HEAL 2024年5月23日
新たな研究 − 化学物質への暴露は子どもたちの
メタボリックシンドロームのリスクを高める可能性がある

情報源:Health and Environment Alliance (HEAL)
Press Note: 23rd May 2024
New Study - Chemical exposure can lead to
higher risk of metabolic syndrome in children
https://www.env-health.org/press-note-new-study-chemical-exposure-
can-lead-to-higher-risk-of-metabolic-syndrome-in-children/


訳:安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2024年6月3日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/edc/EU/240523_HEAL_New_Study-Chemical_
exposure_can_lead_to_higher_risk_of_metabolic_syndrome_in_children.html


 HEAL がパートナーとなっている EU が資金提供している ATHLETE プロジェクトが本日発表した新しい研究によると、ホルモン系の正常な機能を妨げる内分泌かく乱化学物質類(EDCs)への出生前の暴露は、子どもたちの代謝の健康を悪化させ、ひいては健康に生涯にわたる悪影響を及ぼす可能性があることが判明した。メタボリック シンドローム(内臓脂肪症候群)は、心血管疾患や糖尿病のリスクを高める可能性のある複数の症状の併せもつ状態である。

(訳注:メメタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。e-ヘルスネット)  この研究では、妊娠中に存在する金属、ポリフルオロアルキル化合物(PFAS)、農薬、難燃剤などの混合物のような内分泌かく乱化学物質類(EDCs)が、子どもたちがメタボリック シンドローム(内臓脂肪症候群)を発症するリスクを高めるというが驚くべきことが判明した。この暴露は生涯にわたる影響を及ぼす可能性があり、肥満、高血圧、インスリン抵抗性、高コレステロールとして現れることがある。これらはすべて、心血管疾患や糖尿病の原因となる要因である。

 この研究では、PFAS とポリ塩化ビフェニルによるリスクは女児の方が高く、パラベンへの暴露による影響は男児の方が大きいことが判明した。バルセロナ国際衛生研究所(ISGlobal)が主導したこの研究には、スペイン、フランス、ギリシャ、リトアニア、ノルウェー、イギリスの1,134人の母親とその子どもたちが参加した。最初は、妊娠中または臍帯からサンプルが採取された。この研究はその後、6〜11歳の子どもたちを追跡調査した。

 HEALのエグゼクティブディレクター、ジェノン K. ジェンセンは、次の EU 議会で EDCs を制限するための行動を起こすこと求めている。”EU の意思決定者が、PFAS などの EDCs が EU で確実に禁止されるようにすることが急務である。持続可能な化学物質戦略の完全な実施は、有害な化学物質から人々の健康を守るための新たな欧州委員会の優先事項でなければならない。”

背景  EDCs は、我々の体内の天然ホルモン(natural hormones)に干渉する合成化学物質である。消費者製品、果物や野菜、食品の包装、さらには空気や水など、あらゆる場所に存在する 。ATHLETE プロジェクトの目的は、さまざまな ECDs がメタボリックシンドロームに及ぼす複合的な影響を評価することである。


オリジナル論文:
JAMA Network
Original Investigation Environmental Health
May 23, 2024
Prenatal Exposure to Chemical Mixtures and Metabolic Syndrome Risk in Children
Nuria Guil-Oumrait, MSc1,2,3; Nikos Stratakis, PhD1,3; Lea Maitre, PhD1,2,3; et al

キーポイント

質問: 内分泌かく乱化学物質 (EDC) の混合物への出生前暴露は、子どもたちの代謝機能障害と関連しているか?

結果: ヨーロッパ 6 か国の 1134 組の母子を対象としたこのコホート研究では、金属、有機塩素系殺虫剤、ポリ臭化ジフェニルエーテル、およびパーフルオロアルキル物質を含む EDC 混合物への出生前暴露は、小児期のメタボリック シンドローム リスク スコアの上昇、および炎症誘発性タンパク質、アミノ酸、およびグリセロリン脂質レベルの変化と関連していた。

意味:これらの結果は、妊娠中の広範囲にわたる EDC 混合物への暴露が子どもたちの代謝の健康状態の悪化と関連し、生涯にわたるメタボリック シンドロームの継続的な急増に寄与している可能性があることを示唆している。





化学物質問題市民研究会
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