Jakarta Globe 2010年2月21日
UNEP管理理事会 バリで会議開催

情報源:Jakarta Globe February 21, 2010
UN Environment Council Gathers in Bali
http://www.thejakartaglobe.com/news/un-environment-council-gathers-in-bali/359977

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年2月23日



 今週、バリで開催される国連環境計画(UNEP)管理理事会の会議に参加するために、100カ国以上の国々からの代表者らがバリに集まった。

 2009年末のコペンハーゲンでの期待はずれの気候変動国際交渉の直ぐ後に開催されるこの会議は議論を呼んでいる。

 議題の第一は、有害化学物質と廃棄物に関する3つの独立した環境条約をひとつの共同の事務局の下に互いに連携させるという難しい試みである。

 汚染に関する重要な環境保護が失われる可能性があることを恐れる環境活動家らはこの動きを懸念している。

 ”基本的な考えはコストの節約と3つの条約のためにひとつの事務局を設立することであるが、その理由は、3つの条約は基本的には同じことを言っているので、そのようにしなけばコストがかかりすぎるからである”と環境NGOであるバリ・フォークス基金のユユン・イスマワティは述べた。

 しかし、高度に技術的なこれらの条約には重要な背景がある。

 バーゼル、ロッテルダム、及びストックホルム条約は全て様々な有害化学物質の移動と廃棄に関連する問題を含んでいる。

 現在、UNEPはバーゼル条約とストックホルム条約の事務局を受け持っており、食料農業機関(FAO)とUNEPが共同でロッテルダム条約の事務局を受け持っている。

 ”それらはお互いに補完しあっているので、我々はそれらの全てを必要としている”とユユンは述べた。”私は、内容が除去されない限り、相乗効果を持たせることは良い考えである”。

 例えば、諸国間の有害化学物質の移動はバーゼル条約とロッテルダム条約の両方で規制されていると彼女は指摘した。もし化学物質製造者らによって食い物にされる抜け穴が作り出されれば、事務局を統合するということは開発途上国を害することになると彼女は述べた。

 インドネシア環境省コミュニケーション・エンパワーメント部門副部門長ヘンリー・バストマンは、3つの事務局の統合は何かを除去すること意味するものではなく、共同管理を作り出すだけであると述べた。

 ”我々はひとつの管理を望むがそれは、もしそのようにしなければ非常に高価なものになるからである。条約は全て同じことについて語っている”とヘンリーは述べた。

 UNEPのエグゼクティブ・ディレクター、アキム・スタイナーは、記者会見で、3つの条約の独立性は議論されていないと述べた。

 ”我々は、それぞれの条約の特徴及び独立性が失われるという意味で、これらの条約をどのように統合するかということを議論していない”とスタイナーは述べた。”ある国はひとつの条約の加盟国であるが、他の条約の加盟国ではないということがあるので、それらの条約は全て現状のままであろう。したがって我々はそれ以上この問題に触れない”。

 一方、インドネシア環境フォーラム(Walhi)は、今週行われるUNEPのこの会議は公衆に参加の機会を与えていないとして批判した。

 ”この会議の戦略性を考えれば、市民社会からのインプットは必須である” と Walhi バリ支所のディレクターであるアグン・ワルダナはJakarta Globeに述べた。”開催国としてインドネシア政府ははじめからこの会議について国民にもっとよく知らせるべきであった”。

 アグンは、ジャカルタとUNEPの両方は、12月のコペンハーゲンでの国連気候変動協議で環境に対する重要な約束をしなかったと指摘した。

 人類が直面する最大の環境問題である気候変動に関しては、多くの国は、インドネシア政府の金儲け活動としての炭素取引の推進のようなビジネス分野に関連する問題を解決することに関心があるとアグンは述べた。

 林業分野において炭素を成功裏に売った後は、我々の政府はこの会議で海洋分野の炭素を売る試みをしている”と彼は述べた。


化学物質問題市民研究会
トップページに戻る