ケムセック(ChemSec) 2009年3月31日
労働組合 労働者保護のための
有害化学物質リストを発表


情報源:ChemSec News, 31 March 2009
Trade unions launch list of hazardous chemicals for workers protection
http://www.chemsec.org/news/news.php#tulist

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年4月14日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ChemSec/News/chemsec_090331_Trade_Union_Priority_List.html


 欧州労働組合連合(ETUC)は本日、『REACH認可のための労働組合優先リスト』を発表した(訳注1)。労働組合リストは労働者に健康問題を引き起こす可能性のある306種の化学物質からなる。それらの化学物質のうち、89種は SIN リスト(訳注2)にも含まれている。

 SIN リストは、REACHの基準に従い、非常に高い懸念のある物質(SVHC)の公式基準を満たす化学物質をリストしている。労働組合リストの主要な関心は労働者の健康と保護にあり、従ってREACHの中で非常に高い懸念のある物質(SVHC)として特定されたものより広い範囲の化学物質をカバーしている。

 SIN リストは、カテゴリー1及び2として分類されたCMRs(発がん性・変異原性・生殖毒性)を含んでおり、それらはREACHの中で関心が集中している物質である。労働組合リストはまたカテゴリー3(可能性あるCMRs)として分類されたCMRs化学物質、神経毒性化学物質、及びアレルギー反応を引き起こす化学物質(感作性物質)を含んでいる。これらは全て労働者にとって高い懸念のある化学物質であり、労働組合リストは有害影響を持つ化学物質に対してより予防的なアプローチを適用している。労働組合リストはまた306物質全てにランク付けをしている。

 欧州労連(ETUC)は、リストされた化学物質をREACH認可のための候補リスト中にを含めることで、化学物質関連の職業病の発生と、共同体、労働者、及び産業界自身にかかる付帯コストを低減すると強く信じている。

 我々は、SINリストを支える組織のひとつが開発した有害化学物質のための労働組合リストを歓迎する。労働組合リストの関心は労働者の健康にあるので、これは労働者の観点からREACHに対する価値ある情報を提供するであろう。これが職場における有害化学物質の代替化を加速し、労働者の健康改善をもたらすことが望まれるとケムセックのプロジェクト・コーディネータ、ジャーカー・リグサートは述べている。

詳細は欧州労連のウェブサイトをご覧ください。
http://www.etuc.org/a/6023


訳注1
訳注2


化学物質問題市民研究会
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