今回の狙いは夜明けの知床連峰の撮影。うまくタイミングが合ってくれればハマナスの群生にも
出会えるはずである。 ♪知床の岬にハマナスの咲く頃 思い出しておくれ 俺達のことを 森繁久弥さんの『知床旅情』の一節はあまりにも有名。 花の撮影はタイミングが命であるが果たして今回はどうなるのか。 我が家から小清水原生花園までは約300km。 ノンストップで車を走らせ、5時間かかってようやく辿り着く。 空には満天の星空が広がっていた。 僕は車を降りてその星空を見上げながら、ウィスキーのキャップを捻る。 安着を祝っての祝杯である。肴はこの星空だけで十分だ。 いくら僕が北海道の片田舎に住んでいるとはいえ、これだけ360度どこを見ても 星が見えるという経験は決して多くない。童心に帰って北斗七星、北極星、白鳥座のベガ、 夏の大三角形を探す。 間違いなく明日は快晴であること確信しながら。 到着から数時間経ち、空が明るさを増してきた。 まだ薄暗い公園内で撮影準備に取りかかる。 いつしか降り注ぐようにきらめいていた星々はその姿を隠して見えない。 東の方角に唯一煌めく星一つ。 明けの明星。そう。金星である。 金星を覆う濃硫酸の雲が太陽光を非常によく反射するため最大で「-4.5」等級の明るさを持つ。なるほどこの明るさの空でも ひときわ輝くその姿が確認できるわけである。 |
撮影データ | |
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Body | Canon EOS-55 |
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Lens | TAMRON 28-200mm F3.8-5.6 50mm付近 |
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Exposure | 評価測光 絞り優先 f16 3" 補正なし |
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Film | FUJICHROME PROVIA100F(RDP3) ISO 100 |
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Filter | |
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etc | 三脚、リモートスイッチ使用 |
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