらは、例えば、発がん性がある、又は生殖を阻害するが、洗剤、塗料、おもちゃなど、多くの消費者製品中でいまだに使用されている有害化学物質である。SINリストはケムセックによってREACH規則の中で非常に高い懸念がある物質(高懸念物質)であると特定された化学物質からなっており、したがって将来、その製造者はEUの禁止に直面することになる。

 多くの会社は持続可能であると主張するが、いまだにSINリスト上の化学物質を製造している。しかし、化学分野内での持続可能性は、その中核ビジネス、すなわち化学物質の品揃に広がる必要があることは明らかであると、ケムセックのディレクターであるアンソフイー・アンダーソンは述べている。

 SINリスト上の化学物質の製造者及び操業している国についての情報が本日、公開されてるSINリストデータベース上に追加された(www.sinlist.org)。ケムセックはまた、二つの新たな発表を行なった。ひとつは、EU市場にSINリスト化学物質を上市している株式上場会社をリストしたものである。もうひとつは、REACH候補リスト(訳注:有害性が懸念されるため、将来REACHの認可対象となる化学物質の候補リスト)に含まれる化学物質を製造している会社のリストを初めて発表した。

 我々は、広範な利害関係者がこの新たなデータを有用であること認めると信じている。例えば、投資家にとって、彼等の投資分析に化学物質の生産を含めることは以前に比べて容易になる。環境と人の健康という利益のほかに、有害性の少ない代替化学物質の品揃えを展開する会社にとって明確なビジネスチャンスがあると、ソーニャ・ハイダーは続けた。



化学物質問題市民研究会
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