お題<WBC展望・3>

開幕まであと1週間をきった。出場選手も揃い、いよいよそのときを待つだけだ。

てなことで、この項ではアジア地区以外の残り3ブロックを検証しよう。

【B:米国、メキシコ、カナダ、南アフリカ共和国】

《米 国》

 アテネ五輪予選では屈辱の予選敗退。シドニーの際の余裕は完全に消えた。MLB主催と

いうこともあるが、ルールも使用球も決めるなど、「何が何でも優勝」てのが見え見えだ。

投手陣も先発4人に救援10人と、「65球ルール」を最大限に生かせる布陣を敷いた。エース

クレメンスを始め、豪華メンバーが揃った。打線も凄い。デーモン、ジーターが1.2番とメジ

ャーFANなら涙モノ。選手が凄いだけに、マルティネス監督の手腕がいっそう問われる。正直

優勝できなかったときの反動は、想像したくない。

《メキシコ》

 ガルシアパーラ(LA)の出場辞退は残念だが、私個人ではダークホースである。投手陣は

先発3本柱(ロアイザー、ペレス、ロペス)にデセンス(LA)と揃っていて、リリーフも及第点。守

護神はアヤラ(WA)で心配無用。打線もベテランキャスティーヤ(SD,04年度ナ打点王)、カント

ゥ(TB)を中心に計算は出来る。代表メンバーに入っている若い戦力が覚醒すれば、このブロ

ックで「まさか」が起こるかも。

《カナダ》

 至宝ウォーカーが引退、エース格ハーデン(OAK)、守護神ガニエ(LA)不出場で1次リーグ突

破は困難か。投手陣はフランシス(COL)、べダード(BAL)両左腕が軸。3番手が未定だが、

代理守護神のデンプスター(Cubs)が務めるべきだ。リリーフはリーツマ(ATL)、コーミエ(PHI)

にクレイン(MIN)と役者揃いなので、先発陣が鍵だ。野手は左打ちが多いのが難点だが、4

番ベイ(PIT)を始め、3番コスキー(MIL)、5番モーノー(MIN)にステアーズ(KC)と役者は揃って

いる。ポイントは1番予定のオーア(ATL)の出塁率だ。彼の足が生きれば、破壊力アップは間

違いない。

《南アフリカ》ノーコメントです


【C:プエルトリコ、キューバ、パナマ,オランダ】

《プエルトリコ》

 完全な打高投低チームである。故に投手の出来次第では1次で消えるかもしれない。野手

は3番ベルトラン、4番デルガド(共にNYM)を軸に、破壊力も機動力も心配ない。ただメジャ

ーきっての2番ビドロ(WA)欠場の影響がどう出るか?投手陣は先発が足りない。バスケス(CW

S)、ピネイロ(SEA)の後がランクダウンするだけに、3人目のときは救援陣に負担がかかるだ

ろう。その後ろだが、ロメロ(LAA)を中心に渋いところが揃っている。抑えは42歳の大ベテラ

ン・ヘルナンデス(NYM)。かつての勢いはないが、実績は十分で、昨年も8勝4Sとまだまだ

いける。接戦の際に、勝ちパターンに持っていけるか?

《キューバ》

 アマ最強の称号を欲しいままにしてきた野球大国で、あらゆる意味で注目が集まる

《パナマ》

 前のW杯で3位に入り、年々レベルアップが進んでいる。野手陣は1番マシアス(日本ハム)

3番サインズ(LA)、4番リー(MIL)と軸はまずまず。ただセギノール(日本ハム)、ズレータ(福岡)

の不参加で下位打線が弱い。オバンドー(元・日本ハム)の打棒爆発がぜひとも必要だ。投手

陣はエースのチェン(BAL)以外が不安。守護神リベラ(NYY)不在でやりくりで苦労しそう。また

直前で監督交代があったのも心配材料だ。

《オランダ》

 このブロックの台風の目だ。シドニー五輪でキューバを撃破、前のW杯は4位と実績は年々

積まれている。投手陣はマルダー、ポンソン(共にSTL)、サールース(OAK)の3本柱は万全。

リリーフが分からん。打線は昨季本塁打王ジョーンズ(ATL)、ヒレンブランド(TOR)が中心、そ

れにアテネ五輪組がからみ、打線は安定している。名将イーンホーンの采配も注目だ。

【D:ドミニカ、ベネズエラ、オーストラリア、イタリア】

《ドミニカ》

 打倒アメリカの元、強烈なメンバーが揃った。豪腕コロンに大砲ゲレーロ(共にLAA)とこれ

以上メンバーの名を書き出したらきりがないんで略するが、エース格ペドロ(NYM)を2次から

出す計画が立てれる位、余裕がある。心配なのは捕手。1番手のオリボ(FLA)の後がガタッ

と落ちるだけに、かれ次第では青写真に狂いがあるかも。

《ベネズエラ》

 第1回チャンプに最も近いのは、実はこの国かも。投手陣はサンタナ、シルバ(共にMIN)に

ガルシア(CWS)と先発陣はばっちり。守護神ロドリゲス(LAA)を中心とした救援陣も文句なし。

打線は1番イズテューリス(LA)不在が心配だが、アブリュー(PHI)、カブレラ(FLA)ら強打は文

句のつけどころがない。捕手も強打のマルティネス(CLE)とリードのヘルナンデス(BAL)の2枚

看板で完全。隙が一番少ないチームだ。

《オーストラリア》

 アテネ五輪銀と国際舞台でもそのレベルの高さを示したが今回は苦戦か。オプスプリング、

ウィリアムス(共に阪神)不在で、投手陣の役者が足りない。モスらメジャー経験者がいかに踏

ん張るかだ。野手も渋いところが多いが、現役メジャー不在がイタイ。

《イタリア》

 同じ欧州のオランダと比べると、正直見劣りする。投手陣はギャロ(HOU)、ミセリ(TB,元巨

人)からマンテイ(DET)につなぐ勝ちパターンはあるが、先発が弱すぎる。野手は大砲ピアザに

名脇役のデルーチ(TEX)、カタラノート(TOR)が中心。ただ他との差がはっきりしてる。正直

1勝出来れば、御の字である。

 

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