お題<Generation(前)>

 京都から下山してけっこう経つが、気がつくと、人って生き物はこうも変わるものな

のか?と常に驚かされるようになった。

 まず子供が変わった。骨格的には大きくなったけど、中身が薄すぎる。ゆとり教育の

影響もあるのだろうが、まず想像力が浅い!何度かお参りに来た子達にちょっと問いか

けをしても、無反応。「大事なのは問いと答えだけではない。答えが出るまでの過程こ

そが大事なのだ」という教育が家庭、学校両面で欠けている。断っておくけど、「じゃ

あ、答えはどうでもいいの」というのも間違い。

「過程のない答えに価値はない」

「今の子って、すぐに答えを知りたがる」という声も聞いた。人生における答えとは、

 マークシート式ではない。

 答えにも魂が宿っているのだ。

 残念なことに最近の子供たちに見られる現象の最大の要因は…我々大人にあるのだ。

近年増える親の子虐待もこの一因である。「泣き止まないから」とか「言うことを聞か

ないから」という実に短絡的な理由で、赤子を死に至らしめる親の増加。これは「赤子

にとって泣くことこそが唯一のコミュニケーション」という当たり前の事実が、親とな

った人間の頭の中にないのだ。つまり子供が出来たが、親になっていなかったのだ。結

局、自分の感情(腹ただしい)をぶつけてるだけなのだが、それって常識がつく前の子供

のすることじゃないの?「親子関係の友達化」という現象も問題はあるが、それ以上に

まずいのが「大人の退化」である。これまた最近増えた30代前後の無職

(そのほとんどが男)のちんけな理由での犯罪は、その象徴といっていい。子供にとって

理想の後姿であるべき大人が、「身勝手で意味不明」な動機で人を傷つけ、ときには殺

める今の時代。一昔前の安っぽい刑事ドラマのようなフィクションが現代で事実化する

とは。

以下、後編に続く

 

 

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