BAN Media Release 2010年10月20日
有毒廃船の不法輸出をメキシコに警告

情報源:BAN Media Release, 20 October 2010
MEXICO WARNED TO BLOCK ILLEGAL EXPORT OF TOXIC SHIPS

http://www.ban.org/ban_news/2010/101020_mexico_warned_to_block.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年10月22日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/shipbreaking/ban_101020_IMexico_toxic_ships.html




Independencia
Photo by Arjan Elmendorp as published
in Shipspotting.com
【2010年10月20日(メキシコ)】 有害物質の国際貿易を監視し、船舶解体に関するNGOプラットフォームの組織メンバーであるバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)は、本日送付した書簡の中で、メキシコの消息筋から3隻のメキシコ船籍のタンカーで、メキシコ国営石油会社(Pemex)が運営するSebastian Lerdo de Tejada, Tolteca, Independencia が、メキシコからパキスタン、バングラデシュ、インド又は中国に、国連バーゼル条約とメキシコ国内法に違反して輸出されようとしているとして、メキシコ政府に警告を発した。

 Pemex は、これらの船舶をスクラップにするために今週後半、国際市場での入札で最高応札者に売るという意図をしめした。そのような売り渡しのほとんどは、原始的で、危険で、環境を破壊する方法で解体されることになる。そして、ほとんどの石油及びガスタンカーは、石油やガスを含んだ残渣による爆発を防ぐための規制が緩いバングラデシュの船舶解体現場に行く。

 船舶は、高レベルのPCB類やアスベスト、その他の危険な廃棄物をその船体内に含んでいる疑いがある。したがって、メキシコもその加盟国になっている「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」の規則の下に、これらの船は有害廃棄物として定義され、国際市場においてその貿易は厳格な制限に従わなくてはならない。

 メキシコは、有害廃棄物をOECD諸国、EU諸国、及びリヒテンシュタインだけに輸出することを許すバーゼル条約修正条項を履行している。パキスタン、バングラデシュ、インド、及び中国は非OECD国であり、したがって、それらの船舶がまず、全ての有毒物質を除去されない限り、法的にこれらの船舶をどのような用途であってもメキシコから輸入することができない。その代わり、これらの船舶は メキシコ、アメリカ、その他のOECD諸国、又はEU諸国の適切施設で安全にリサイクルすることができる。

 ”BANは、メキシコ政府にバーゼル条約の原則を支持し、これらの有毒船舶の違法な輸出を阻止するよう要求した。国有の複合大企業 Pemex は、この差し迫った取引の国際的、法的、道徳的結果についてまだ分かっていないかもしれない”とバーゼル・アクション・ネットワークのグリーン・シップ・リサイクリング・キャンペーンのコルビー・セルフは述べた。”今、彼らは警告を受けたのだから、彼らが正しいことをするであろうと期待している”。

 メキシコ政府は、メキシコのラザロ・カルデナス港に現在係留されている当該船舶の法的管轄権を完全に持ち、有害廃棄物の輸出になるかもしれない取引を阻止するために適切な措置を取らなくてはならない。メキシコ政府は、広い範囲の有害物質が存在しないか、これらの船舶を十分にテストしなくてはならず、もし発見されれば、これらの船は、先進国において最も環境的に適切な方法によってのみリサイクルすることだけができるということを明記しなくてはならない。



化学物質問題市民研究会
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